🔟「アメリカの企業、Intelは大きな脅威ではない!!」と台湾の半導体メーカーTSMCの創設者が発言:2022年12月9日(金)に放送された「ガイアの夜明け」:民主国家で得た「大きな成果・成功(技術)」「3次元積層技術, and so on」米空軍高官「台湾有事は2025年」

 

🔟民主国家で得た「大きな成果・成功(技術)」や日本人による発明「3次元積層技術,etc.」を中国・韓国などの権威主義国家には絶対に売らない!

日本が、半導体関連で中国などの潜在的な敵対国に頼ることがあってはならない



TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)

台湾半導体受託製造会社TSMC←日の丸半導体ラピダスのライバル会社

 欧米からみたアジアの地政学は、米国と中華民族という大国同士の争いという、他のアジア諸国はゲームの駒にすぎない。アジア諸国はこの冷戦のなかで、どちらかの側につかなければならない。全ての半導体は今世紀の戦略物資なのだ。台湾TSMCは5nmの大量生産を行っている。2023年は3nmの量産を開始する。2024年から量産予定の2nmのR&Dも同時並行で行わなければならない。このように最先端の半導体の量産と開発にすべてのリソースを集中している台湾TSMCは、いくら世界中から生産委託が殺到しているといっても、需要の多い10年前のレガシーな技術の28nmの工場を新設する金銭的な余裕はない。ところが、日本が助けてくれる。5兆円規模の資金もソニーもデンサンも助けてくれて28nmの工場新設できて世界に売って利益を出せる。日本政府は「3nmの生産競争」において台湾TSMC と日の丸半導体「ラピダス」をスタート地点に立たせて闘かわそうとしている。




地政学的にIT関連で日本国が重視すべきは、中華民族の台湾ではなく民主国家インドだ。






2022.12.9 ガイアの夜明け
2022年12月9日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、ガイア20周年企画 第9弾「スクープ!ニッポン半導体 復活の道」。
スマホ、自動車、家電、戦闘機、ドローン、ロケット、ミサイル、戦車、航空機、船、軍事通信、PC、スーパーコンピュータ、...あらゆる製品に使われる「半導体(国家戦略物資・産業米)」。世界的な供給不足で極秘に始まった官民一体の「次世代半導体(国家戦略物資)」開発の裏側を独占取材した。


日本の新会社「ラピダス」誕生の裏側を完全スクープ! ニッポンは"次世代半導体(国家戦略物資)"で巻き返す!



スマートフォンの中を見たことはあるだろうか。プロに分解してもらうと、スマホの心臓部のチップ1つ1つがすべて半導体(国家戦略物資)、通信用の半導体(国家戦略物資)はアメリカ製で、データを保存する半導体(国家戦略物資)は日本製、メインの半導体(国家戦略物資)を含む多くを台湾がつくっている。
自動運転など、将来の技術には欠かせない次世代の先端半導体(2ナノメートル)は、これまで以上に開発競争が激しくなる。

先月、日本経済にとって画期的な発表があった。新たな半導体(国家戦略物資)の国産化を掲げる新会社「ラピダス」の誕生だ。この会社には、「トヨタ」や「NTT」「ソニー」など、日本を代表する8社が出資。動いたのは経済産業省で、成功のカギを握るのは、30年前の因縁の相手となるアメリカとの協力だ。
「ガイア」は「ラピダス」誕生までの日米極秘交渉の裏側を独占取材。新会社の誕生を決定づけた100日間に密着した。



今年2022年5月に開かれた日米首脳会談。そこで決まったことのひとつが、互いにチームを作り、次世代半導体を協力して開発していくことだった。
今、世界はスマホなどに使う半導体(国家戦略物資)の多くを台湾の「TSMC」や「PSMC」、韓国のサムスン電子に依存しており、そのシェアは台湾TSMC1社だけで世界の約6割を占めるほど。しかしその状況に、暗い影が落とされていた。

「(台湾に対し)決して武力行使の放棄を約束しない」と、中国・習近平国家主席の中華思想(世界の中心は中国)だ。

中国が台湾の半導体(国家戦略物資)にも手をかけ盗めるのか...。日本とアメリカは、ともに半導体(国家戦略物資)の確保、すなわち地政学的に安全な施設の確保に迫られていた。

それから5カ月、「ガイア」は水面下で、経済産業省への取材を続けてきた。
半導体政策(国家戦略物資と認識した政府の政策)を所管する商務情報政策局では、2023年5月の日米首脳会談を経て、次世代半導体政策を手がけるチームが編成された。そのリーダーが、経産省 商務情報政策局 金指壽課長(華僑)だ。「ガイア」が取材した日の6日後、金指さんは、アメリカで極秘の半導体交渉をすることが決まっていた。


「まず、日本の最先端の半導体のロジックビジネスがグローバルの世界に戻ってくる。そうした強い意志をアメリカの政府関係者、産業界としっかり共有することが一番の目的になります。正直、日本は今がラストチャンスだと思ってください」。

1980年代、日本は半導体の生産で独走していた。そこでアメリカが仕掛けたのが、日米半導体協定。これにより、日本は海外メーカーから20%を輸入するよう求められ、50%を占めていた日本の世界シェアは2022年現在10%にまで落ち込んだ。

自国・自己中心の共和党政権のアメリカがどこまで日本と協力して半導体(国家戦略物資)の開発に乗り出してくれるのか、金指さんに一抹の不安がよぎる。

2022年10月10日、ニューヨーク。金指さんとチームが向かった場所には、日米交渉に加わる主要メンバーが集まっていた。中心となるのは、新会社「ラピダス」の会長、東哲郎さん(※取材時は就任前)。東さんは、世界3位の半導体装置メーカー「東京エレクトロン」の社長に46歳で就任、売上高2兆円を超える巨大企業に成長させた業界の重鎮だ。

                  新会社「ラピダス」の会長、東哲郎さん



「私は以前から、日本で半導体(国家戦略物資)の領域で最先端部分(2ナノ)が欠落しているということに対して非常に危機感を持っていました」。

明日からの極秘交渉に向けた作戦会議は、夜遅くまで続いた。
2022年10月11日、交渉初日。政府代表団が最初に向かった先は、ニューヨーク郊外にある「IBM」の研究開発拠点。「IBM」は現在の最先端、超微細の2ナノメートルの半導体の開発に成功。日本は、家電などに使う40ナノ台の半導体しか作れないとされ、中国からも韓国からも台湾からも10年以上遅れていると指摘されている。






日本が巻き返しを図るには、「IBM」が持つ先端技術が不可欠だが、実はこの交渉には重要な伏線があった。

訪米前、東哲郎さんを訪ねると、こんな経緯を明かしてくれた。3年前のトランプ政権の時、東哲郎さんに電話をかけてきたのが、「IBM」の幹部、ジョン・ケリー氏。最先端の2ナノメートルの半導体開発にめどがついたので、日本に製造を委託できないかと、相談してきたというのだ。
その後、東哲郎さんは日本の経産省(かつての日の丸半導体を推進した部署)などと協議を重ね、この日を迎えることができたという。
会議は2時間ほどで終わり、「IBM」は日本に最先端技術を提供することに大筋で合意した。



「2ナノは僕らやってなかったわけだから、技術的には学んでいくことが多いわけだけどね。この際いいチャレンジじゃないですか」と東哲郎さん。

2022年10月12日、首都ワシントン。この日、日本にとってもう一つ大きな正念場が待っていた。交渉相手はアメリカ政府。新バイデン政権は、半導体を安全保障上の重要な戦略物資と位置づけており、特に先端半導体は、中国へ輸出規制するなど神経を尖らせている。
「IBM」からの先端技術の提供にめどをつけたとはいえ、アメリカ政府の承認がなければ前に進まない。2024年11月の大統領選でトランプ政権になったら前には進まないだろう。

交渉の主戦場となる商務省に到着したのは、東哲郎さん、「NTT」の澤田純会長、「NEC」の遠藤信博元会長。さらに、半導体業界の企業の幹部たちが交渉メンバーに加わった。
そんな一行を待ち受けていたのは、アメリカ商務省 ジーナ・レモンド長官。この時、どんな交渉が行われたのか...番組では、取材をもとに再現する。



 2022年10月14日、朝。東哲郎さんたちが次に向かった先は、シリコンバレーにある「グーグル」本社と、半導体大手の「インテル」。新会社「ラピダス」が作り出す新しい半導体を、早速アピールする。こうしたアメリカを代表する巨大企業が、なぜ、東哲郎さんたちの話を聞いてくれるのか。企業の幹部が揃って出迎えるのには、ワケがあった。

「東哲郎さんは、半導体業界で、今日も"レジェンド"と呼ばれていました。普段は優しい感じですけど、ビジネスモードになったら全然違うなというのはすごく感じます」と金指さん。


今年73歳を迎えた東哲郎さんは、交渉のリーダー役として5日間に及ぶ日程を終えた。

「日本のこれからの世代の人たちが、何とか将来に対して夢を持てるということを考えていった場合、連携とかコラボレーションをいかにうまく進めるかが非常に重要だと思っているわけ。日本人は弱肉強食に弱いんだよね。そこらをうまく連携できるような道筋ができてくれば一つの活路になるわけだから。そういう意味合いでは、僕は、いろんなことで実現したいなっていう...」

東哲郎さんは、「ラピダス」の成功に並々ならぬ決意を秘めている。


日米が最先端の半導体(国家戦略物資)で連携する大きな理由


台湾に、世界経済の動向を左右する巨大企業、半導体生産で世界トップの「TSMC」がある。
特に、ロジック半導体と呼ばれる先端半導体では約6割のシェアを握っており、2021年の売上高は日本円で約6兆6000億円、利益は約2兆4700億円を記録した。

「TSMC」の本社がある新竹市の目と鼻の先、海を挟んだ中国福建省沿岸には、人民解放軍の空軍基地がある。その距離約250キロで、東京・名古屋間よりも近い。

「台湾有事に備える」。台湾における地政学リスクの高まりは、日米が最先端の半導体で連携する大きな理由だ。

1987年に創業した「TSMC」は、半導体の設計には関わらず、生産に特化する「ファウンドリー」と呼ばれる企業。あらゆる設計会社から生産を受け付け、技術を蓄積してきた。
メディアの個別取材はほとんど受けないが、今回「ガイア」が単独取材に成功。アジアとヨーロッパを統括するクリフ・ホー副社長が、日本での新たな戦略について初めて答えた。
そして、将来のライバルになりかねない日本の「ラピダス」について、クリフ副社長の反応はー―?



半導体(国家戦略物資)の巨人「TSMC」














TSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)


「TSMC」とは、設計は手掛けず生産だけをやる「ファウンドリー企業」。世界一を続けるには、日本の半導体製造機器とその技術は今後も必須条件。ぜひとも手に入れ「TSMC」に持ち帰りたい!そのためには「熊本」で共同開発しかない。






侯永慶(Hou Yongming)クリフ・ホー副社長、TSIA会長、第14代TSMC会長



  記者が自分のPCで「ラピダスのニュースを見せて説明しようとしても」、クリフ・ホー社長は見向きもせず、「あなた方の目的は何ですか?」と、怒りの表情をみせた。

     「私の知らないことを聴くな!」




アジアとヨーロッパを統括するクリフ・ホー副社長








 日本の半導体の実装技術が脚光を浴びている。半導体素子の微細化が難しくなるなか、半導体チップを積み重ねて性能を高める「3次元積層技術」の重要性が高まっているためだ。日本にはイビデンや芝浦メカトロニクス、JSRなど高度な技術力を持つ装置・素材メーカーが集う。半導体受託製造会社(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の次の狙いは日本で最先端の積層技術の共同開発に乗り出すことだ。

      TSMCの社員数も昨年2020年に8000人増員して約5万6000人になり、2021年は9000人増やす予定となっている。なぜこれほど投資をし、社員数を増やすのかというと、ほぼすべては最先端の微細化を進め、その半導体を量産するためである。今年2022年TSMCは5nmの大量生産を行っている。来年2023年は3nmの量産を開始しなければならない。加えて、2024年から量産予定の2nmのR&Dも同時並行で行わなければならない。
このように最先端の半導体の量産と開発にすべてのリソースを集中しているTSMCには、いくら世界中から生産委託が殺到しているといっても、需要は多いが10年前のレガシーな技術の28nmの工場を新設する金銭的な余裕はない。ところが、日本が助けてくれるという!
2年間で5兆円規模の無償提供は日本だけだ。


日本の記者「このニュースは、知っていますか?」
ホー会長「知りません」
日本の記者「ここにあるのが「ラピダスのニュースです」見てください。」


ホー会長「ラピダスのニュースの件は知りません。」

日本の記者「ここにあるのが「ラピダスのニュースです」見てください。」

「ラピダスのニュースの件は知りません。」「あなた方の目的は何ですか?」
    ホー会長 「知らないことを、私に聞くのは良くない」「あなた方の目的は何ですか?」




アジアとヨーロッパを統括するクリフ・ホー副社長

TSMCの上級副社長であるHou Yongqing氏
欧米からみたアジアの地政学は、米国と中華民族という大国同士の争いという枠組みでとらえられることが多く、他のアジア諸国はゲームの駒にすぎないとみなされているようだ。アジア諸国は2つの超大国の間で生じつつある冷戦のなかで、どちらかの側につかなければならないとの考え方が根強い。どちらか側につくということが、経済的に不利な結果を招くとしてもだ。全ての半導体は今世紀の戦略物資なのだ。台湾TSMCは5nmの大量生産を行っている。来年2023年は3nmの量産を開始しなければならない。加えて、2024年から量産予定の2nmのR&Dも同時並行で行わなければならない。このように最先端の半導体の量産と開発にすべてのリソースを集中しているTSMCには、いくら世界中から生産委託が殺到しているといっても、需要の多い10年前のレガシーな技術の28nmの工場を新設する金銭的な余裕はない。ところが、日本が助けてくれる。日本の資金やソニーもデンサンも助けてくれて28nmの工場を新設できて世界に売ってTSMCは利益を出せるのだ。日本政府は「3nmの生産競争」において、TSMC とラピダスをスタート地点に立たせて、闘かわそうとしているのだ。


クリフ・ホー副社長、TSIA会長、第14代TSMC会長

台湾半導体工業協会(TSIA)は昨日、年次総会を開催し、第14回理事会と監督委員会が無事に選出され、TSMCの上級副総経理である侯永慶氏(Hou Yongqing)が劉徳音氏(Liu Deyin)の後任として新会長に選出されました。 また、業界は、侯氏(ホー氏)がTSMCの次世代の後継者である可能性もあると解釈しています。

米国ニューヨークのシラキュース大学で電気・コンピュータ工学の博士号を取得し、学界の准教授を務めたほか、電通ITRI研究所に勤務し、現在はTSMCのユーラシアビジネスおよびテクノロジーリサーチのシニアバイスプレジデントを務めています。 1997年にTSMCに入社し、設計・技術プラットフォーム組織のシニアディレクター、設計・技術プラットフォームの副ゼネラルマネージャー、研究開発組織の技術開発担当副ゼネラルマネージャーを歴任しました。

侯永慶氏は、TSIA会長の重要な責任を引き継ぐことを非常に光栄に思い、台湾の半導体産業の発展に貢献し続け、第一に、学校や産業界と共同で科学技術人材を育成することを含む4つの重要課題を推進し続けると述べた。 第二に、台湾セミコンダクターの企業秘密と知的財産の保護を強化します。 第三に、グリーン製造とグリーンサプライチェーンの開発を継続する。 第4に、会員企業間のコミュニケーションを引き続き強化し、産業高度化のペースを加速させる。

TSMCの次世代後継車を発表
TSIAは2年ごとに会長を再選し、TSMCは過去6年間、魏浙佳総統が第11代会長、劉徳陰が第12代および第13代会長を務めるなど、実権を握ってきました。 業界によると、TSMCがデュアルリーダーを採用した後、侯永慶が第14回会議の議長に就任し、TSMCを代表して台湾の半導体産業をリードし続けることに加えて、新世代の後継者が公の場に姿を現し、公務に参加し始めたことも意味します。 侯永慶は、劉徳陰がかなり信頼している「台湾半導体産業総統への助言書」の研究開発とイノベーションを担当する執筆者でもあると理解されている。




製造の“台湾化”がリスクに!



アメリカで気鋭の国際歴史学者として注目される、タフツ大学フレッチャースクール准教授のクリス・ミラー氏は、半導体の重要性を次のように語ります。


安全保障の分野でも半導体の重要性が高まっているにもかかわらず、その製造が受託生産で世界トップの台湾の「TSMC」に集中していることを、ミラー氏は著書の中で“台湾化”と呼び、大きなリスクだとしています。







サムスンの半導体研究拠点に200億円補助 経産省
韓国サムスン電子にも日本の半導体製造機器とその技術を・・・完全なホワイト国へ。
GDPが韓国に抜かれる日も近いといわれてますが・・・

2023年12月21日
 経済産業省は2023年12月21日、韓国サムスン電子の半導体研究拠点に最大200億円を補助すると発表した。サムスンが横浜市に新設する施設が対象。国内の半導体素材メーカーなどと連携して次世代半導体の研究開発を進める。経産省は支援を通じ、日本の半導体産業の競争力向上につなげる。

サムスンの新拠点への総投資費用は400億円超。経産省が最大で2分の1を補助する。

チップを組み立てて成形する半導体の「後工程」技術の研究を進める。AI(人工知能)や高速通信規格「5G」向けの高機能半導体の製造技術を研究する。チップを積層上にすることで、情報処理速度を高める狙いだ。

研究は日本の半導体素材メーカーや製造装置メーカーなどと連携して進める。次世代半導体は世界的にも需要が高まる。経産省は同研究を支援することで「日本企業のイノベーションにもつながる」とみる。

経産省は半導体の国内製造能力の強化に向け、海外企業の誘致や国内企業の支援を進める。これまでに半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場に最大4760億円、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルが協業している三重の工場には最大929億円の補助を決めた。






経済産業省主体の日の丸半導体「ラピダス」の勝算 “周回遅れの惨状”から挑む「最後のチャンス」
2022年12月26日
世界の半導体技術レベルと比較して10~20年以上の周回遅れとなっていた日本。次世代半導体(2ナノメートル)の生産で、ラピダスは台湾TSMCとの戦いになった。



日本政府は、経済産業省が中心となり欧米との国際連携を軸に次世代半導体(2ナノメートル)の量産する新会社「ラピダス」と、研究開発拠点である技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)をセットにした半導体産業の復活を掲げる基本戦略構想を打ち出した。このプロジェクトを実現するため5年間で5兆円の資金を用意し、「最後のチャンス」に挑もうとしている。


経産省とトヨタ自動車、NTTなど主要企業を巻き込んだ「オールジャパン」によるこの構想。なぜこのタイミングで生まれたのかを、英調査会社オムディアの杉山和弘コンサルティングディレクターに聞いて驚いた。 (経済ジャーナリスト中西享、アイティメディア今野大一)

●政府、自民党に危機感

 経済安全保障の観点から旗振り役をするのは自民党半導体戦略推進議員連盟の甘利明会長だ。甘利会長は、2021年12月に開いた会合で「半導体の開発のためには今後10年間で7~10兆円必要」と発言したのが、半導体産業復活に向けての動きの始まりだった。同議連は22年5月には「今後10年で官民あわせて10兆円規模の追加投資を行うべきである(一年間で約一兆円)」と決議するなど、強力に後押しをしてきている。

 こうした動きを受けて、5月時点で経産相だった萩生田光一・自民党政調会長がレイモンド米商務長官と「半導体協力基本原則」に合意。同月23日に開催された日米首脳会談で次世代半導体開発の共同タスクフォースの設置を発表した。
7月29日の日米経済政策協議委員会(経済版「2+2」)では、重要・新興技術の育成・保護に向けて日米共同研究開発の推進で合意。日本側の取り組みとして研究開発組織(日本版NSTC)の立ち上げを発表した。

 このための予算措置として2021年度補正予算で7800億円を計上した。思い切った投資をしようとしている。

 これだけ矢継ぎ早に半導体関連の政策を打ち出した背景には、「産業のコメ」「戦略物資」といわれる半導体分野での日本の立ち遅れがある。欧米と比較して30年の周回遅れの状態になっているのだ。

 1988年に日系半導体シェアは50%を越えた。だが、その後30年以上にわたり低下傾向が続き、2021年のシェアは8.8%しかない。半導体企業のベスト20社を見ると、1990年には1位のNEC、2位の東芝をはじめ日立、富士通など10社が入っていた。しかし2021年で見ると、12位のキオクシアが最高位で、ルネサス、ソニーセミコンダクターの3社しかない。あと10年もたてば消滅の恐れもあった。

 こうした惨状からして、このままでは日本から半導体産業は消滅してしまうという危機感も生まれていた。

 後述するように米国をはじめ欧州、韓国などでは、次世代の半導体開発(2ナノメートル半導体)のために政府が強力な支援策を相次いで発表した。日本はこの流れに乗り遅れるわけにはいかない情勢に追い込まれている。次世代の半導体開発(2ナノメートル半導体)の設計を今現在持っているのはアメリカのIBMだけだ。

●「オールジャパン」で遅れを取り戻す

 半導体不足は日本経済にも深刻なダメージを与えている。この1、2年は自動車メーカーの生産ラインが半導体不足のため一時的にストップしたりする事態が起きている。

 この他、鉄鋼、電力、輸送などインフラ関連でも半導体の需要はうなぎ上りに増えていて、世界の先端技術に追いつくためには、「オールジャパン」で取り組まざるを得ないという認識が産業界の中にも醸成されてきた。

 日本単独会社「ラピダス」に出資した企業は、トヨタ、NTT、NEC、ソニーグループ、ソフトバンク、デンソー、キオクシア、三菱UFJ銀行など各分野のトップが名を連ねている。全体のかじ取りは経産省がするが、これだけの主要企業がタッグを組んだところからみても、「『オールジャパン』で何としても半導体の遅れを早期に取り戻さなければならない」という意気込みが伝わってくる。

 中でも自動車メーカーは、カーボンニュートラル政策のもと、EV(電気自動車)シフトの流れを進めている。そして、今後生産が増えてくるEVは従来のガソリン車に比べて使用する半導体の量が数倍増えるといわれている。

 今後はEVの増産が見込まれているだけに、自動車メーカー各社は必要とする半導体の確保に血眼(ちまなこ)になっている。

 EVでは、動力源がモーターに変わり、モーター制御に必須なインバーターに多くのパワー半導体が使われるため、注目されている。杉山氏は「パワー半導体は日本の半導体メーカーが強い分野だ。世界中で電力不足が叫ばれている時だけに、パワー半導体で日本が存在感を発揮できれば、市場をけん引していけるだろう」と予想している。

パワー半導体とは【パワー半導体とは、電力の制御や変換を行う半導体の総称で、パワーデバイスとも呼ばれています。 半導体の中でも、CPUやLSIなどの集積回路は、小さな電力で演算や記憶を行う役割を持っていることから、】


●強い企業と連携

 杉山氏は「今回の経産省の発表でこれまでと大きく異なるのは、日本の国内メーカーだけによるオールジャパン連携ではなく、欧米の強いメーカーと組んだことだ。これまでは『井の中の蛙』でやってきたが、これでは成功しないと気付いたのではないか」「アメリカのIBMと・・」と強調する。

 具体的には全米半導体技術センター(NSTC)や米IBM、ベルギーの研究組織IMECなどに加えて、極端紫外線と呼ばれる非常に短い波長の光を用いた半導体露光装置(EUV)技術を持っているオランダの半導体製造装置メーカーASMLと連携。回路幅が2ナノ(1ナノは1メートルの1億分の1)以下の微細加工技術の習得を目指す。

 2ナノレベルの半導体回路の露光装置ではオランダASMLが市場を独占しており、この装置がないと製造できないといわれている。日本のニコンは、かつては回路幅40~50ナノの時は露光装置の主要メーカーだったが、その後は設備投資を怠ったため、EUV露光装置は製造できていない。

 国際連携の流れの中では12月13日、米IBMは半導体製造で2ナノ回路開発で、「ラピダス」とパートナー契約の締結を発表した。これについて杉山氏は「日本国内で最先端のロジック半導体の製造技術はないため、先進技術を持つアメリカ企業やオランダの研究機関との提携を積極的に進めている世界から先端ロジック製造技術の10年遅れを取り戻すための手段とみています。米IBMの2ナノ製造技術を学び、それをベースに量産時には、IMEC、ASMLとも協業して量産していく必要があり、そのように推進しているとみています」と指摘する。

 今回明らかになった日本の半導体産業復活の基本戦略について杉山氏は、ステップ1から3までの3段階になっていると説明する。

 ステップ1は、IoT用半導体生産基盤の緊急強化で、2021年には7800億円、2年で5兆円が投資され、世界で最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に建設する工場などへの助成に充てられる。ラピダスは76億円の助成にとどまる。この時点で世界の半導体市場規模は約50兆円だ。

 ステップ2は、ラピダスは日米連携による次世代半導体技術基盤を習得し、1年で1兆円の助成があり、国内で2ナノ半導体を量産できるようにする。この時点で世界の半導体市場規模は約75兆円だ。

 ステップ3は、グローバル連携による将来技術基盤の実現だ。NTTが次世代ネットワーク構想として30年に実現しようとして研究開発を進めている光電融合技術「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network、アイオン)」などが含まれる。この時点で世界の半導体市場規模は約100兆円だ。

 この発表より前の8月31日にNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業・先端半導体製造技術の開発に関する公募」を実施している。これを見ると光伝送高速化技術、露光・微細加工技術の開発などが含まれている。ここで採択された研究開発が新しくできる「LSTC」で実施され、実用化のメドがたった暁には、その技術、生産機器は「ラピダス」での量産に利用されることになる。

●中国に対抗する米国

 米国では、バイデン大統領が8月9日に署名してCHIPS法が成立した。これにより米国内の半導体の生産や開発を支援する補助金527億ドル(約7兆5000億円)がアメリカ版のTSMC工場新設に使われる。米国がこれほど巨額の補助金を拠出することを決めたのは、中国に対する経済安全保障の観点から、「半導体の開発では負けられない」という強い決意が、民主、共和党を含めた超党派で合意ができたためだ。日本版TSMCと異なりTSMCの社員の大量移動はない模様だ。

 米国では2023年以降、国家戦略としてこの補助金を活用して半導体回路の加工線幅2ナノの先を見据えた「ビヨンド2ナノ」の開発にまい進する。

 米国はCHIPS法で、支援を受ける企業に対し、今後10年間、28ナノ以降の半導体製造にかかわる中国向け投資の禁止を発表していた。さらに、10月7日に新たに半導体関連の輸出禁止項目を発表した。それによると、18ナノ以下のDRAM、128層以上のNAND、3ナノ以下の回路や基盤を設計するEDAツールは輸出できなくなる。このため、杉山氏は「中国の先端半導体製造は遅延するのではないか」とみている。

 EU(ヨーロッパ連合)は11月末に半導体の開発支援のために、公的資金110億ユーロを投資する。その他、公共と民間合わせて430億ユーロ(約6兆円)を投資することが決まり、12月の閣僚理事会で承認される見通しだ。

 成立するのは2023年になるが、インテル、STマイクロエレクトロニクス、インフィニオン、グローバルファンドリーズなどの半導体メーカーはこの補助金を当てにしてEUで新工場の建設を計画している。

 EUとしては最新鋭の半導体の開発を進めることによって、半導体技術で世界をリードする狙いがある。また隣の韓国では2030年までに最新鋭の「K半導体(2ナノメートル半導体)」を開発する計画を推進している。

●「台湾有事」も意識

 今年2月にロシアがウクライナに軍事侵攻したことも、半導体のサプライチェーンに大きな影響を与えた。

 杉山氏は「コロナ禍の半導体不足から、半導体サプライチェーンにおいて、家電製品や自動車に使われる半導体製造は、台湾・韓国依存が高いことが認識されました。これに加えて、米中対立による地政学的なリスクから、日本も自国で必要な半導体は、自国で生産する必要がある、という自国に回避することが前提にあると思います。この理由は、経済安全保障のリスクマネージメント要因が大きいとみています」と分析する。

 10月に開催した中国共産党大会で習近平国家主席は、台湾統一を在任中の公約に掲げ、「必ず実現する」と述べて、統一のためには武力行使も辞さないとの姿勢を明らかにした。このことはロシアのウクライナへの軍事侵攻と相まって、日本にとって不気味なリスク要因になる。

 「台湾有事」になれば、半導体生産トップで台湾本社を構え、日本や米国で新工場を計画しているTSMCも大打撃を受けることは必至で、その意味でも、日本は自国で自前の半導体を生産できる体制作り(大規模な工場)を急ぐ必要がある。

●「台湾TSMCの後は追わない」

 「ラピダス」の社長に就任した小池淳義社長は、日立製作所などを経てサンディスク社長、ウエスタンデジタルジャパンのプレジデントなどを歴任してきた人物だ。

 小池社長は基本的な方針として「台湾TSMCの後は追わない、同じ土俵(2ナノメートル半導体製造)で勝負しない」と話している。汎用タイプの半導体(18ナノメートル半導体)を大量に生産するのではなく、「ラピダス」に出資してくれた企業が欲しがっているカスタムメイドの半導体を少量多品種で量産したい方針だ。

 しかし、今の日本の技術水準では、半導体の回路幅が30~40ナノレベルのものしか作れないといわれている。「ラピダス」ではこれを一気に2ナノの最先端半導体の量産を目指している。果たして、一足飛びでその水準までレベルアップができるかどうかも気になるところだ。

 杉山氏は「世界の技術水準に追い付くためには、最先端レベルまで追い付かなければ、半導体業界では戦っていけない」と指摘する。

 一方で、「チップレット」と呼ばれる、1つのチップの中に1種類の半導体ではなく、複数の半導体を搭載させて効率の良いチップを作る新しい技術トレンドの製品が展開されてきている。この製法が「ラピダス」の製造過程で実用化できれば、利用者のニーズにあった半導体を量産できるようになるため、可能性が広がるとみられている。

●「半導体製造装置や半導体材料で存在感増す日本」

 日本の半導体自体のシェアは落ち込んでいる。その一方で半導体製造装置や半導体材料では日本のシェアは高く、杉山氏はこう指摘する。

 「製造装置や材料に強い日本と組まなければ最先端の半導体もできないため、実はいま、世界の半導体業界で日本の存在感が増してきている。今回の同省が、ラピダスを含む次世代半導体構想を発表したことについて海外の専門家は驚いている。『日本は半導体で何をしようとしているのか』などの問い合わせが相次いでいる」

 半導体の生産能力のシェアを見ると、韓国が21%、台湾が20%、中国が19%、日本が19%、米国が11%だ。アジア地域での製造能力は大きいが、今後は経済安全保障の視点から自国内で半導体サプライチェーンを確保しようと、生産設備の自国回帰の傾向がみられるという。

 一方で半導体製造装置の供給メーカーをオーナーシップ別にみると、米国が38%、日本が32%と、日米が断トツのシェアをキープしている。日本メーカーでは東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREENなどがある。今後は韓国や中国がシェアを高めるだろうが、それには相当な時間が必要だと分析している。

 また半導体ウエハーなど半導体材料市場では日本は56%を占めて圧倒的に強い分野を堅持している。代表的なのが半導体のシリコンウエハーで世界首位の信越化学工業だ。

 半導体を効率的に製造するためには、こうした材料メーカー、製造装置メーカーの協力が不可欠だった。そのため、この分野のシェアの高い日本の存在感が増してきているといえるわけだ。TSMC熊本工場が、もう工場の開所式が実現できたのもうなづける。

●鍵を握る人材の確保

 次世代半導体を量産する「器」はできた。しかし実際に量産するためには先端半導体の設計、製造を担う優秀な人材が求められる。しかし、日本の半導体産業は1990年代以降、約30年近く低迷してきた。そのため、多くの優秀な人材が職を求めて韓国など海外に多く流出してしまった。

 これについて「ラピダス」の小池淳義社長は「韓国に流出した優秀な人材は呼び戻したい」と発言している。だが、果たして戻ってきてくれるかどうかは不確かだ。「『日の丸半導体』を作るので日本のために戻ってきてほしい」という都合の良い説得工作が功を奏するかどうか。

 いま半導体関連の優秀な人材、とりわけ2ナノクラスの最先端分野の設計、製造部門を担うエンジニアは文字通り世界中で引っ張りだこの状態だ。こうした人材を集めるのは容易ではない。単に札びらをちらつかせて高い報酬を支払うだけでは集めるのは難しいのだ。研究開発体制を含めた満足感の得られる職場環境を用意しなければ、将来的に役立つ人材を得るのは厳しくなっている。

●経産省は、今度こそ失敗は許されない。日本経済の、日本領土の消滅にも関わるかもしれないからだ。

 経産省は半導体事業を支援するため、2022年度補正予算として、次世代半導体などに計約1兆3000億円を計上した。2021年度の補正予算でも6170億円(先端半導体生産基盤整備基金)を組んで、台湾TSMCが熊本県に建設する工場などへの助成を決めている。TSMC優先の助成が気になるところだ。

 半導体は数年ごとに技術革新が起きる装置産業だけに、今後も兆円単位の資金がつぎ込まれる見通しだ。巨額の税金がつぎ込まれる官民共同プロジェクトだけに、この構想が計画通りに進んで日本経済の発展に役立つかどうか注意深く見守る必要がある。これだけ巨額の投資を決めた以上は、後戻りもできないし、失敗は許されない。

 世界の先端メーカー、研究機関とタッグを組んだ一大プロジェクトが日本経済の行く末を左右しそうだ。




経産省肝いりの半導体企業「ラピダス」への巨額投資は愚策 米IT大手トップも「失敗確実」 古賀茂明
2023年9月5日



 日本でもお馴染みの米国のITジャイアント企業のCEOが、最近日本のIT関係者に、「自分は何かがわかっていない。何を見落としているのだろう。教えてくれ」と尋ねているそうだ。

 何のことかと思ったら、岸田政権と経済産業省が総力を挙げて進める最先端半導体製造プロジェクトのことだった。民間企業の出資がわずか73億円しか集まらないのに、政府が700億円も出資してスタートした「ラピダス」社が、まだ世界中のどの企業も量産化していない2ナノ(ナノメートル。10億分の1メートルのこと)レベルの半導体を、札幌に工場をつくって早ければ2027年にも大量生産を開始するという。試作ライン建設に2兆円、量産化ライン建設に3兆円かけるという壮大なプロジェクトだ。民間から資金が出ないので、経産省はすぐに2600億円の追加支援を決めた。過去の半導体王国日本を知る人たちは、これが日本半導体復活最後のチャンスだと意気込んでいる。






大企業TSMC半導体の集積で懸念される「排水問題」 “新たな排水処理施設”を熊本県主導で整備へ 費用は約280億円 
阿蘇の地下水問題

2023年11月18日

半導体関連企業の集積で懸念される「排水問題」 “新たな排水処理施設”を県主導で整備へ 費用は約280億円 熊本
© 熊本放送(RKK)



半導体関連企業が熊本に集まることで懸念されている、TSMC熊本工場排水の問題。

熊本県は、この問題を解決するため新たな排水処理施設を県主導で整備することを明らかにしました。

蒲島知事「県が事業主体となって、特定公共下水道事業を実施することを決断しました」

熊本県は新たな排水処理施設の整備に向けて、セミコンテクノパークがある合志市・菊陽町と2023年11月20日(月)に協定を結ぶ予定です。
セミコンテクノパーク周辺では、台湾TSMCの熊本にできた新工場をはじめ半導体関連企業の集積が進んでいることから、今後、工場排水の増加が見込まれ、現在の施設だけでは処理できなくなることが懸念されています。

このため県は、新しい処理施設が必要と考え、その整備費を現時点で約280億円と見積もっています。






 

熊本の水源は守られているのか?TSMC熊本工場排水の問題を心配する人は少ない。水俣チッソ工場は日本企業であったが、今回は日本政府が招致した「世界一の台湾企業」TSMCなので強い口出しはできません。
 熊本県民も、その他日本人も、みんながTSMC特需に、戦後最高の株高に、浮かれている(30年前のバブルのように)。今回の株バブルは、中国マネーが日本株に流入しただけです。日本のGDPはドイツに抜かれ、2年後には韓国にも抜かれ、・・・



台湾TSMCを創業したモーリス・チャンとマーク・リュウ




台湾に留学する日本人学生が「爆増」、そのメリットとは?―台湾メディア
2025年4月11日

台湾メディアの三立新聞網は、台湾に留学する日本人学生が4年間で72%と「爆増」していると伝えた。
© Record China


台湾メディアの三立新聞網は、台湾に留学する日本人学生が4年間で72%と「爆増」していると伝えた。

記事は、「近年、日本へ留学する中国人学生の割合が年々増加しており、多くの日本の有名大学の合格者リストには中国人の名前が見られる」とする一方、「興味深いのは、台湾が日本人学生にとって新たな留学先として注目を集めていることだ」と指摘した。

そして、文部科学省のデータを引用し、過去4年間で台湾に留学する日本人学生の数が約72%増加していることに言及。台湾教育部の2023年の統計でも、台湾の外国人留学生11万6038人のうち日本人は8427人で、ベトナム人、インド人、マレーシア人に次いで4番目に多いことを伝えた。



記事によると、台湾のジャーナリスト・福澤喬(ジョエル福澤)氏は自身のSNSアカウントで「日本人の留学先は、以前は米国、カナダ、オーストラリアといった英語圏が主流だったが、近年はアジア地域、特に台湾の魅力が高まっている」と説明し、その理由として「治安の良さ」「生活コストの低さ」「ハイテク産業との結びつき」を挙げた。

また、卒業後の進路(台湾に残る、日本に戻る、第三国で就職するなど)の選択肢が増えること、日台は文化的に近い上に(台湾の学校では)英語で受けられる授業も多いこともポイントだとし、「就職面でも、台湾は日本のような一斉就職制度はなく、専門スキルで職場経験を積んでいく傾向があり、日本人留学生にも多くのインターンシップの機会が提供される」と説明した。

このほか、「台湾の半導体産業は世界的に重要な地位を占めている」とし、日本に工場を構えるTSMCが今年から雲林科技大学に「日本人向けコース」を設立しさまざまな補助を提供すること、台北大学はTSMCやメディアテック(MediaTek)、エヌビディア(NVIDIA)などと協力関係を築き「半導体人材育成プログラム」で多くのインターンシップの機会を提供していることを紹介。「充実した奨学金制度も整えているため、日本の学生の台湾留学への意欲が高まっている」と解説している。(翻訳・編集/北田)

TSMC✖️国立雲林科技大学 日本人専門の半導体コース募集開始

2025年4月11日
台湾留学サポートセンター
皆さん、国立雲林科技大学でも半導体コースの募集が始まりました!国立雲林科技大学は、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と提携し、2025年9月から日本人向けの半導体専門コースを新設します。 日本からの学生も台湾の学生と一緒に学び、4年間の学費(約225万円)を全額免除され、さらに毎月約5万円の生活費補助も支給されます。

このコースは、TSMCの要請で設立されたため、卒業後は日本のTSMC(JASM)の就職選考試験を受けることが条件となります。また、TSMCはグローバル企業であるため、学びながら自然と英語力も身につけることが期待できます。仮に入社試験に不合格だった場合でも、支援金の返還義務はありません。

卒業後は高い給与が保証されているため、将来を考える優秀な若者にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。

毎月オンラインで開催される説明会で詳細情報を提供しますので、興味のある方はぜひ参加してください。ただし、台湾人と一緒に学習するため、ある程度の学力と中国語能力が必要です。退学などの事態を避けるためにも、事前の中国語と英語の学習を怠らないようにしてください。

ご興味があれば、是非説明会にご参加ください。
応募詳細









国立雲林科技大学(NYUST)以外で、半導体やIT分野の教育・研究に力を入れている大学


ご興味があれば、是非説明会にご参加ください。



2024年9月30日

国立雲林科技大学に、台湾と日本の半導体業界で活躍する高度な専門人材の育成を目的とした日本人コースが、台湾積体電路製造(TSMC)の出資で2025年9月に開設されます。対象となるのは日本で機械、工業、マネジメントを学んだ高校卒業者、機械系学科の高専、短大卒業者などで、授業料が4年間免除されるほか、毎月の生活補助金約4万7,000円も支給されます。卒業後、TSMCの入社試験の受験が必須ですが、不合格の場合でも生活補助金などの返還義務はありません。また、大学生の中長期留学も若干名募集されます。


雲林科技大学と学術交流協定を結んでいる福岡工業大学で9月27日、日本人コースへの学生受け入れに向けた募集説明会を開催します。福岡工業大学、同短期大学部、附属城東高校へは同コースへの優先枠が用意されます。









台湾の大学 半導体コース「学費全額免除」枠を日本の学生に 熊本・人吉市を訪問し入学呼びかけ  2024年6月20日(木) 12:06


熊本県人吉市の高校生に進学先として選んでもらおうと、台湾の国立大学の副校長が人吉市長を表敬訪問しました。

人吉市を訪れたのは、台湾の国立大学雲林科技(ウンリンカギ)大学の蘇純繒(ソ ジュンゾウ)副校長です。

この大学は1万人以上の学生が学び、台湾に150以上ある大学のうち難易度がトップ10に入る総合大学です。

大学にはTSMCと連携した「半導体コース」がありますが、近く日本の学生を対象に学費を全額免除して生活費(毎月約5万円)も支給する枠を設けることから、入学を呼び掛けるため訪れました。

蘇副校長は「速いスピードで発展する半導体分野で優秀な人材を育成したい」と述べました。

今後、人吉高校などは進路説明会で生徒などに選択肢の一つとして紹介するということです。












「日本のどこがダメなのか?」に対する中国ネット民の驚きの回答
人気の質問サイト『知乎』で話題

日本通の答え
この回答の投稿者は、本人の自己紹介によれば日本生まれの中国人で、5歳で両親に連れられて中国に帰国。だが、その後も日本のアニメやドラマ、2ちゃんねるやニコニコ動画・amebaなど日本のネットコンテンツに深く触れてきたといい、中国人のなかでは相当な日本通のようだ。
原文は長文かつ外国の一般人の文章なので、文意を損なわない範囲である程度は主語を補ったり省略したりして編訳させていただく。
彼が述べる日本の駄目なところは、こういった部分だ。

------------------------------
1. どんなものでも「日本化」したあとは、器が小さくなり「井のなかの蛙」的な雰囲気をまとう。

2. 「井のなかの蛙」になるとは、自分たちが永遠に他よりも優れていると陶酔的に思い込むことだ。日本は本当の改革をやりたがらないのに、世界が自分たちから遠ざかっていることを受け入れられない。中国が刻一刻と進歩を模索しているのとは大違いだ。

中国人のなかには、中国がまだまだ非常に遅れているのに対して、日本は各方面で世界のトップクラスの水準にあって国民は幸福に暮らしているのだから、日本人が「井のなかの蛙」になるのも当然だろうと考える向きもある。ただ、私はすべてがあながちそうとは言えないと思う。

日本人が「井のなかの蛙」に甘んじる理由は、安逸に流れている以上に深刻な怯懦があるゆえだ。中国人は通常、「井戸の外」の景色を見ることを好み、外に出ていこうと考えて、世界に対して純粋な好奇心を持っているのだが、日本人はこうした純粋さや勇敢さや「ものごとをもっと知りたい」という冒険心をまったく失っていて、自分たちの世界の狭さを感じるときがあっても「まあ仕方ないや」と自分を慰めるだけで終わる。

3.(略)

4.なのに日本人は非常に他国からの目を気にする。「外国人が大好きな日本の○○」といった話が非常に流行っていて、取るに足らないくだらないものごとを見つけて「世界で日本が大人気」といった曲解をおこないたがる。日本の庶民はこんにちになっても、自分たちの文化が十数年前の水準並みであると思い込んでいるが、この誤解には失笑を禁じ得ない。

5. 日本人は毎回、自分たちの誤りを総括する際にまずは言い訳を考え、改善する方法を考えることはほとんどない。

6. 日本人は(こうした言い訳の際に)自分を守る余地を残しておいて、いろいろと婉曲な表現をおこない、しかもそれこそが謙虚で大人らしい姿勢なのだと考えている。これがある種の責任回避に過ぎないことにまったく気付いていない。

7. 日本人はとにかく組織に架空の責任を負わせたがり、個人の責任を宙に浮かせたがる。トラブルが起きたときはみんなで「どうしよう」と言い合うが、誰ひとりとして問題を解決しようと勇敢に立ち上がることも、みんなで団結して問題に蹴りをつけようとすることもない。

結局最後にどうしようもなくなれば、世論に頼って責任を追うべき人間を選び出す。そうして選び出された人間がやるのは問題の解決では決してなく、謝罪して辞職して、あとは列車に飛び込むことだけだ。

8~17. (略)

私は日本人が悪であると言いたいわけではない。彼らは極めて誠実で善良だ。ただ、彼らの骨身になんら明確な正義の概念がないだけである。彼らはなにが正しくてなにが間違っているといったことを明言することができないのだ(以下略)。

------------------------------

手厳しい指摘だが、あながち否定できないのが悔しいところである。質問には他にもさまざまな回答があり、日本の人間関係の面倒臭さやスピード感の遅さ、問題解決の下手さなどが指摘される例が多かった。

『知乎』には他にも興味深い質問や回答が数多くなされている。今後も機会があれば、記事のなかで訳出して紹介していくことにしよう。



TSMCが2つの先進的な工場を嘉義に、将来的には日本にも?―中国メディア

2024年3月20日


2024年3月18日、中国メディア・観察者網は、台湾の半導体大手TSMCが台湾・嘉義県に先進封止工場を建設する計画で、将来的には日本にも同様の工場を建設する可能性があると報じた。TSMCを介して中国の半導体産業が日本のも影響し始めるようだ。

記事は、台湾メディア・中央社の報道を引用し、TSMCが嘉義県の科学パークに先進封止技術「CoWoS」の工場を二つ建設し、2024年5月初めに着工する見込みだと紹介。同県経済発展所長の話として、第1工場の面積は約12ヘクタールで、26年末に完成して28年に量産を実現する見込みであり、約3000人分の雇用機会を創出すると伝えた。

そして、CoWoS技術が2.5次元および3次元の封止に用いられる先進技術で、省エネや低コストといった特長を持っており、NVDIAのGH100、GH100AIなど人工知能(AI)向けの高性能半導体チップに数多く利用されていると説明。TSMCはここ数年のAI需要拡大に対応すべく、CoWoS封止技術による半導体生産能力を今年末までに月産3万2000個、2025年末までに4万4000個まで増やす計画を立てているとした。
記事はまた、半導体需要の増加に加え国際政治状況の変化もあってTSMCは世界戦略を加速しており、日本で建設を計画している第2半導体工場にCoWoS技術を導入することを検討していると英ロイターが2024年3月18日に報じたことを紹介。構想はまだ初期段階にあり、TSMCもコメントを出していないと伝えている。(翻訳・編集/川尻)
















台湾TSMCを創業したモリス・チャンの驚きの物語
朝日新聞WEBRONZA 2013年6月21日

NHKの「島耕作のアジア立志伝」のシリーズ第2話「“下請け”が世界を変えた」を6月17日に見て大きく心を打たれた。この”下請け“とは、半導体の設計は行わず製造だけを請け負う「ファンドリー」と言われる半導体メーカー、台湾TSMCのことである。TSMCは、中国生まれのモリス・チャンが1987年に創業し、今やインテルおよびサムスン電子とともに世界半導体3強の一角である。そこに至るまでの過程には驚きのドラマがあった。

 TSMCの創業者モリス・チャンは、銀行の頭取の息子として1931年に中国で生まれ、中国の香港で育った。ところが、日中戦争と中国内戦で運命が変わる。家族とともに、飲まず食わずで逃げ惑う日々が続いた。

 1949年、18歳のとき、中国の政策「千人計画」で渡米し、ハーバード大学に入学した。しかし、一流大学を卒業しても、米国で中国人には職が無いことを知り愕然(がくぜん)とする。その時の心境を、モリス・チャンは、次のように自伝に書き残している。

「中国人のアメリカでの道が教師か研究者しかないなら、私が先鞭をつけもう一つの道を切り開いてやろうではないか」。実際にモリス・チャンはそれを実現するのである。

 彼は産声を上げたばかりの半導体産業に出会い、当時ベンチャー企業だったテキサス・インスツルメント(TI)に入社する。TIはIBMの大型コンピューター用トランジスタを下請け製造していたが、なかなか良品ができなかった。しかし、モリス・チャンの要するテキサス・インスツルメント(TI)は試行錯誤を繰り返し、見事に良品トランジスタの製造に成功する。

 IBMの幹部が訪ねてきて「大変驚いています。一体どうやったんですか?」と質問した。モリス・チャンが「朝から晩までトランジスタのことを考えて試行錯誤を繰り返しました。だからできたんです」と答えると、IBMの幹部は「我々大手では、こんなリスクの高い製品について製造ラインを組むことはできません。助かりました」と言った。

 この時以降、それまでは批判や小言ばかり言っていたIBMの態度が一変した。この時、「下請けでもその技術を極めれば大手企業と対等の立場に立てる」ことに気づいたことが、その後ファンドリーを立ち上げる基本思想になったと考えられる。

 転機が訪れたのは1985年、54歳のときだった。台湾政府当局から、「世界に通じる半導体産業を台湾につくり出して欲しい」と要請されたのだ。モリス・チャンは「願ってもないことだ」と、台湾工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute、ITRI)の院長に就任する。

 1985年と言えば、半導体業界では、日本が米国を追い越し、世界を席巻していた時代である。台湾には、小さな町工場の部品メーカーしかなかった。何をどうすればいいのか、モリス・チャンは悩みに悩んだ。

 当初、台湾当局は、日本のような垂直統合型の半導体メーカー立ち上げを期待していた。しかし、台湾には設計技術が無いことから、モリス・チャンの考えは、製造だけを請け負うファンドリーに収束して行く。この背景には、米国のTI時代に、IBM用のトランジスタ製造で成功した実績があった。

 しかし、これには反対意見が続出した。半導体工場の建設には多額の資金を投資しなければならない。その工場で、どこか別の会社の半導体を製造するなど、世界中の誰も考えないような奇想天外な着想だったからだ。

 出資を頼んだ大企業からは軒並み断られた。インテルの創業者からは、「君は良いアイデアを持っているが、今回は良くないね」と言われ断られた。日本企業にも多数打診した。その中にはソニーや三菱が入っていた。しかし、興味を示したこところは一切無かった。

 逆風の中で、モリス・チャンは1987年にTSMCを創業した。数年間はほとんど売り上げが無かったという。技術が劣るとみられて、大手企業のおこぼれのような仕事しかなかったからだ。

 私は奇しくもTSMC創業の年と同じ1987年に日立に入社し、半導体技術者になった。TSMCの存在を知ったのは、1995年にDRAM工場に異動した頃だったと思う。そして、台湾の技術を下の下に見て、そんな技術で製造請負のファンドリーが成功するはずがないと思った。これは私個人だけでなく、日立全体、日本半導体全体がそのように見下していた。

 1990年代初旬、アメリカ西海岸のシリコンバレーでは、半導体設計を専門に行う「ファブレス」が誕生し始めていた。

 ファンドリーのTSMCとファブレス。この二つの要素が相乗効果を生み出し、歴史が動き始める。シリコンバレーでベンチャーとして次々と誕生するファブレスと、台湾TSMCがお互いを利用し合い、正のスパイラルに突入していくのである。

 現在、世界でファブレスは1000社を超える。もしモリス・チャンがファンドリーを始めなかったら、このようなファブレスは存在しなかっただろう。番組中でモリス・チャンが言っているように、彼は、「半導体業界を根本から変えてしまった」のである。モリス・チャンは現在81歳であるが、バリバリの現役CEOとして、今も尚、TSMCを牽引し、世界半導体業界をリードしている。

 かつて日本の半導体産業に関わってきた人たちは、TSMCの技術を下の下と見下し、ファンドリーなんて成功するはずがないと高をくくった自分が恥ずかしくなる。まさに恐れ入った。

 それとともに、日本半導体が凋落し続けているのは、モリス・チャンのような傑出した経営者を生み出せなかったことに最大の原因があるのではないかと思う。





「アメリカの企業、Intelは大きな脅威ではない!!」と台湾の半導体メーカーTSMCの創設者が発言、2nmプロセスの開発が順調に進んでいることも明かす
2023年10月17日
台湾に本拠を置く世界最大級の半導体メーカー「TSMC」の創設者であるモリス・チャン氏が、TSMCを取り巻く地政学的な変化と半導体産業における競争の激化により、TSMCが困難に直面していることを明かしました。一方で同じく半導体を製造するIntelについて、「TSMCに対する主要な脅威とは見なしていません」と主張しています。 Morris Chang Asserts Intel Foundry Will Remain in TSMC's Shadow | Tom's Hardware





示警地緣政治趨勢影響 張忠謀:台積電面臨嚴峻挑戰 | 產業熱點 | 產業 | 經濟日報

TSMC: Importance of Open Innovation Platform Is Growing, Collaboration Needed for Next-Gen Chips 

Chip Development Is Nearing Completion


TSMCの創設者であるモリス・チャン氏は2023年10月14日に行われたイベントで、会社の将来的な課題と戦略的位置付けに関する見解を示しました。モリス・チャン氏は、TSMCが運用効率の向上と研究開発に多額の資金を投入していることを明かし、競合他社であるIntelに対して「Intelはアメリカ政府から多額の支援を受けているにもかかわらず、技術的なリーダーシップや半導体製品の質、適切な価格設定などの面で遅れているため、これらの課題を解消しない限りTSMCに実質的な脅威をもたらすことはありません」「たとえIntelが課題を克服し、成功をおさめたとしても、TSMCがトップシェアであることには変わりありません」と述べました。 一方で、モリス・チャン氏は「台湾に拠点を置くTSMCにとって地政学的な緊張は避けられず、競争環境に悪影響を及ぼす可能性があります。一方で、他の競合他社は地政学的にTSMCよりも競争上の優位性があるため、TSMCの半導体事業は今後これまで以上に多くの課題に直面する可能性があります」と指摘しています。 それでもTSMCは、最先端技術である2nmロジック半導体を2025年後半から量産する予定で、その開発が順調に進んでいることを明かしています。2023年10月に行われた

の中で、TSMCの設計インフラストラクチャの管理責任者であるダン・コッチパチャリン氏はTSMCの2nmロジック半導体「N2」「N2P」および「N2X」について「2021年からさまざまなパートナー企業と連携して開発を行っています」と報告しています。

コッチパチャリン氏によると、2nmロジック半導体にはナノシート技術を使用して製造されたトランジスタが搭載される予定で、従来のトランジスタであるFinFETとは異なる動作を示すとのこと。そのため、TSMCとともに2nmロジック半導体の製造に携わるパートナー企業は、2nmロジック半導体製品をゼロから開発する必要がありました。そこでTSMCは、AlphawaveやCadence、Credo、eMemory、GUC、Synopsysと連携して2021年頃から製品の開発を行う環境作りを行ってきました。しかし、2nmロジック半導体の不揮発性メモリやインターフェイスIP、チップレットIPなどの分野は依然として製造段階に至っておらず、一部のチップ設計におけるボトルネックになっているとのこと。 コッチパチャリン氏はイベントの中で、2nmロジック半導体をはじめとする次世代半導体技術や、高度なパッケージング技術を開発するにあたって、さまざまな企業が協力関係を結ぶ「Open Innovation Platform(OIP)」
と呼ばれるプログラムが非常に重要になることを主張しました。OIPには、2023年時点でのべ117もの企業が参加しています。



コッチパチャリン氏によると、OIPに参加することで、TSMCが新たな半導体製造技術の開発を開始してから、わずか数カ月後には製品の開発に参加できるようになり、最終的に市場投入までの時間が約15カ月短縮可能とのこと。コッチパチャリン氏は「半導体製造技術の高度化に伴って、ノードやチップの開発期間が長くなりつつある現代では、TSMCやOIPに参加した企業間でグローバルなコラボレーションを行うことが重要になっています」と述べています。また、OIPの利点として、市場投入までの時間が短縮されることや品質が向上するだけでなく、プログラムに参加した企業にかかる「チップの開発や製造、テスト、パッケージング」などの負担が軽減されることが主張されています。 TSMCがリーダー的役割を担って行われる半導体製造技術の開発では、6つのアライアンスに分けられた後、その企業が得意とする作業がTSMCから割り当てられ、個別に開発作業を行うことが可能です。さらにTSMCは2022年から
3DFabric Alliance「3DFabric Alliance」と呼ばれる高度なアライアンスを組織しており、関連企業への開発環境の提供や設計プロセスの合理化に取り組んでいます。






米国の対中半導体規制強化の裏で「漁夫の利」を得る中国設備メーカー―独メディア

2023年10月24日
  

2023年10月22日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国が中国への半導体産業関連輸出規制を強化し続ける中で、中国の半導体設備メーカーが恩恵を受けていると報じた。

記事は、バイデン米政権が今週、中国が米国の最先端技術を自国の軍事力強化に利用することを防ぐため、半導体産業を対象とした規制をさらに拡大すると伝える一方、米国による規制強化に伴って中国の半導体製造設備メーカーが恩恵を受けており、ここ数カ月で中国のファウンドリーからの受注が増加していると紹介。これは、中国が「米国は技術輸出規制を緩和するつもりはなく、さらに規制が厳しくなる可能性がある。それなら自力更生の道を進むべきだ」と認識するようになったことを反映していると評した。

そして、ある情報筋が「現在外国製設備に依存している中国のファウンドリーは、中国製設備の性能がニーズを満たすと分かれば全ての設備を国産化することになるだろう。彼らは外国製設備は少ないほど良いと考えているからだ」と語ったとし、調査会社CINNO Researchによると今年1〜6月における中国の半導体設備メーカー上位10社の設備関連収入が前年同期比で39%も増加したことが明らかになったと伝えた。

また、あるアナリストの話として中国の設備メーカーはエッチングや洗浄といった分野の装置生産で成果を出しているとしたほか、中国国内の業界関係者からも「中国製チップ装置の品質は予想よりも2年くらい早いペースで向上している」との声が出ていると紹介した。

その一方で、特に極めて複雑な光学系とプロセス精度が要求されるフォトリソグラフィにはまだいくつかの難点があると指摘。中国は最先端のチップを製造するのに必要な極端紫外線(EUV)リソグラフィを調達できていないばかりか、それほど先進的でない深紫外線(DUV)リソグラフィ装置の一部さえも米国の輸入規制を受けているとした上で、今年1〜8月で中国企業が落札した中国のリソグラフィ入札案件は1社であるのに対し、同時期におけるオランダからのリソグラフィ装置とその部品の輸入額は前年同期比81.2%増の33億ドル(約4900億円)に達したと伝えた。

記事は最後に、中国は現状リソグラフィ装置分野で苦戦を強いられているものの「それでも中国企業のブレークスルーは阻止されていない」とし、中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)が最新スマートフォンに中国国産の高性能最先端半導体チップを採用したことを例に挙げた。(翻訳・編集/川尻)


ニデック(旧日本電産) EV用モーター「中国一辺倒」に終止符 価格競争激化で
2023年10月24日








韓国企業のサムスン電子の半導体研究日本国内拠点に200億円
経産省 2023年12月21日
 経済産業省は21日、韓国サムスン電子の半導体研究拠点に最大200億円を補助すると発表した。サムスンが横浜市に新設する施設が対象。国内の半導体素材メーカーなどと連携して次世代半導体の研究開発を進める。経産省は支援を通じ、日本の半導体産業の競争力向上につなげる。サムスンの新拠点への総投資費用は400億円超。経産省が最大で2分の1を補助する。半導体支援のために用意した「ポスト5G基金」から拠出する。チップを組み立てて成形する半導体の「後工程」技術の研究を進める。AI(人工知能)や高速通信規格「5G」向けの高機能半導体の製造技術を研究する。チップを積層上にすることで、情報処理速度を高める狙いだ。研究は日本の半導体素材メーカーや製造装置メーカーなどと連携して進める。次世代半導体は世界的にも需要が高まる。経産省は同研究を支援することで「日本企業のイノベーションにもつながる」とみる。経産省は半導体の国内製造能力の強化に向け、海外企業の誘致や国内企業の支援を進める。これまでに半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場に最大4760億円、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルが協業している三重の工場には最大929億円の補助を決めた。 経済産業省は21日、韓国サムスン電子の半導体研究拠点に最大200億円を補助すると発表した。サムスンが横浜市に新設する施設が対象。国内の半導体素材メーカーなどと連携して次世代半導体の研究開発を進める。経産省は支援を通じ、日本の半導体産業の競争力向上につなげる。サムスンの新拠点への総投資費用は400億円超。経産省が最大で2分の1を補助する。半導体支援のために用意した「ポスト5G基金」から拠出する。チップを組み立てて成形する半導体の「後工程」技術の研究を進める。AI(人工知能)や高速通信規格「5G」向けの高機能半導体の製造技術を研究する。チップを積層上にすることで、情報処理速度を高める狙いだ。 研究は日本の半導体素材メーカーや製造装置メーカーなどと連携して進める。次世代半導体は世界的にも需要が高まる。経産省は同研究を支援することで「日本企業のイノベーションにもつながる」とみる。経産省は半導体の国内製造能力の強化に向け、海外企業の誘致や国内企業の支援を進める。これまでに半導体受託生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)の熊本工場に最大4760億円、キオクシアホールディングスと米ウエスタンデジタルが協業している三重の工場には最大929億円の補助を決めた。



「半導体製造の巨人「TSMC」が日本侵略?進出?」









ニデック(旧日本電産) EV用モーター「中国一辺倒」に終止符 価格競争激化で
2023年10月24日

24日に開いた会見で電気自動車(EV)向けモーターシステム「イーアクスル」の方針について説明する永守重信CEO(オンライン会見から)



 モーター大手のニデック(旧日本電産)は24日、電気自動車(EV)向けのモーターシステム「イーアクスル」の販売について、中国中心から欧米や日本にも製品を展開する方針に転換すると明らかにした。中国ではEVの価格競争が起きているが、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「中国市場で競争している会社は赤字を垂れ流してやっている。(製品の)価値を認めてもらえない競争はやるべきじゃない」と発言。高い利益を確保できる顧客に絞って事業を展開するとした。

ニデックはイーアクスルの成長を起爆剤として、令和7年度に車載事業全体の売上高を現在の約2倍の1兆円に拡大することを目標としている。そのため、EV市場が飛躍的に拡大している中国に軸足を置き、赤字となってもシェア拡大を優先してきた。

ところが、今年に入りEV大手のテスラや比亜迪(BYD)による価格競争が激化。1千万円台の高価格帯のモデルを短期間で100万~200万円値下げするなどしている。23日の決算会見で佐村彰宣最高財務責任者(CFO)は「高級車の値引きが、われわれのターゲットである中級車にも影響している」と説明していた。
永守会長によると、中国のEVメーカーは、イーアクスルの部品について「(安い)中国製を使っていいというので切り替える。一方で、日本や欧米メーカーは違うので、その代わりに(イーアクスルの)価格が高くなる」と述べ、地域ごとに健全な利益を上げられる態勢を構築すると強調。利益につながらない受注は制限するなど、これまでの拡大方針からは大きく転換することになる。

これに伴い、イーアクスルは今年度の出荷台数目標を44・8万台から28万台に変更、イーアスクル単体の営業利益は、通期で黒字化の見通しから150億円の赤字となる。このうち100億円超が、小型車向けのラインアップ拡充や第3世代のイーアクスルを予定より早く来年6月に投入するための追加投資という。

また、永守会長は「特定の国に依存しているとみられると問題だ」と話し、家電・商業・産業用モーターの分野でインドに大型投資を行い工場を建設するほか、一部生産の国内回帰などリスク分散を図る方針も示した。




台湾半導体、宮城に工場建設へ SBIと、地銀の資金調達
2023年10月28日

海外半導体メーカーの主な生産拠点


 台湾の半導体受託生産大手の力晶積成電子製造(PSMC)とSBIホールディングスが共同で、半導体工場を宮城県に建設する方針を固めたことが2023年10月27日、分かった。事業規模は8千億~9千億円とみられる。SBIが「第4のメガバンク構想」を掲げて提携してきた地方銀行からの資金調達を検討する。

 PSMCは半導体の受注生産に特化した世界有数の企業だ。両社は日本国内に工場を新設すると7月に表明。全国25カ所を候補地とし、現地視察などを通して絞り込みを進めていた。

 PSMCと同業の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は熊本県菊陽町に第1工場を建設中で、同県内に第2工場の建設も検討している。

台湾の半導体受託生産大手の力晶積成電子製造(PSMC)が宮城県に工場を建設することはどう思いますか?

中華マネーが日本の土地やリゾートホテルや島、京都、奈良の建物を買いあさっているのは、よく知られたことですが、円安で産業の乏しい日本のGDPは今年から世界4位に落ちてしまいました。日の丸半導体のラピダス(資本金、わずか68億円)と競争になるでしょうが、土地資本も産業資本も中華族に握られてしまうような未来を考えると、自民党政治もアジアに対しては強い発言はできなくなるでしょう。アメリカと日本が「協力」しなければ、間違いなくロシア、中国と台湾、インドが強い国になっていくでしょう。





税金1兆円を投じる半導体国策プロジェクト“ラピダス”は「高尾山で登山訓練してエベレストに挑むようなもの」 日本に残された“ひとつの勝機”とは
マネーポストWEB によるストーリー
2024/04/19

日本は半導体戦争にどう挑むのか(左からラピダスの小池淳義・社長と東哲郎・会長/時事通信フォト)






 日本国内で最先端の半導体製造を目指す株式会社ラピダスが設立され、政府が全力を挙げて支援を進める。エヌビディアとTSMCが二強として世界市場に君臨する「半導体戦争」に日本はどう立ち向かうのか。半導体ビジネスに早くから着目し、世界と日本の最新潮流を読み解いてきた、経営コンサルタントの大前研一氏が解説する。

* * *

 経済産業省は4月2日、ラピダスに5900億円の追加支援をすると発表、支援総額は1兆円近い規模になるという。また、TSMC熊本第1・第2工場への支援額は、合計1.2兆円に上る。両社合わせて2兆円を超える税金投入は、果たして国がやるべきことなのか?


 同省は2021年に『半導体・デジタル産業戦略』をまとめ、国が関与し始めた。昨年4月に公表した同戦略改定案では半導体の売上高を「2030年に15兆円にする」と掲げ、拠点整備に今後4兆円の予算を投じる方針だが、目標の達成は至難の業だろう。

 世界の半導体売上高に占める日本のシェアは1981年に70%だったが、1986年の第1次日米半導体協定以降は右肩下がりを続け、2019年には同10%まで落ち込んだ。半導体の産業政策で30年以上も“眠っていた”経産省に、今さらまともな舵取りができるとは思えない。

 国策プロジェクトのラピダスは北海道工場で回線幅が2nm(ナノメートル。1mの10億分の1)の次世代ロジック半導体の量産を目指すが、現在、日本企業が国内工場で作れるのは40nmにとどまる。日本にとって2nmは未踏の領域で、計画通りに進むかどうか分からない。経験の積み重ねがすべての半導体製造で回路線幅を一気に20分の1にするのは無理だ。高尾山で登山訓練してエべレストに挑むようなものである。

 仮にラピダスが目標である2027年に2nmの量産ができたとしても、その時に「誰が買ってくれるのか」という疑問もある。半導体の世界で圧倒的強者の台湾TSMC、韓国サムスン電子は2025年に2nmの生産を予定しており、ラピダスは両社の後塵を拝することになる。

 さらにラピダスの2nm製造技術は米IBMとの「戦略的パートナーシップ」により提供される。つまり、開発されるのは“日の丸半導体”ではなく、IBMにライセンス料を払って共同開発する人任せの国策プロジェクトだ。

日本一強の分野
 半導体産業のなかで日本企業が依然として強い分野はある。半導体素材の信越化学工業、半導体製造装置の東京エレクトロンやディスコなどだ。これらの日本メーカーによる素材や装置がなければ、TSMCもサムスン電子も半導体を製造することはできない。

 ラピダスも導入予定の最先端「紫外線露光装置」(ウェハー表面に回路パターンを焼き付ける装置)はオランダのASMLが世界シェア100%となっているように、分野によっては台湾や韓国などの半導体強国に勝る国がある。日本もその一つになればよい。

 開発に10年かかる素材や製造装置などは日本企業の得意分野であり、その技術に絞って磨いていけば、海外勢に大きく後れを取っている半導体の製造・開発に国の税金を使わずとも、世界の半導体産業のなかで存在感を増すことはできる。最終製品のチップだけに目が行くのは素人だ。産業全体の日本の占有率を念頭に置いた半導体支援策を打ち出すべきである。

「夢よもう一度」とばかりに経産省の官僚が旗振り役となって、税金の大盤振る舞いを続けるのは即刻やめてもらいたい。

【プロフィール】

大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。ビジネス・ブレークスルー(BBT)を創業し、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊『日本の論点2024~2025』(プレジデント社)など著書多数。

※週刊ポスト2024年4月26日号
国策プロジェクトのラピダスの北海道工場建設に5兆円投資!?
失敗したら大変なことになる!!
また、あの日米半導体摩擦の再燃だー!!






米空軍高官「台湾有事は2025年」 内部メモで準備指示
中・台
2023年1月28日 

       航空機動司令部のマイク・ミニハン司令官




【ワシントン=中村亮】米空軍高官が内部メモで、台湾有事が2025年に起こると予測して準備を急ぐよう指示したことが2023年1月27日、分かった。米政府当局者が日本経済新聞の取材でメモの存在を認めた。個人の見解だとみられるが、中国による台湾侵攻の可能性を巡る米軍の警戒の高まりを浮き彫りにした。

米空軍で輸送や給油を担当する航空機動司令部のマイク・ミニハン司令官がメモを同僚に送った。ミニハン氏は2019年9月から2年間にわたってインド太平洋軍副司令官を務めており、中国軍の動向に詳しい。国防総省当局者は取材に対し「(ミニハン氏の)コメントは中国に関する国防総省の見解を代表するものではない」と強調した。

2023年1月27日に送られたメモの全文を入手した米NBCテレビによると、ミニハン氏は台湾有事を念頭に「私が間違っていることを望む。2025年に(中国と)戦う予感がする」と指摘した。2024年に米国で大統領選があることに触れ「米国は(内政に)気を取られる」と分析。中国が台湾を侵攻する隙が生じる可能性があるとの見方を示した。

中国に対処するため、日本の沖縄から台湾を通りフィリピンに至る「第1列島線」の内側で戦って勝利できる統合部隊が必要だと強調。2月末までに、中国との戦いに備えた主要な取り組みを報告するよう要請した。緊急連絡先の更新も求めた。

国防総省のライダー報道官は2023年1月27日の声明で「国家防衛戦略は、中国が国防総省にとって刻々と深刻になる挑戦であり、同盟国やパートナー国とともに平和的かつ自由で開かれたインド太平洋の維持に向けた取り組みに重点を置いていくと明確にしている」と言及した。中国への抑止力を強化する考えを重ねて示したものだ。

米軍では台湾有事を懸念する声が出ていた。米海軍のマイケル・ギルディ作戦部長は2022年10月、米シンクタンクのイベントで中国による台湾侵攻が2023年にも起きる可能性を排除できないと言及した。いつでも戦う用意があるとアピールして中国を抑止する意図とみられたが、米軍内での台湾有事への根強い懸念を映すと受け止められた。

同じころにブリンケン米国務長官も「中国は以前に比べてかなり早い時間軸で(台湾の)再統一を目指すと決意した」との見方を示していた。米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、中国が2027年までに台湾侵攻能力の取得を目指していると繰り返し公言している。


台湾有事、2025年までにも 米軍幹部が内部メモで警告
2023年1/28(土)

【ワシントン時事】米NBCテレビは2023年1月27日、米軍のマイク・ミニハン空軍大将が内部のメモで、2025年までに中国が台湾に侵攻し、米中戦争が起こり得ると警告したと報じた。

2024年に11月の米大統領選と2月の台湾総統選が予定されているとして、どちらかのその直後に台湾有事が発生する可能性があるという。

ミニハン氏は空軍航空機動司令部の司令官で、2019年9月~2021年8月にインド太平洋軍の副司令官を務めた。米政府・軍の幹部からは早期の台湾有事を警戒する声が相次いでいる。

報道によると、このメモは27日に指揮下の将校らに送られたもので、ミニハン氏の署名が入っていた。ミニハン氏はこの中で「私の直感では、2025年に戦うことになると思う」と指摘。「中国の習近平(国家主席)に、大統領選で気の抜けた米国を見せることになるためだ」と理由を説明した。



緊迫する台湾情勢:2025年、中国による本格侵攻が可能に
中国軍が進めている5つの作戦と米国の対応を詳解
2021.10.12(火)

最近、台湾をめぐる情勢がますます緊迫してきた。

例えば、台湾海峡では2021・10月1日から4日にかけて、中国軍機149機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。

特に10月4日には過去最多の延べ56機がADIZに侵入した。昨年は380機だった侵入機数が、今年はすでに600機になっている。

この緊張の高まりは、中国がTPP加盟申請を発表した直後に、間髪を入れずに台湾もTPP加盟申請したことに中国が激怒した結果だと思う。

日米をはじめとして中国のTPP加盟に反対する国々は少なくない。一方で、台湾のTPP加盟に好意的な国々は日本をはじめとする民主主義諸国に多い。

日本が毅然として、中国のTPP加盟を拒絶すれば中国は加盟できない。TPP加盟問題は中国の負け戦になる可能性がある中で、中国の台湾への強圧的な姿勢は継続するであろう。

今後、台中間で予期しない偶然の事故などによる軍事衝突が発生することを私は懸念する。

本稿では緊迫化する台湾情勢と台湾有事について、最近報道された重要事項を中心に解説したいと思う。

台湾の国防部長の驚くべき発言

台湾と中国の関係が緊張している状況下において、台湾の邱国正・国防部長(国防大臣に相当)から驚きの発言が出た。

彼は10月6日、立法院における特別防衛予算案(2022年の総額約1兆9000億円の防衛費予算案とは別枠)の審議で、次のような見解を示した。

「中国は既に台湾に侵攻する能力はあるが、得られる結果に比しコストが大きい」

「だが、2025年には本格的な台湾侵攻が可能になる。2025年には台湾の陸・海・空を全面的に支配する能力を持つ」

中国と台湾の軍事的緊張が過去40年間で最も高まっている

この国防部長の発言に私は唖然とした。日本であれば、「中国の侵攻能力が2025年に完成する」という情報は極秘に相当する。

日本の防衛大臣がこのような極秘情報を公表しようものなら、大変な騒ぎになるであろう。





中国の台湾侵攻は2年後?米国の学者が描くシナリオ
森川聡一 2023年1月11日

危険地帯
筆者 Michael Beckley、 Hal Brands Publishing W.W. Norton




中国が台湾へ侵攻し米国と戦争するとしたら、それは2020年代に起きうる。中国が近い将来に暴走する可能性に警鐘を鳴らす書だ。

 2025年1月中旬に中国人民解放軍が台湾への侵攻に踏み切る。本書はいきなり大胆かつ最悪のシナリオから書き起こす。そのとき米国では2024年の大統領選の結果をめぐって分断が深まり、大統領の就任式の直前になっても混乱が続いている。その隙をついて、中国が大きな賭けに出るという最悪の事態を想定する。

 本の売れ行きをよくするためにセンセーショナルな書き出しにしたと勘ぐる読者も多いだろう。しかし、外交・安全保障を研究する米国の学者2人がまとめた真面目な本だ。冒頭で衝撃的なシナリオを提示しているのも、最悪の事態が起きるリスクが最も大きくなるのは、ここ10年以内のことだと切迫感をもって警告するためだ。

野望と絶望が交差する時に惨事は起こる
 本書の主張はいたって明解だ。大国は国力がピークを迎え、衰えを感じ始めたときに、焦りから危険な賭けに踏み切る。だから、人口動態の面からも経済的な衰退が見え始めている今こそ、中国は暴走する危険度が高まっている、というのだ。

Countries that fear they are being encircled by rivals make desperate bids to break the ring. Some of the bloodiest wars in history have been started not by rising, self-assured powers, but by countries—such as Germany in 1914 or Japan in 1941—that had peaked and begun to decline. Vladimir Putin’s recent wars in the former Soviet Union fit this same mold.

「国家というものは、ライバルに取り囲まれたと感じたときに自暴自棄になり包囲網を破ろうとする。歴史をみても、凄惨な戦争の数々は、自信に満ちた昇り調子の国家が始めたものではない。1914年当時のドイツや1941年の日本を思い起こしてほしい。国力がピークを過ぎ衰え始めた国々が悲惨な戦争をはじめるのだ。ウラジミール・プーチンがこれまで旧ソ連の領域内で引き起こしてきた戦争も同じ範疇に入る」

The greatest geopolitical catastrophes occur at the intersection of ambition and desperation. Xi Jinping’s China will soon be driven by plenty of both.

「地政学上の最悪の惨事は野望と絶望が交差する時に起きる。習近平の中国はじきに、たくさんの野望と絶望にかりたてられる」

 順調に経済が拡大し昇り調子の時、大国は自信と夢に満ちて余裕がある。国力が高まっているときは国民も豊かになり、希望を持ち希望が膨らむ。しかし、国力の伸びに陰りが見え始めると夢の実現が難しくなり焦りが生まれる。いちかばちかの賭けにうって出るリスクが高まるのだ。

高度成長を続け存在感を高める中国が最大の脅威ではなく、曲がり角にさしかかる中国が最も危険だ。認識を改めるよう本書は訴える。だからこそ、最も危ないXデーが2020年代つまり数年以内に訪れると指摘する。歴史をみれば明らかなように、中国は米国を倒すべき敵として認識しており米国との戦争を辞さないとみる。

History casts an imposing shadow. It cannot escape the attention of Chinese policy makers that the United States has a distinguished record of destroying its most serious global challengers—imperial Germany, imperial Japan, Nazi Germany, the Soviet Union—as well as a host of lesser rivals.

「歴史は見間違いようのない影をなげかける。中国の権力者たちも見逃しようがない史実だ。米国は必ずと言っていいほど、国際社会に現れる強力なライバル国を叩いてきた。ドイツ帝国や大日本帝国、ナチス・ドイツ、ソビエト連邦、そして数々の小さなライバルたちを米国は倒してきた」

人口減少で訪れる中国の曲がり角
 中国の国力の拡大がピークアウトしつつある根拠として本書は中国の人口動態の変化をあげる。中国は人口が減りはじめており、中国の権力者たちもそれを脅威ととらえ焦り始めている。

For decades, China’s birthrate has been far below the level required to maintain current population size. A shrinking, aging population cannot deliver robust economic growth. Without robust economic growth, the Chinese dream is an illusion. Which means that divorces, childless women, and sterilized men are, from the CCP’s perspective, a threat to the country’s geopolitical future.

「数十年にわたり、中国の出生率は現状の人口を維持するのに必要な水準を下回ってきた。高齢化し人口が減っては高い経済成長率は実現できない。高い成長率がなけれれば中国の夢は幻想に終わる。離婚や、こどもを生まない女性、こどもを持たない男性は、中国共産党からみれば、中国の将来の地政学上のパワーにとって脅威なのだ」

 本書によれば、高齢化が進む中国で2050年には、高齢者ひとりを支える現役世代はわずか2人になるという。最近まで中国では現役世代10人で高齢者ひとりを支えていた。中国の全人口も今世紀末までには現状の半分になる見通しだという。2020年に生まれた子供の人数も中国では過去60年でみて最も少なかった。

 中国経済は人口動態の面からみて確実に衰えることがすでに見え始めている。しかも、中国の場合、枯渇しつつあるのは人的な資源だけではない。グローバルなハイテク覇権競争のなかで米中の対立が激しくなり、半導体などのグローバル・サプライ・チェーンから中国は閉め出されつつある。

 しかも、過剰投資で高い成長を実現したかつての日本と同じように、中国は投資主導で経済を拡大してきた。生産性を無視した投資があだとなり日本が失われた30年に突入した歴史が示すように、中国経済が近い将来、失速するのは明らかだと本書はみる。

そして、成長が曲がり角に差し掛かり始めた今だからこそ、まだ国力には余力があり、危ない最後の賭けに打って出るリスクが高いというのだ。本書では、そうして暴走した国の例として日本が何度も出てくる。日本人にとって妙に説得力がある。

World War II would prove nearly suicidal for Japan. The cause, however, was not insanity but the desperation of a country whose revisionist dreams were about to be shattered. Japan had been on an aggressive tear for a decade. It became most dangerous when it realized that time was running out.

「第二次世界大戦は日本にとって自殺行為に近いものだった。しかし、この戦争は狂気によって引き起こされたのではない。国の焦りが招いた戦争だ。国際秩序を変えたいという夢の実現が難しくなった時に国がもつ切迫感が原因だった。その直前までの10年、日本は躍進を続けていた。国というものは、残された時間がわずかだと悟った時がもっとも危険なのだ」

いかに中国に賭けへ出させないか
 まさに今の中国が焦りから大きな賭けに打って出るリスクが高い。これが本書の第一の主張だ。この時間軸と大国の心理を前提にして、米国がこのリスクにどう対処すべきか提言も後半に盛り込んでいる。

 当然ながら、中国が最後の賭けに打って出る気にならないよう、日ごろから対中国のグローバルな連携を強めることを求める。中国がひとたび戦争を始めたら、中国にとってとんでもない結果になることを思い知らせ、賭けに出る気運を事前にそぐことが肝要だという。

 米国はアジアでの軍事力も増強すべきだと主張する。琉球諸島に日米共同の軍事拠点の早急な開設なども提案している。戦争が始まってからでは遅いという危機感をもって本書は論を展開している。

 その一方で、中国を追い詰めすぎるのもいけない。窮鼠猫を噛む、という状況に中国を追い込むのも危険だという。ABCD包囲網による経済制裁で追い詰められた日本が太平洋戦争に突入した歴史を知る日本人にとっては、追い詰めすぎてもいけないという教訓は頭に入りやすい。

 では、日本は中国を相手に、国の安全保障政策をどう描くべきなのか。本書は米国の専門家が米国の読者向けに書いた本だけに、残念ながら、その答えは用意していない。当然ながら、それは日本の指導者が自分で考えるべきことだろう。というか、すでに考え抜き、手をうっておくべき重要な課題だろう。本書によれば、危機はすでに近い将来に迫っているのだから。

「台湾を巡る危機が2027年までに顕在化するおそれがある」
こう警告するのは、去年まで現役だったアメリカのインド太平洋軍の前司令官です。この発言がきっかけとなり、いま、中国が軍事力を背景に台湾統一に乗り出す日が近づいているのではないかという懸念が広がっています。

実際に起きてしまったら、アメリカの同盟国、日本にも影響がある台湾有事。危機は本当に近づいているのか?そして、中国は何を考えているのか?取材しました。
(NHKスペシャル取材班/国際部記者・濱本こずえ、沖縄局記者・高田和加子、中国総局記者・渡辺壮太郎)

台湾危機は2027年までに?“デービッドソン・ウィンドー”とは
「中国が野望を加速させるのを懸念する。台湾は野望の一つであり、今後6年以内に脅威が顕在化する」

これは、アメリカ、インド太平洋軍のフィリップ・デービッドソン前司令官(去年4月まで現役。海軍大将として退役)が、去年3月、アメリカの議会上院軍事委員会の公聴会で発した警告です。

中国と対じするインド太平洋軍の現役司令官が、具体的な期限を示して中国による台湾侵攻の可能性を指摘したこの発言は、大きなニュースとなり、台湾有事が近づいているのではないかという懸念が広がりました。

デービッドソン氏の「今後6年以内」という発言をもとにすると、5年後の2027年までということになります。
どのような根拠に基づいて具体的な期限を示したのでしょうか?デービッドソン氏本人に尋ねました。
デービッドソン前インド太平洋軍司令官
「(中国共産党の)人民解放軍は、米情報機関の分析よりも速いペースで兵器を開発している。これに習近平氏の任期をあわせて考えると、この時期が特に重要となる」
なぜ、デービッドソン氏は、中国共産党の習近平国家主席の任期に言及したのでしょうか?習主席は、ことし、党トップとして2期目の任期が終わり、異例の3期目を目指しているとされています。

それが実現すれば、3期目の任期の終わりは2027年になります。

デービッドソン氏は、この時期までに習主席が歴史に残るような「政治的な成果」をあげようとするとみていて、それが中国共産党にとっての悲願である台湾統一だろうというのです。
デービッドソン氏は、習主席が仮に侵攻の意図を持った場合、アメリカ軍のいまの戦力ではそれを抑止できないのではないかという危機感を抱いています。

その危機感が示されているのが、デービッドソン氏がアメリカ議会に提出した米中の戦力の比較などをまとめた資料です。

戦力という点で、台湾海峡を含む東アジアにおけるアメリカ軍の優位性が急速に崩れていると主張しています。

資料には、この20年あまりのアメリカ軍と中国の人民解放軍の戦力バランスの変化がわかりやすくまとめられています。

いまから23年前の1999年にさかのぼると、アメリカ軍はこの地域で1隻の空母のほか、強襲揚陸艦を4隻配備していました。

これに対して、中国にそうした艦艇はありません。

中国の影響力がおよぶ範囲は、沖縄や台湾を結ぶ第1列島線と呼ばれるラインにとどまっていました。

実際に、1996年に起きた「台湾海峡危機」ではその差がものをいいました。

当時、台湾では、独立姿勢を強めていると中国が警戒した李登輝総統が初の民主的な選挙で選ばれる可能性が高まり、中国は台湾海峡のふたつの海域を封鎖して、演習としてミサイルを発射。
軍事力を誇示して、選挙を控える台湾に圧力をかけたのです。
これに対して、アメリカは台湾周辺に2隻の空母を派遣、中国は力で押さえ込まれるかたちとなりました。



それから20年あまりがたった去年、2021年時点では、米中の戦力のバランスは中国側に傾いています。

アメリカの戦力は大きく変わらないのに対して、中国は空母を2隻保有するようになりました。
そのほか、強襲揚陸艦や潜水艦、それに戦闘機の数でもアメリカを上回るまでに増強されています。

それに伴い、中国の影響力は、第1列島線を越え、グアムなどを結ぶ第2列島線と呼ばれるラインにまでに到達。日本もその範囲のなかに入っています。

そして、さらに、いまから3年後の2025年の戦力比の予測では、その影響力は西太平洋全域に広がると指摘しています。

中国が、この戦力の差を背景に、力で台湾統一を押し進めようとしたとき、アメリカはそれを思いとどまらせることができないおそれがある。

それがデービッドソン氏が伝えたかった懸念です。

デービッドソン氏が指摘した2027年までの期間は、いまでは軍事関係者などの間で“デービッドソン・ウインドー”とも呼ばれ、危機までの残された時間、という捉え方をされるようにもなっています。


デービッドソン前司令官



「この地域でのアメリカと同盟国の能力の低下を懸念している。台湾での危機は地域全体の危機にもなる」
台湾で懸念が高まる中国の脅威

では、台湾では中国の侵攻の可能性への懸念は高まっているのでしょうか?台湾で取材すると、中国の軍事的な圧力が強まっている一端が見えてきました。

取材をしたのは、台湾南部にある台南空軍基地

日本のメディアが取材を認められるのは初めてです。

基地は、台湾の南西空域を管轄していて、スクランブル=緊急発進で戦闘機が飛び立つ回数は、台湾の基地のなかで最も多くなっています。

基地でミサイルの装填作業を撮影している間にも、スクランブルが行われていました。
台湾国防部の発表によれば、台湾が設定している防空識別圏の南西空域に中国軍機が進入したのは、2019年は10機ほどだったのが、2020年には380機ほど、2021年は1000機近くに急増しています。
これについて、中国は、主権と領土を守ることが目的だとしています。

基地では、急増するスクランブルへの対応で業務がこれまでになくひっ迫しています。

そうしたなかで、防衛の最前線に立ちたいと、戦闘機のパイロットへの配置転換を希望する人も出ています。




軍で事務の仕事をしていた女性。

厳しい訓練を続けています。

突然、基地内にとどろく「スクランブル!」のかけ声。

それから5分以内に戦闘機で飛び立たなければなりません。

女性パイロット
「私の目標は台湾海峡の安全を守ることです。(家族は)反対していましたが、今は応援してくれています」
台湾の世論調査でも、中国による武力行使が現実味を帯びてきていると捉える人が増えています。

去年10月に行われた世論調査では、中国による台湾攻撃がありうると考える人は28.1%で、前回(3年前、2019年)の調査からおよそ12ポイント増えました。




蔡英文総統は、軍事的な圧力を強める中国に対し、台湾との立場の違いを平和的に解決するよう強く求めていて、2023年今月1日に発表した新年の談話でも、中国当局に向けて、「情勢判断を誤ってはならず、内部で軍事的冒険主義が広がるのを防ぐべきだ。台湾海峡両岸の立場の違いを解決させる選択肢として軍事は絶対にない」と述べています。
中国は台湾に侵攻するつもりなのか?
それでは、中国の意図はどこにあるのでしょうか?台湾をめぐり、習近平国家主席は、去年10月の演説でこう述べています。
習主席の考えを知るとされるキーマンに取材を試みました。
中国国防大学の劉明福教授。





習主席が掲げる「中華民族の偉大な復興を実現する」というスローガン、「中国の夢」に影響を与えたとされています。




劉教授がおととし記した「強軍の夢」と題する著書は、中国が海軍力を高めることで世界一の軍隊となり、アメリカの覇権を崩すことができると唱えています。

著書を出版したのは、中国共産党の幹部養成機関、中央党校の出版社。

つまり、その内容は、党のお墨付きを得ているともいえます。

「強軍の夢」の中に記されている一文です。
中国が国家の主権を堅く守り 国家の統一をはかり 民族の復興を実現する主戦場は海洋である。「海洋を制する者が世界を制する」
劉教授は、中国がアメリカに軍事力で押さえ込まれた1996年の「台湾海峡危機」を踏まえ、これまで軍備を増強し、それが習主席の時代にさらに加速していると指摘します。
劉明福教授
「中国の国力がアメリカを超え、アメリカが西太平洋から東太平洋に後退するまでそれほど時間はかからないだろう。中国の海洋戦略では、まず自国の海洋権益を守らねばならず、最優先事項は、台湾海峡だ。アメリカが台湾問題に干渉し、軍事的に中国の統一を妨害しているが、習近平の新時代に必ずやりとげなければならない」
その上で、2027年までに中国が台湾に侵攻するのか。

その可能性を問うとー
劉明福教授
「これは最高軍事機密であって、絶えず変化しているものだ。『台湾独立勢力』の変化、アメリカの軍事力の変化、とくに中国の軍事力の発展と進歩に伴うもので、(デービッドソン氏のような)一種の具体的な意見にはまり込んではいけない。日本は、日米同盟である以上、アメリカの行動に協力し、ともに行動する必要があるが、アメリカとともに、中国の海洋権益を犯す動機があるのかどうかは、日本の国民が考えるべきだ」
劉教授は、中国はこれから軍事的にアメリカに「追いつき」「並び立ち」、そして「追い越す」段階を踏んでいくとしています。

それに対してアメリカがみずからの覇権を守ろうと躍起になり中国への攻勢を強めれば、緊張がさらに高まる可能性もあると考えています。

それでも「台湾の統一は必ず実現する」と断言し、どんな状況に陥っても国家の悲願は譲らないという、強い決意と自信をにじませました。
高まる米中の緊張に出口は?
中国による台湾侵攻の可能性が近づいているというアメリカの前司令官の警告。

その警告を入り口に関係者に取材して見えてきたのは、米中の軍事バランスの変化で不安定さが増す台湾海峡のいまです。



台湾有事が2027年までに起きるのかは確信が持てませんでしたが、現実味が増しているのではないかという印象を持ちました。

その疑問を米中関係に生涯をささげてきたある人物にぶつけました。




50年以上前にアメリカと中国の国交樹立に向けキッシンジャー大統領補佐官(当時)とともに訪中した経験もある元外交官のウィンストン・ロード氏です。

ロード氏は、中国の軍事力の増強は、台湾の独立を防ぐことが目的で、侵攻する可能性は低いという見方を示しながらも、先を見通すことは困難だと語りますー。
ウィンストン・ロード 元アメリカ駐中国大使
「中国が今後どうなるかは50年関わってきた私のような者ですら予測するのは難しい。問題は事故や誤算が起きる可能性があることだ。台湾、東シナ海、南シナ海、どこでも起こりうる。そうならないための“ガードレール”が必要だ。今後も厳しい競争は続くだろうが衝突は避けなければならないし、避けられることを願う」
ひとたび起きてしまえばアメリカの同盟国である日本への影響は必至な台湾有事。

ロード氏が語るように、いまほどアメリカと中国の衝突を防ぐ「ガードレール」の存在が必要になっている時はないと感じました。




【独自解説】 米研究機関が『台湾有事シミュレーション』を発表 第三国の関与により中国撃退可能、しかし「終わらない戦争になる」専門家が解説
2023年1/20(金) 

ロシアのウクライナ侵攻からも分かる通り、一旦戦争が起こると双方ともに甚大な被害は免れません。これは、我々にとっても他人事ではありません。日本のすぐ近くにある、中国と台湾の緊張感は、年々高まっています。先日、アメリカの研究機関が公表した、中国による台湾侵攻のシミュレーションは、日本にも甚大な被害が発生すると指摘しています。被害規模はどれくらいになるのか?危機を回避するために何が必要なのか?防衛研究所防衛政策研究室の高橋杉雄室長が解説します。ここ数年、中国の軍事演習は活発化しており、2023年1月9日の台湾の発表によりますと、中国軍の偵察機など57機が台湾周辺を飛行し、その内28機が防空識別圏に侵入したということです。また中国軍は、台湾周辺の空と海で実践的な軍事演習を行い、「外部勢力と台湾独立勢力の挑発行為に、断固として対抗するものだ」としています。


Q. 日本が思っている以上に、台湾での緊張感は高いのでしょうか?
(高橋杉雄室長)
「特にここ数年、中国の示威的な圧力がかなり増えていて、警戒感がとても高まっています」


Q.中国機の台湾周辺での飛行は、軍事演習なのか探りを入れに来ているのか、どちらなのですか?


(高橋室長)
「防空識別圏の範囲などは分かっているので、台湾に対して『我々はいつでも防空識別圏や中間線を超えるぞ』という圧力をかけているのです」
2023年2023ねん2023ね2023n21月9日、アメリカのシンクタンク「CSIS」が、2026年に中国が台湾に侵攻した場合の24通りのシミュレーションを出しました。


まず、中国の台湾侵攻に第三国が関与しなかった場合のシミュレーションでは、台湾南部に中国軍が上陸してから10週間で、台北の総統官邸が占拠されます。さらに台湾は、10週を待たずに、苦戦を強いられる前に降伏する可能性もあるとしています。
次に、第三国が関与した場合は、中国を撃退できるとしています。中国の主要な水陸両用艦艇部隊は壊滅し、死傷者も約2万2000人に上ります。しかしアメリカも、空母2隻と7~20隻の主要な艦船を損失し、死傷者は約1万人と想定されています。そして日本も、米軍基地が攻撃され、戦闘機112機に艦船26隻が失われるとされています。


Q.こういうシミュレーションには、民間人の被害は含まれていないのでしょうか?
(高橋室長)
「民間人の被害は、シミュレーションが難しいということと、この段階のシナリオでは『中国は軍事目標を攻撃する』という想定で、今ロシアがウクライナに行っているような都市攻撃は、この段階で考えられないという形で、分析が軍事力に集中しています」

Q.中国が台湾を侵攻したときにアメリカが撃退できても、「両国の国力が大きく低下して、世界中が大混乱になる」ということも言われていますよね
(高橋室長)
「中国としては、アメリカが関わらなかったら勝てるのですが、アメリカが関わってくると勝てない可能性があるので、先に米軍基地を攻撃してくる恐れがあります。そうなると、集団的自衛権ではなく“日本の領土が攻撃された”ということになります。中国としては、アメリカと日本を同時に敵に回すかどうかの判断も1つのポイントとなります。その上で、この戦争が始まってしまった場合、米中の本格的な大戦争になりますので、この地域の経済やいろんなものが滅茶苦茶になってしまうといえます


Q.このシミュレーションでは、アメリカは核戦争を避けるために、中国本土の基地は攻撃しないだろうとなっていますが…
(高橋室長)
「そこが大きなポイントで、ここ何年か、特に民主党系の専門家は同じように『中国本土は攻撃できない』と言っています。アメリカが中国本土を攻撃するかしないかを考える状況は、日本と台湾が攻撃を受けている状況なので、そこで『中国に反撃しない』という選択をするのは、日米台の関係に非常に大きな影響があるので、『簡単に中国本土に反撃しないと言うべきではない』と、彼らには言っています」

Q.台湾と中国は、本来なら香港の様な形での統一をするのが理想なのでしょうが…
(高橋室長)
「理想はそうです。しかし、香港でいろんな問題が起こり、台湾の中での警戒感や反発が高まってそれができなくなってしまったので、中国は強硬な手段に切り替えつつある、というのが現状だと思います」

Q.今回の、「空母や主要な艦船の被害や、たくさんの死者が出る」というシミュレーションは、イラクやアフガニスタンと違って「海洋戦ではこういう、経験したことのない被害が出る」という想定をアメリカ国民に見せて「あなた方は覚悟がありますか?」ということを示しているのではないのでしょうか?
(高橋室長)
「歴史上、このシミュレーションのような被害をアメリカ海軍に与えたのは、大日本帝国海軍しかないのです。それだけの大戦争になるということを、ワシントンの関係者と米国民に対して意識させるという狙いがあると思います」


Q.高橋室長は、「いかに開戦させないか」がポイントだといっていますが、これは“抑止力”ということですか?
(高橋室長)
「現状、中国の台湾に対する強硬姿勢がはっきりしてきているので、この戦争は始まってしまうと“終わらない戦争”になると考えています。中国共産党にとって、台湾有事は負けて終わることができないのです。一度始まってしまうと、このシミュレーションのように、地上部隊が壊滅して占領できなかったとしても、戦争は止められません。今、ロシアがウクライナでしているような都市攻撃や、場合によっては“核の使用シナリオ”も入って来るかも知れません。台湾統一は、習近平主席だけではなく中国共産党の考えですので、今のロシア・ウクライナ戦争よりはるかに終わらせるのが難しい戦争になります。ですから、外交や抑止力など、あらゆる手段を使ってとにかく始めさせないことが大事です。いずれにしても、『勝てる』と思わないと中国は戦争を始めないので、『勝てる』と思わせないことが重要です」

Q.防衛費増強で増税ということも議論をしっかりしなければいけませんが、今近くに危機があるということも我々日本人はもう少し感じていたほうが良いですよね。
(高橋室長)
「備えれば防ぐことができますので、そこに危機があることは、認識している必要があると思います」

(情報ライブミヤネ屋2023年1月19日放送)






自分たちで守れ? 台湾有事でも派兵しない米国
日本が安保戦略で「ハシゴ外し」のリスクも
岡田 充 : ジャーナリスト 
著者フォロー
2022/05/21 
2022年5月3日、米上院公聴会で証言するマーク・ミリー統合参謀本部議長(写真・2022 Bloomberg Finance LP)



アメリカ軍制服トップが、「台湾は防衛可能な島」として、「台湾有事」が発生してもアメリカ軍は派兵しない、ウクライナ方式の「代理戦争」の検討を示唆した。アメリカが直接手を汚さないことで、イラク、アフガン戦争の失敗の再現や核保有国の中国との全面衝突というリスクを回避できる。同時に、直接参戦しなくてもアメリカ軍産複合体の莫大な利益になる「一石二鳥」の方法だ。

アメリカの「戦略的明確化」が侵攻を招いた?
ロシアのウクライナ侵攻から間もなく3カ月。当初は電撃的勝利も予想されたロシア軍が苦戦を強いられている理由の1つとして、アメリカがウクライナに大量の先進兵器など軍事支援を行うことによって「ロシアvsウクライナ」戦争ではなく「ロシアvsアメリカ」の代理戦争になっていることが挙げられる。

アメリカのバイデン大統領は2021年12月8日ホワイトハウスで記者団に対し、アメリカ軍のウクライナ投入は「検討していない」と発言した。その理由についてバイデンは、①ウクライナは同盟国ではない、②ロシアは核大国という2点を、別の機会に明らかにした。

こういった事前に軍事対応を明らかにする「戦略的明確化」が、ロシアのプーチン大統領に軍事侵攻を決断させたのではないかとして、アメリカ議会をはじめ西側識者から強い批判を浴びた。

ウクライナ戦争では岸田文雄首相が、「力による現状変更を許すと、アジアにも影響が及ぶ」として、ウクライナ情勢が台湾有事に連動する危機感を煽っている。ウクライナ戦争と台湾情勢を単純に重ね合わせるのは、あまりにも近視眼的な思考だと思う。

ただ、ウクライナ情勢がアメリカと中国の台湾への対応にどんな変化をもたらすか、北京とワシントンも台湾をつねに意識しながら情勢をウオッチしているのは間違いない。

そのような中、シンガポール紙「聨合早報」に、旧知の台湾問題研究者である陳鴻斌・元上海国際問題研究院主任研究員の「アメリカ軍の最新表明は台湾情勢に影響する」と題する評論が掲載された。「アメリカ軍の最新表明」とは、オースチン国防長官とアメリカ軍制服トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が2022年4月7日、2023年国防権限法案(国防予算)に関する上院軍事委員会の公聴会に出席し、ウクライナ情勢と台湾問題について証言した内容を指す。

3時間以上に及ぶ公聴会の大半がウクライナ情勢に費やされたのは当然だが、終了間際、トランプ前大統領の核心的支持者であるジョシュ・ホーリー共和党議員(ミズーリ州選出)の質問に、ミリーは次のように証言した。

ウクライナ「代理戦争」からの教訓
「最善の台湾防衛は、台湾人自身が行うことだ。例えばウクライナでしているようにわれわれは台湾を助けられる。ウクライナから本当に多くの教訓を得た。これらは中国が極めて深刻に受け止めている教訓でもある。(台湾本島を攻略するには)台湾海峡を横断し、広い山岳地帯で水陸両用作戦や、数百万人が住む台北市を空爆することになる。台湾は防衛可能な島だ。中国に対する最善の方法は、接近拒否抑止力を通じて、台湾攻撃が「非常に、非常に達成困難な目標」であることを、彼ら(中国側)に思い知らせることだ」

これが台湾有事に関するミリー証言の全文だ。この証言は一部の香港、台湾紙が伝えているが、日本ではほとんど報じられていない。ミリー証言を改めてかみ砕いて紹介すると、①台湾は防衛可能な島。中国軍による台湾本島攻撃・攻略は極めて難しい。②最善の防衛は台湾人自身が行うこと。アメリカはウクライナでしているように台湾を助けられる。

まず①は、ロシア軍は平原の多いウクライナですら苦戦しているのに、中国軍が台湾本島を攻略するには、約200キロの幅がある台湾海峡を渡海し、山岳地帯の多い本島で水陸両用作戦を行い、人口密集地空爆という困難さを指摘する。確かに、地続きのウクライナと比べ、台湾本島攻略の難度は極めて高い。

一方、②の「代理戦争」について、ミリーは詳細を明らかにしていない。ただ、①、②の文脈から判断すれば、少なくともアメリカ軍内部では、台湾有事でもアメリカ軍が直接派兵せず「代理戦争」が可能かどうかの検討をしていると考えていい。

もちろん最終決定ではないし、ホワイトハウスや国務省、議会の意向も明確ではない。ただロシア苦戦が伝えられるウクライナ戦争が、台湾問題に与えた「教訓」の一つが「代理戦争」だ。台湾はアメリカの同盟国ではないし、中国も核保有国という2条件は、ウクライナと重なる。
アメリカの台湾有事への基本原則は、中国の武力行使に対応を一切明らかにしない「曖昧戦略」にある。ウクライナへの対応でバイデンが明らかにした「戦略的明確化」とは真逆なのだ。「曖昧戦略」は北京に対しては「一つの中国」政策を維持するとの安心感を与え、他方台北に対しては「武力で台湾を守る」ことを否定しないことで、北京の武力行使を抑止する「二重の効果」があるとされてきた。

しかし、アメリカの識者の中から「曖昧戦略」は北京に誤ったシグナルを送るとして、放棄を求める声が上がり始めた。バイデン自身も就任以来、記者会見などで「台湾を防衛するのか」と問われ「する」と複数回答えたが、その後国務省は「発言撤回」に追われた。またホワイトハウスでアジア政策を統括するカート・キャンベル・インド太平洋調整官も、曖昧戦略の変更を否定する発言をしている。

「代理戦争」によるアメリカのリスク低減
冒頭紹介した陳鴻斌は、ミリーが「台湾を軍事支援する」という表現を使ったことから、「曖昧戦略」を「明確化」へと方針転換したのでは、と踏み込んだ解釈している。ただ、ミリー証言をもって「曖昧戦略」の放棄と結論するのは早計だと思う。台湾防衛を公言することは、核保有国である中国との衝突を覚悟しなければならない。それはバイデン政権にとって極めて重い圧力になるからである。

一方、「代理戦争」について陳鴻斌は「アメリカとNATO(北大西洋条約機構)はウクライナに直接派兵せず、軍事支援と包括的な対ロ制裁という間接的方法によって目標を達成し、ロシアは戦争目標を達成できないでいる」と、「代理戦争」が効果を発揮したとみる。

アメリカ軍の代理戦争への評価の背景として陳は、20年にわたるアフガニスタン戦争でアメリカが2兆ドル以上の戦費をつぎ込み、2300人以上の将兵を犠牲にしたにもかかわらず敗北した「トラウマ」と関係があると指摘する。

ウクライナ戦争でバイデン政権はこれまで、アメリカ議会が承認した136億ドル(約1兆8000億円)に加え、2022年4月末にアメリカ議会に330億ドルの追加予算を求めた。アメリカ政府はこの予算を使って携行型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」、自爆攻撃機能があるドローン「スイッチブレード」など最新兵器をウクライナに供与してきた。アメリカ軍産複合体にとって、代理戦争は自国兵士の犠牲というリスクを冒さずに、巨大な利益をうみ出していることがわかる。陳鴻斌は最後に、「ミリーの表明は台湾の蔡英文を失望させるのは間違いない」と述べ、台湾有事でアメリカ軍が派兵し中国と共同で戦うことを期待していた台湾側を失望させたとみる。

確かにウクライナ侵攻からほぼ1カ月後の2022年3月22日、台湾のケーブルテレビ「TVBS」が発表した世論調査では、「両岸で戦争が起きた場合、アメリカは台湾へ派兵し防衛すると信じるか」との質問に、「信じる」がわずか30%と、「信じない」の55%を大幅に下回った。ウクライナでの「代理戦争」に対する台湾人の冷静な反応がうかがえる。

情緒的な台湾政策が持つリスク
岸田文雄首相は2022年5月23日に東京で行われる日米首脳会談で、東シナ海や台湾海峡をめぐる日米の連携強化をウクライナ侵攻と関連付けて、共同文書に明記する方針とされる。

筆者は本欄で、バイデン政権が2月に発表した「インド太平洋戦略」が、台湾問題で「脇役」だった日本を「主役」にする狙いを指摘した。ミリー発言は、日本政府が台湾への情緒的共感に傾斜した対中政策を続けると、アメリカの「ハシゴ外し」に遭いかねないことを警鐘と受け止めるべきだと思う。








台湾TSMCの日本誘致は愚かだ…日本の半導体産業は再興しない
文=湯之上隆/微細加工研究所所長

2021.12.03

世界半導体3大不思議
1.なぜ半導体が不足しているのか

2.どの半導体が不足しているのか

3.なぜ台湾TSMCが日本に工場をつくるのか

 ここ数カ月、半導体のジャーナリスト兼コンサルタントを職業としている筆者としては、これらの問題をなんとしても解決したいと四方八方にアンテナを張り、各種データ解析を行ってきた。そして、とうとうすべての全貌を解明できた。そのきっかけとなったのは、2021年11月18日に、中国の深センで開催されたTrendForce主催のMemory Trend Summitに参加したことにある。


 このSummitでは13件の発表があったが、TrendForceのアナリスト、Joanne Chiao氏による“Wafer Shortages Drives the General Growth of Foundry Capacity in 2022”を聞いて、上記3つの問題の謎がすべて解明できた。さらに、この3つはすべてつながっていることがわかった。

 本稿では、3つの問題を明快に解いてみよう。その解答から導き出される結論は、「TSMCの熊本工場に税金を投入するのは間違っている」ということである。日本政府も経済産業省も、自分たちが犯そうとしている間違いにいち早く気づくべきである。もし再考せずにTSMCの熊本工場に対して手厚い支援を行った場合、あなた方は歴史上で「間抜け!」というレッテルを貼られることになるだろう。

コロナ禍でニューノーマルが定着
 2020年に新型コロナウイルスの感染が世界に拡大し、2021年には人々の生活を大きく変えてしまった。それは、ニューノーマル(新しい生活様式)といわれるようになった。具体的には次の通りである。

家の中で過ごすことが多くなったためネット通販では、8週間で過去10年分を売り上げた

・ロックダウンなどでリモートワークを行う人は、3カ月で20倍に増加した

・オンライン学習は、2週間で2億5000万人に拡大した

・家の中で過ごすことが多くなったためオンラインゲームは、5カ月で過去7年分がダウンロードされた

 そして、このニューノーマルの定着により、各種の電子機器が爆発的に売れた。図1は、2021年と2022年における各種電子機器の対前年の出荷台数の増減(%)を示している。





 例えば、リモートワークやオンライン学習に必要不可欠なノートブック(PC)は、2020年に比べて2021年は16.5%出荷台数が増えたということがわかる。しかし、来年2022年は、2021年に比べると出荷台数は7.2%減少する予測となっている。

 このように図1を見ると、コロナ禍でロックダウンや緊急事態宣言が出されてステイホームを余儀なくされた2021年は、ノートブック(対前年比16.5%増)、ゲームコンソール(35%増)、ウエアラブル・デバイス(11.1%増)などが、非常に売れ行きが良かったことがわかるだろう。すると、これらの電子機器に使われる半導体の需要も急拡大することになった。

 では、そのなかで特に需要が集中した半導体は何か?

半導体のテクノロジー・ノードとトランジスタ構造
 図2の上段に、半導体のテクノロジー・ノードとその半導体に使われているトランジスタの構造を示す。半導体には長らく「プレーナ型(平面型)」と呼ばれるトランジスタが使われてきた。テクノロジー・ノードでいうと、0.5μm以上前から採用され、それが高速化、低消費電力化、高集積化、低コスト化のために、微細化を続けてきた。


そのプレーナ型トランジスタは、90nm、65nm、40nm、28nmまでは順調に微細化が進んだが、それよりもっと微細化するには、3次元のフィン型(これをFinFETと呼ぶ)に構造を変える必要があった。そして、実際に16~14nmあたりから、FinFETにトランジスタ構造が変わった。ここで14nmから10nmに微細化するときに米インテルが生産ラインの立ち上げに失敗したため、TSMCが最先端を牽引する半導体メーカーとなり、7nmから5nmと微細化を進めており、来年2022年には3nmを量産する予定である。さらに、2024年頃に2nmの量産を目指しているが、この際にまたもやトランジスタ構造が変わる。それは、Gate All Around(GAA)と呼ばれている。

28nmに集中する多くの電子機器
 例えば、アップルのiPhone、最先端PCやサーバー用のプロセッサなど、常に高性能が要求される半導体のトランジスタは、プレーナ型からFinFETへ、そしてGAAへ構造が変化する。その際、半導体のチップコストが上昇するが、それよりも高性能であることが優先されるため、微細化を進め、最適なトランジスタ構造が選択される。

 しかし、多くの電子機器は、それほど高性能は必要ない。それより、コストパフォーマンスに優れている半導体を使いたい。それは何かというと、図2の下段に示したように、プレーナ型トランジスタの最後の世代である28nmの半導体である。

 28nmはコストパフォーマンスに優れている。そして、多くの電子機器にとって、必要十分な性能を発揮してくれる(FinFETを使う必要はまったくない)。この28nmの半導体を使う電子機器は多岐にわたる(なお、TSMCなどのファンドリーにとって、22nmは28nmの改良品なので、基本的に28nmと同じである)。

・ノートPCのWiFi用システムLSI(System on Chip、SOCと呼ぶ)、Timing Controller(TCONと略す)

・タブレットのSOCやNAND Controller

・テレビのSOC、TCON、接続用半導体(Connectivity)

・ルーターのWiFi用SOC

・スマートフォン用のSOC(エントリーレベル)、通信半導体(RF)、ディスプレイ駆動用IC(Display Drive IC、DDI)、CMOSイメージセンサー(CMOS Image Sensor、CIS)のロジック半導体、顔認証などに使うイメージシグナルプロセッサ(Image Signal Processor、ISP)、NAND Controller

・自動車用MCU((Micro Controller Unit、通称マイコン)

・ゲームコンソールのSOC、MCU、NAND Controller

・ウエアラブル・デバイスのMCU、ワイヤレスイヤホン用のTrue Wireless Stereo(TWS)、ASIC(特定用途向けロジック)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、接続用半導体(Connectivity)

 28nm(改良品の22nmを含む)の半導体を数え上げたらきりがない。これら28nmの半導体の需要が、コロナ禍で大爆発した。そして、これら28nmは、ほとんどがファンドリーへ生産委託されている。


上記のファンドリーで28nmを生産できるところはどこか?(図4) TSMCが2011年から28nmの量産を開始した。翌2012年、サムスン電子とUMCが28nmの量産を開始した。2013年にはGFが、2015年にSMICが、2018年にはHH Grace(中国)が、それぞれ、28nmの量産を開始した。


 ここで注意が必要なのは、サムスン電子のファンドリーは、主として自社のスマートフォンGalaxy用のプロセッサの生産を目的としているため、次々と微細化を進めており、レガシーな半導体の生産は止めてしまうということである。したがって、現在、サムスン電子は28nmの半導体を生産できないだろう。

 となると、世界的に逼迫している28nmの半導体をつくれるのは、TSMC、UMC、GF、SMIC、HH Graceの5社ということになる。しかし、図3で見た通り、ファンドリーの売上高シェアの過半をTSMCが独占している。したがって、世界的に需要が拡大している28nmの生産委託が殺到しているのは、TSMCであるといえよう。

世界的に足りないのは28nmの半導体
 ここまでをまとめると、コロナ禍によってニューノーマルが定着し、ノートPC、ゲーム機、ウエアラブルなど各種電子機器が爆発的に売れるようになった。そして、それら電子機器に使われている半導体需要が急拡大した。そのなかでもコストパフォーマンスに優れ、十分な性能がある、プレーナ型トランジスタの最後の世代の28nmが世界的に不足していると考えられる。

 要するに、28nmの半導体が「スイート・スポット」になっている。そして、この28nmは主としてTSMCに生産委託されており、TSMCの28nmのキャパシティがボトルネックになっていると推測できる。

 図5に、TSMCのテクノロジー・ノードごとの四半期売上高を示す。UMC、GF、SMICなども工場をフル稼働しているだろうが、世界的にTSMCの28nmのキャパシティが1番大きい。ここに、世界中から生産委託が集中している。飛躍的に28nmのキャパシティを拡大するためには、工場を新設するしかない。しかし、TSMCには、その余裕がないことを以下で説明する。

TSMCの事情
 TSMCは今年2021年に300億ドル(約3.4兆円)を投資する。来年2022年は345億ドル(約3.9兆円)に投資額が増える。TSMCの社員数も昨年2020年に8000人増員して約5万6000人になり、今年は9000人増やす予定となっている。

 なぜこれほど投資をし、社員数を増やすのかというと、ほぼすべては最先端の微細化を進め、その半導体を量産するためである。今年TSMCは5nmの大量生産を行っている。来年2022年は3nmの量産を開始しなければならない。加えて、2024年から量産予定の2nmのR&Dも同時並行で行わなければならない。

 このように最先端の半導体の量産と開発にすべてのリソースを集中しているTSMCには、いくら世界中から生産委託が殺到しているといっても、10年前のレガシーな技術の28nmの工場を新設する余裕はないだろう。

渡りに船の日本政府の誘致
 このようにTSMCは、最先端は進めなければならない上に、レガシーな28nmの生産委託も殺到するという苦しい状況に追い込まれたと思われる。TSMCは最先端に特化しなければならないが、28nmも無視できない。というのは、今年2021年1月25日には、日米独の各国政府から台湾政府を経由して車載半導体の増産要請をされたこともあり、28nmを放置すると、政府からの圧力が掛かったりするからである。

 ところが、このようなタイミングで日本政府と経済産業省が、しきりに日本への工場誘致を口説いてくる。TSMCの地域別売上高比率では、日本はたかだか4~5%しかビジネスがなく、日本のために工場をつくる合理的な根拠は何もない(図6)。

 しかし、経産省の話を聞くと、28~22nmの月産4.5万枚の工場については、ソニーの熊本工場の隣に工場用地を準備して、インフラも整備し、建設費や製造装置費用の半分(5000億円)を助成してくれるという。さらに、この支援は複数年続き、ソニーやデンソーも協力してくれるという。

 その上、日本政府や経産省やその他のアナリストなどから、「日本半導体の復興のために世界最先端の技術を持つTSMCが来てくれる」と感謝までされる。TSMCにとっては、もう願ったり叶ったりの“美味しい話”である。TSMCの幹部にとってみると、笑いが止まらないのではないだろうか?

TSMCの熊本工場に税金を投入するのは馬鹿げている
 TSMCが正式に熊本に工場をつくることを決定し、経産省も5000億円規模の助成をする(それ以上に複数年の支援をするという話もある)。そして、これをきっかけに世間では日本半導体産業が再興するという話で持ちきりである。日本人とは、なんとまあ、おめでたいことだろうか。

 TSMCはボランティアではないし、慈善事業団体でもない。れっきとした営利企業である。その事業はすべて、営利目的のものである。日本の熊本に月産4.5万枚の工場をつくり、世界的に不足している28~22nmを大量生産し、世界中に売りまくるわけである。そして、その利益はTSMCの懐に入ってくることになる。

 このような営利企業であるTSMCのために、日本の税金を使うのは、はっきり言って間違っている。28~22nmの工場を熊本に建設したいのなら、日本単体で日本自力でやってもらえばいいのである。ソニーやデンソーが協力したいのなら、すればいい。しかし、土地、インフラ、助成金など、日本の税金を使うことは許せない。いち納税者として、断固、異議を唱えたい。

日本半導体産業は復興などしない
 そして、TSMCが熊本に工場をつくることによって、「日本半導体産業が復興する」などと寝ぼけたことを言っている政府、経産省、アナリスト、メディアにも言っておきたい。TSMCが熊本に工場をつくっても、日本半導体産業は復興しない。というのは、TSMCが技術移管するのは10年前の技術の28 nm(22nm)に限る。そして熊本工場は、28 nm(22nm)の半導体を生産し続けるが、その先の16~14nmのFinFETに微細化を進めることはないからだ。

 もし、日本半導体産業の復興を実現したいのなら、28~22nmの熊本工場を足掛かりにして、日本人技術者が自力で16~14nmのFinFETを量産できるようにしなければならない。これについては、TSMCは一切、支援してくれない。サムスン電子も日本政府によって工場を作ることが決まっているが、同じ結果を招くだろう。

 技術者の問題だけでない。16~14nmのFinFETを量産する場合、日本にはその半導体を必要とする設計専門のファブレスが存在しない。したがって、アメリカなどの友好国や海外の先端ファブレスからビジネスを取ってこなければならない。

 2000年から今日まで、DRAMから撤退した日本半導体産業がSOCで壊滅的になったのは、このようなマーケティングや営業ができなかったことによる。それをいきなり「やれ」と言われてもできるはずがない。

結論:
 コロナ禍によってニューノーマルが定着し、各種電子機器が爆発的に売れるようになった。その電子機器用の半導体としては、28nmがスイート・スポットになっており、これが理由で世界的な半導体不足が起きている。ファンドリーの売上高シェア世界1位のTSMCには、28nmの生産委託が殺到しているが、新たに台湾に工場を建設する余裕はない。

 ところが、日本政府と経産省が破格の条件で、熊本に工場の建設を支援してくれるという。しかも、日本半導体産業の救世主的存在として感謝までされている。TSMCにとって、こんなに美味しい話はない。そして、TSMCが熊本工場で量産した28~22nmの半導体は、世界中に販売され、その利益はTSMCの懐に入ることになる。TSMCは日本に工場をつくるが、「日本のために」工場をつくるのではない。自身の利益のために工場をつくるのである。TSMCという、いち営利企業の利益のために、日本の税金を使うべきではない。いち納税者として、TSMCに助成金を出すことに断固、反対したい。

 もし、のちのち「間抜け!」というレッテルを張られたくないなら、政府も経産省も、TSMCへの助成金の支出をやめるべきである。

(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

湯之上隆/微細加工研究所所長

1961年生まれ。静岡県出身。1987年に京大原子核工学修士課程を卒業後、日立製作所、エルピーダメモリ、半導体先端テクノロジーズにて16年半、半導体の微細加工技術開発に従事。日立を退職後、長岡技術科学大学客員教授を兼任しながら同志社大学の専任フェローとして、日本半導体産業が凋落した原因について研究した。現在は、微細加工研究所の所長として、コンサルタントおよび新聞・雑誌記事の執筆を行っている。工学博士。著書に『日本「半導体」敗戦』(光文社)、『電機半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北』(文春新書)。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2021/12/post_267046.html
Copyright © Business Journal All Rights Reserved.







地政学的にIT関連で日本国が重視すべきは、中華民族の台湾ではなく民主国家インドだった。






宮崎正弘 隠蔽中国 半導体牛耳る猛者たち TSMCから中国へ 台湾では「裏切者」でも「救世主」 韓国「サムスン」を育てた〝英雄〟も

2023年12月4日

米国から高性能半導体の供給を遮断された中国は、「ならば自製で半導体製造装置もつくってみせる」と開発に拍車をかけた。

米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)は「中国の半導体受託生産大手『SMIC(中芯国際集成電路製造)』が、7ナノの先端半導体製造に成功した。米国の規制強化、日本とオランダの製造装置輸出禁止措置は間に合わなかった」と報告した。

真相はおおよそ、次のようである。

中国の「自製」とは?



蒋尚義氏(台湾生まれ):中国半導体の中枢企業へ移籍した「叛将(裏切り者)」
【台湾TSMCと中国SMICで幹部を務めた台湾人、蒋尚義氏】


半導体ファウンドリー(受託製造会社)の世界最大手「TSMC(台湾積体電路製造)」の創業者である張忠謀氏から技術力を見込まれ、共同CEOを務めた蒋尚義氏(台湾生まれ)は、紆余(うよ)曲折があって中国SMICの副会長になった。台湾半導体のトップクラスが、中国半導体の中枢企業へ移籍したわけで、「叛将(裏切り者)」呼ばわりされた。

【SMICを創業した台湾人、張汝京氏】
SMICを創業した張汝京氏は、中国で「半導体の父」と呼ばれている。中国・南京生まれで台湾育ちの張汝京氏が台湾で起業した会社は経営難となって、TSMCに買収された。このため張汝京氏は数百人の台湾人エンジニアを引き連れて上海へ渡った。

【中国半導体の魔術師、梁孟松氏は台湾出身】

台湾出身の梁孟松氏を、米紙ウォールストリート・ジャーナルは「中国半導体の魔術師」と比喩した。台湾では「裏切り者」呼ばわり、中国では「救世主」。SMICの5G半導体を成功に導いたのは彼だった。

韓国サムスンがTSMCに猛追できたのは、梁氏が一時、韓国で指導したからとされる。その後、梁氏は台湾のTSMCに移籍するのだが、居場所がなく中国へ渡った。そこで、梁氏はSMICの14ナノ半導体製造を成功させ、中国の英雄となった。

【DRAMのゴッドファーザー、高啓全氏は台湾から中国へ】

台湾生まれの高啓全氏は「DRAMのゴッドファーザー」といわれる。台湾大学工業系を卒業し、米ノースカロライナ州立大学で修士号を取得した。米フェアチャイルドから、インテルに移籍し、1987年にTSMCに転職した。2015年に中国へ渡り、半導体最大手「紫光集団」の副総裁に。ところが、翌年退職した。紫光集団は倒産した。

台湾と中国の半導体企業の裏側は、ことほど左様に人脈がぐじゃぐじゃ、先行きは暗いのである。 =おわり

■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『半導体戦争! 中国敗北後の日本と世界』(宝島社)、『間違いだらけの古代史』(扶桑社)、『ステルス・ドラゴンの正体』(ワニブックス)など多数。



TSMCの“裏切者”か,中国半導体の“救世主”か
:中国に渡った台湾人技術者—「中國半導體教父」張汝京と蒋尚義




朝元照雄(九州産業大学 名誉教授)

2021.10.04

(1)張汝京:「中国半導体の父」と呼ばれた人物
 張汝京に対する評価は毀誉褒貶の双方がある。台湾側からは台湾積体電路製造(TSMC)の「叛将」(裏切り者,謀叛する者の大将)の1人と呼ばれている。他方,中国側からは中国の半導体の基礎を構築した中国の「半導体の父」と呼ばれている。

 張汝京は1948年に南京に生まれた。1949年には中国で共産党政権が誕生したため,一家は台湾に逃れてきた。学業成績は優れ,台湾トップの台湾大学機械工程学系を卒業し,ニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)で修士号を,サザンメソジスト大学(SMU)で博士号を取得した。1977年にテキサスインスツルメンツ(TI)に就職し,20年間技師として働いた。1997年に台湾に帰国し,世大積体電路を設立した。当時は台湾のフゥアウンドリー(半導体の受託製造)が発展し始めた頃で,世大は台湾ではUMC(聯華電子),TSMC(台湾積体電路製造)に続く,第3位のフゥアウンドリー企業になった。

 2000年になると,TSMCは生産能力拡大のため,業績が芳しくなかった世大積体電路をM&A(合併・買収)した。合併後は,世大一社の生産規模から見ても張汝京総経理(社長)は,せいぜいTSMCの工場長クラスにしか扱われなかったため,張は嫌気をさしたのか,病気を理由に辞職し,数百人の部下を連れて上海に行き,上海市政府の資金でSMIC(中芯国際集成電路製造)を設立した。中国初の半導体企業であり,その故に,張氏を中国の「半導体の父」と呼ぶようになった。

 当時の中国ではTSMCのビジネスモデルを模倣することの是非を考えることはせず,張汝京は上海で工場を建て,部下の台湾人技術者を使い,TSMCのモデルをSMICに複写し,人材もTSMCからヘッドハンティングして,いち早くキャッチアップしようと考えた。しかし,これが失敗の要因となった。TSMCから特許侵害で提訴され,SMICは2億ドルと同社株式の10%の株券を損害賠償で支払うことになり,張の辞職までに発展した。

 2011年12月に,東莞市の天授電子科学技術有限会社傘下の広東海芯集積電路が設立され,張汝京は顧問として招聘された。2020年3月に工場建設が始ったが同年12月に工場建設は中止された。詳しいことがわからないが,巷間では政府資金申請の詐欺グループに詐かれたと言われている。近年,中国は「半導体大国」を狙い,莫大の資金を半導体企業に補助金を提供している。詐欺グループはこの補助金を狙ったという訳だ。

 TSMC創業者の張忠謀(モリス・チャン)は張汝京についてこのような発言があった。「張汝京は“工場建設の名人”であるが,“経営の名人”ではない。氏が採用した経営モデルは(TSMCの)人材のハンティングと(TSMCの)模倣スタイルであるため,失敗の要因になった」と厳しく指摘した。

(2)蒋尚義:武漢弘芯の詐欺から騙された人物
 蒋尚義は1946年に台湾で生まれ,1968年に台湾大学で卒業し,1970年にプリンストン大学で修士号を,1974年にスタンフォード大学で博士号を取得した。その後,テキサスインスツルメンツ(TI)とヒューレットパッカード(HP)に就職した。1997年に台湾に戻り,TSMCのR&D部門副総裁に就任し,2006年7月に退職した。しかし,2009年に創業者の張忠謀から招聘され首席運営官を担当し,その後の2013年に再びTSMCを退職した。

 2016年12月にSMICに就職した蒋尚義は,2019年6月には武漢弘芯に転職し首席CEOに就任した。しかし2020年12月,蒋尚義は再びSMICに戻り,今度は副会長に就いた。事前に蒋尚義のSMICの復帰と副会長への就任を知らされていなかった共同首席CEOの梁孟松はこれに激怒,辞表を提出した。しかし,SMICは梁孟松の待遇を大幅に引き上げて氏の辞職を慰留した。事実上,蒋尚義の武漢弘芯への移籍は,詐欺グループに出会ったことがきっかけであり,以下はその経緯である。

 2017年11月,登記資本金20億人民元で武漢弘芯半導体製造が設立された。持株90%の大株主は北京光量藍図科技公司であり,18億人民元を投資するという。武漢東西湖区政府の武漢臨空港開發區工業発展投資グループの持株は10%で,2億人民元を投資することを承諾した。武漢弘芯は対外的に1280億人民元の投資を公表し,第1段階に520億人民元を投資する計画としていたが,政府からの資金が振り込まれないため,企業のホームページを閉鎖した。これは,蒋尚義の名義を利用した詐欺グループによる政府の出資金と銀行からの融資を騙し取る資金詐欺であった。武漢弘芯設立初期の会長兼社長の李雪艷は,酒類と漢方薬の販売とホテル経営の経験があるが,半導体ビジネスの経験はない。武漢弘芯の設立初期の理事曹山は,自称「泉能先進集成電路産業研究院」のオーナーである。メディアによると,「曹山」は偽名であり,本名は「鮑恩保」という。台湾で著名な業界専門家の陸行之は,「蒋尚義と共に中国に渡った元TSMCのメンバーは,(中国の)投資家に愚弄され,資金不足に陥っただけでなく,評判を著しく損ねた」とコメントした。

 では,何故SMICは蒋尚義を再び副会長に招聘したのか。米商務省は2020年12月,中国の軍用兵器に半導体を供給していることからSMICを安全保障上問題がある企業を並べた「エンティティー・リスト」に加えた。これにより10nm(ナノメートル)以下の半導体生産に必要な製造装置などについて,原則的にアメリカからの輸出許可は発給されなくなった。こうした状況の中で,蒋尚義はオランダの半導体製造機器のASMLとの関係が大変良好で,SMICはエンティティー・リストにより購入できない製造機器を蒋尚義のコネクションで入手しようと考えた可能性がある。そのほかに考えられるのは,蒋尚義が武漢弘芯の在任時に,ASMLから購入し,武漢農村商業銀行に債務の担保として差し押さえられた深紫外線リソグラフィ(DUV)の件がある。SMICが蒋尚義を副会長として迎えることに合わせ武漢弘芯の債務5.8億人民元を肩代わりし,合わせてDUVをSMICが入手しようとしたのだ。なぜならば,SMICがエンティティー・リストに指定されると,ASMLからDUVや極紫外線ソグラフィ(EUV)の購入ができないからである。DUVは線幅28nmから7nmまでのウエハーを製造に用いられ,線幅7nm以下のウエハー製造にはEUVが必要不可欠だからだ。

 蒋尚義が副会長に就任時に,「私は先進封止め技術とチップレット(別々のCPU,GPU,モデム,SRAMなどのウエハーで製造したチップを繋ぐことにより,ある一つの機能を持つSoCを形成するのこと)の技術に夢中であり,SMICにおいて私の理想の実現が容易になる」と語った。

 武漢弘芯は対外的には「14nm製造工程のロジックチップの自主研究技術を擁し,1年後には7nmの製造技術を掌握する」と宣伝した。事実上,蒋尚義が2016年にTSMCから退職時,TSMCの実力は16nm製造工程技術を擁した。ここから考えると,16nm製造工程は精通する可能性はあるが,線幅14nm以下の製造技術は蒋にとっては未知の世界の可能性がある。たとえば,インテルは線幅10nmの製造技術は持っていたが,開発後にも数年に渡り,7nmの製造技術に達することができない。武漢弘芯が対外的に宣伝しているように,「14nm製造工程の1年後に,7nmの製造技術を掌握する」ということはできない。

                    張汝京:「中国半導体の父」と呼ばれた人物「中國半導體教父」






台湾TSMCの“裏切者”か,中国半導体の“救世主”か
:中国に渡った台湾人天才技術者―梁孟松と高啓全


    朝元照雄(九州産業大学 名誉教授)

2021.10.11
梁孟松:退職騒ぎで大儲けした開発の“秀才”




(1)梁孟松:退職騒ぎで大儲けした開発の“秀才”
 梁孟松は1952年に台湾で生まれ,国立成功大学電機工程学系で学士号と修士号を取得した。また,カリフォルニア大学バークレー校で電子工程博士号を取得した。博士課程の胡正明指導教授は,半導体製造技術のFin FET(魚のフィン(ヒレ)を立てたような構造の電界効果トランジスタ(FET)を開発した人物である。線幅22nm~5nmの半導体はこの技術が必要になり,梁孟松は胡正明教授の愛弟子の1人である。梁氏は米国電気電子学会(IEEE)の正会員で,アメリカ合衆国特許商標庁(USPTO)に登録した半導体関連の特許は181件に達し,学術論文は350編以上を発表した。梁氏はAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)の技師,TSMCのシニアR&D長,台湾・清華大学電機系教授,韓国・成均館大学訪問教授を経て,後にはサムスンR&D副社長,SMIC(中芯国際集成電路製造)共同首席CEO兼執行理事を歴任した。梁氏について筆者は,別稿「中国最大の半導体受託製造:中芯国際のトップの更迭と苦悩」(No.2282)に既に記述しており,重複する箇所は本稿では省いているので,そちらを参照されたい。

 2009年初め,梁氏と数名のFin FET技術チームはサムスン電子に移籍し,それによって,サムスンが急速にTSMCとの技術の差を縮小するようになった。そのために,TSMCは梁氏が営業秘密を漏洩している疑いがあると考え,裁判所に提訴した。法廷は梁氏に対し,2015年以前のTSMCの機密事項および人事データの使用を禁止する判決を言い渡した。この結果2017年に梁氏は中国SMICに移籍することとなった。

 台湾TSMC創業者の張忠謀は梁氏について,「梁氏がTSMCの在籍時は非常に忠実な仕事をしていた。梁氏の減点の理由は,あっちこっちに移籍し(サムスン電子と中国SMIC),2008年に台湾TSMCから離職する時も引き留めたが,最終的に残ることがなかった」と述べている。

 梁氏が2017年にSMICに移籍した後,SMICは3年間以上かけても克服できなかった14nm製造技術のボトルネックの課題を,10カ月で解決できた。梁氏がTSMCの在職中に14nmと16nmの製造技術の開発に参加していたため,ボトルネックの問題を解決することができたわけだ。これにより「梁氏はSMICの“救世主”になる」という業界の予想を証明することができた。

 しかし現在,台湾TSMCは5nmの量産化および3nmのリスク生産(少量生産)を行っていて,中国SMICは台湾TSMCと比較すると14nm製造技術以降の10nm,7nm,5nmおよび3nmの4つの世代で後塵を拝している。梁氏は14nm製造工程の試作開発が完成したが,SMICでは現在でも歩留り率(良品率)は10%台であり,商業ベースの量産化まではなお一定の距離がある。梁氏には,これらの課題を克服するには既に限界が来ているのかも知れない。

(2)高啓全:台湾の「DRAMのゴットファザー」
 高啓全は1953年に台湾・瑞芳に生まれ,台湾大学化学工業系を卒業し,ノースカロライナ州立大学で修士号を取得した。1979年にアメリカのフェアチャイルド・セミコンダクター(Fair Child)に入社,技師として働き,1984年にインテルのメモリーR&D部門長に就任した。1987年にTSMCに転職し,34歳の若さで工場長を歴任し,当時は最も若い半導体ウエハー工場長と言われた。1989年,呉敏求(現在の旺宏電子会長・CEO)らと共同で旺宏電子(Macronix)を創設した。2004年,華亜科技(Inotera,南亞科技とインフィニオンの合弁企業。現在のマイクロンテクノロジー台湾)の社長に就任し,2012年には南亞科技の総経理(社長)兼華亞科技董事長(会長)に就任した。その後2015年10月,高氏は中国の紫光集団有限公司に移籍し,グローバル執行副総裁に就任,2019年6月にDRAM事業群CEOを兼任した。そして,2020年9月末に高啓全は紫光集団を退職した。高氏の退職後,このグローバル執行副総裁の職務は,坂本幸雄(エルピーダメモリ(現・マイクロンメモリジャパン)前社長)が担当するようになった。
              高啓全:台湾の「DRAMのゴットファザー」

 高啓全の紫光集団における5年間の最大の功績は,長江存儲科技(YMTC)のNAND Flash市場の基礎の構築である。紫光集団に移籍後,最初の一年半は北京で勤務し,その後の三年半は武漢で長江存儲科技の運営に尽力した。同社は紫光集団傘下の国芯と武漢新芯との合併により武漢に設立された半導体企業である。主にはDRAMとNAND Flashを製造している。高氏は紫光集団の趙偉国董事長(会長)に「長江存儲科技は自らの特許と技術を持ってから工場の拡張を行うこと。そうしないと,大きな損失を蒙る」と説明した。2018年8月に長江存儲科技がXtackingの3D NAND技術を発表してから,第2期の拡張工事が始まった。このステップ・バイ・ステップ(一歩一歩,着実に)の方式が正解であることを証明できた。ちなみに,2021年7月,紫光集団は債務問題の泥沼化で,中国の企業破産法による破産・再編の手続きに入った。

 紫光集団からの退職後,高氏はサーバー企業の緯穎(Wiwynn)の独立董事(理事)に就任した。そのほかに,台湾人投資家が武漢黃石で設けたウエハーの再生領域の中国初のビジネスである録億半導体に投資した。それまで中国では,ウエハーの再生技術がなく,中国のウエハー製造企業は台湾へ送り,台湾で再生して中国に返すオペレーションを行っていた。この結果,1枚のウエハーには6ドルの輸送コストがかかっていたと言う。近年,中国の半導体製造企業が増え,再生のニーズも高まることから録億半導体を設けたという。

 これまで別稿を含め紹介した4人の「TSMCの“裏切り者”」は,それぞれの自分の理想があり,最も輝ける場所を求めて中国に活躍の場を移した。過去において,日本の大企業で働いた半導体技師が辞職し,韓国のサムスン電子などに再就職したケースもあった。それによって,日本の半導体産業が急速に“衰退した”要因の一つになったと言われた。

 事実上,TSMCの成功は一人の蒋尚義や一人の梁孟松によるものではなく,TSMC全体のチームの特有な文化でもある「台清交」(台湾大学,清華大学,交通大学)を卒業した優秀なエンジニアの存在,さらにはTSMCのサプライチェーン,産業の生態チェーンの共存共栄の文化環境など,多くの関係者と共に成長し,支えられてきたものである。蒋尚義や梁孟松が部下を引率しSMICへ移籍したことは,自らの利益や人気に頼ったものである。しかし,TSMCが20~30年間の長い期間をかけて,サプライチェーンの小さな企業を引率し,築きあげた共同の努力の成果を,中国で完全に“複写”することは出来ないかもしれない。
坂本幸雄(エルピーダメモリ(現・マイクロンメモリジャパン)前社長)








SMICの元創業者であるZhang Rujing氏は、チップに新たな進歩をもたらし、Xinenの8インチ工場は生産に成功しました
ディープテック

2021-08-16 
最近、Xinen (Qingdao) Integrated Circuit Co., Ltd.(以下「Xinen」)の集積回路プロジェクトは、新たな進歩をもたらしました。 中国初の共同集積回路製造(CIDM)プロジェクトとして、コア集積回路プロジェクトは設立以来多くの注目を集めています。
Xinenは今年2021年6月末に顧客の最初のチップ生産を受け入れ、両方のバッチで生産されたチップの合格率は90%以上を達成したと報告されています。 また、青島市の12インチ工場も8月15日に生産を開始する。
この点に関して、Xinenの関係者は以前、Xinenが初期の顧客向けにテストピースの生産を開始しており、関連する発表が近い将来にリリースされると述べていました。
8月2日、Xinenは誓約会議で朗報を発表し、8インチウェーハ工場は正式に生産に成功し、シリコン製品の故障率は非常に低く、10%を超えませんでした。 同じ期間に、マスク工場も時間通りに製品納品を完了しました。
実際、プロジェクトの着地からチップの生産まで、Xinenは多くの紆余曲折を経験してきました。
「中国チップの父」であり、SMIC(セミコンダクター・マニュファクチャリング・インターナショナル・コーポレーション)の元創設者であるZhang Rujing氏によって2018年に設立されたXinenは、寧波Xinen Semiconductor Technology Co., Ltd.、Qingdao AUCMA Holding Group Co., Ltd.、青島国際経済協力区(中独生態公園)管理委員会から共同投資を受けている。


半導体業界における伝統的な3つの運用モードは、IDM(統合設計製造)、ファブレス、ファウンドリーであり、その中でファブレスモデルは、チップの回路設計と販売のみを担当し、チップを独自に製造しないQualcomm、HiSilicon、MediaTekに代表されます。 ファウンドリモデルはファウンドリモデルであり、中国SMICや台湾TSMCなど、チップの製造、パッケージング、またはテストのみを担当し、チップ設計は担当しない複数の設計会社にサービスを提供します。 IDMは、SamsungやTexas Instrumentsなどの最初の2つの動作モードを、チップの設計、製造、パッケージング、テストから1つのチップに統合します。
実際の状況に基づいて、Zhang RujingはXinenの新しいCIDM(Commune Integrated Design and Manufacture)モデルを選択しました。 CIDMモデルでは、SVは数千人の設計エンジニアを独自にトレーニングする代わりに、30〜40社の設計会社にクロスシェアを導入し、累積で3〜4,000人の設計エンジニアを育成することができます。 さらに、CIDMモデルは顧客志向の生産であり、最先端の技術を掘り下げる必要はなく、ユーザーのニーズに合わせて成熟したプロセスを作成できるため、生産能力を迅速に向上させることができます。
当初の計画では、2019年末までに第1期ラインを稼働させ、2022年に生産を完了する予定でした。 しかし、現実には、2019年10月にXinenプロジェクトは集積回路の研究開発および生産プロジェクトの第1段階のプラントキャッピングセレモニーを達成し、プロジェクトの第1段階の設備は12月に完成しましたが、これは当初計画された生産タイムラインから遠く離れています。
2020年までに、新しいクラウンの流行はプロジェクトの進行に予測不可能な影響を与え、建設スケジュールは継続的に遅れ、試験生産が正式に開始されたのは8月になってからでした。 同時に、青島Aucma GroupとShanghai Xingcheng Investment Management Co., Ltd.は共同でプロジェクトの第1段階に特別基金を設立し、Qingdao Xingcheng Jidian Equity Investment Partnership (Limited Partnership)(以下「Qingdao Xingcheng」)は28億5500万元の増資を提案し、Xinenが直面した金融問題を緩和する第一線の機会をもたらしました。 しかし、2020年11月、株主になってまだ3か月しか経っていなかった青島星城は株主の座から撤退しました。
8インチ工場の試運転の成功は、青島の「コア不足と顔の少なさ」の状況を解決するだけでなく、青島に産業発展の新たな機会をもたらすことが期待されています。
家電製造の中心地として認められている青島には、ハイアール、ハイセンス、AUCMAの3つの主要な家電製造企業など、多くの有名な家電ブランドがあります。 同時に、家電製造業の発展により、青島はチップの需要に直面しています。 したがって、青島の長期的な「コアの欠如と少数の顔」は、家電製造業のさらなる発展を制限するだけでなく、情報化時代の発展機会も失います。
この状況を改善するために、「第13次5カ年計画」期間中、青島市は新寧、BOE、鴻海迂の3つの主要プロジェクトを導入し、同市の情報通信技術産業の高度化を支援した。
2019年、BOE(青島)スマートシステムイノベーションセンタープロジェクトが調印・決済され、上陸後に100社以上のBOEと関連企業が紹介されました。 現在、プロジェクトは着実に進行している段階にあります。 また、BOEは2022年に青島にディスプレイポートデバイスの生産拠点を正式に建設し、このプロジェクトは青島国有資産とBOEが共同で投資する。
2020年、青島はFoxconn半導体のハイエンドパッケージングおよびテストプロジェクトを導入し、西海岸新区でプロジェクトを定殿させ、2020年に開始および上限となる最速の建設プロジェクトの記録を樹立しました。 現在、プロジェクトの最初の設備は工場に無事に入り、今年10月に試作を行い、2025年に生産に達する予定です。
6月29日、青島市政府は、同市の新世代情報技術産業チェーンの発展を促進するための会議を開催しました。 会議で、青島市工業情報化局は「市の新世代情報技術産業チェーンの発展を促進するための作業計画(コメント草案)」に基づいて青島の新世代情報技術産業の最近の状況を分析し、市の将来の作業目的と発展計画を詳細にまとめました。 青島の新世代情報技術の産業規模は2023年に1000億元を超え、2025年には500億元増加すると報告されており、将来的には同市の新世代情報技術産業の生態が1兆規模に拡大すると予想されています。
政策支援は、青島が情報通信技術産業の発展において飛躍的な前進を遂げるのにも役立つ。
全体として、今回Xinenがもたらしたチップの新たな進歩は、産業探査の成功の実践経験を蓄積しただけでなく、青島のチップ市場に新しい状況を開き、「コアの不足と少数の顔」の問題が克服されることが期待されています。
-終わり-







ついに明るみになった韓国半導体企業と中国企業のウィンウィンの関係

中国企業に半導体技術流出の疑い…韓国検察がサムスン電子元部長らを逮捕 流出による被害は数千億円規模か、韓国メディア
2023年12月16日

韓国の検察は、半導体の技術を中国企業に流出させたとして電子機器大手・サムスン電子の元部長らを逮捕しました。技術流出による被害は、日本円にして数千億円にのぼるとみられます。

韓国メディアによりますと、ソウル中央地検は、サムスン電子の元部長らが中国の半導体企業「チャンシンメモリーテクノロジーズ」に半導体の製造工程の情報などを流出させたとして、15日までに逮捕状を請求。

逮捕が妥当かを審査していたソウル中央地裁は、元部長らが「証拠を隠滅する恐れがある」として、逮捕を認めました。

韓国メディアは、元部長が8年前にサムスン電子を辞めた後、「チャンシンメモリー」社の設立に当初から関与し、技術流出による被害は日本円にして数千億円にのぼるとみて検察が捜査していると報じています。






学校で「日台友好」を教わった台湾の女の子に母親「私たちは中国人、日本人は中国人をたくさん殺したのよ」

2023年12月16日


中国のSNS・微博(ウェイボー)で14日、台湾の小学生とその母親の会話を記録した動画が投稿され、話題になっている。

動画で女の子は「先生が『(中国)大陸は台湾に友好的じゃない。大陸の人は台湾の人に、自分たちのしたいようにさせようとしていて、私たち(台湾人)のしたいことはさせないようにしている』って言っていた」と語る。母親が「先生はどうしてそんなことを言うの?」と聞くと、「大陸の人と台湾の人は友好的じゃないから。日本と台湾だけが友好的だから」と答え、「先生がそういうふうに教えたの?」と聞かれ「そうだよ」と笑顔を見せた。
母親が「あなたはどう思うの?」と聞くと女の子は無言でうなずく。さらに「あなたは台湾が中国のものだと知っている?中国台湾」と言われると「中国台湾だって知ってるよ」と返答。「じゃあ、私たちみんな中国人でしょう。私たちは台湾に住んでいるけど、中国人なのよ。台湾は単なる一つの省なの。私たちは中国の領土にいるの」と説明すると、女の子は「うん、分かる」と答えた。
また、母親が「私たちは中国人。でも、私たちと日本は全く友好的ではないの」と言うと、女の子は「どうして?」と質問。母親が「日本人は私たち中国人をたくさんたくさん殺したのよ。分かる?だから先生のその考え方は必ずしも正しくないのよ」と話すと、女の子は表情を曇らせながら「うん」と答えた。

この動画に、中国のネットユーザーからは「教師は日本人なのか」「この母親は大陸人だろうね」「子どもたちに罪はない。悪いのは教育だ」「判断する能力のないうちから洗脳しているのだから、大人になって独立派になるのもむべなるかな」「こんなに小さい頃から毒されているとは恐ろしい。母親の発見が早くて良かった」「日本人は中国台湾人もたくさん殺したんだぞ。知っているかい?」などのコメントが寄せられた。

また、「どうりで台湾には独立派が多いわけだ」「海外で出会う台湾人のほとんどが独立派。特に若者はそうだ。そういえば香港人も同じだ」といった声や、「だから統一を急がねばならないんだ」「統一してしまえばこんなこともなくなる」「かわいそうな台湾同胞。いつ彼らを救ってあげられるか」といった声も寄せられている。(翻訳・編集/北田)





半導体装置ASML、チップ戦争が追い風だが

2024年1月14日

米国政府が半導体産業における中国の野望を懸念すればするほど、中国が購入する半導体製造装置は増えているようだ。

世界最先端の半導体露光装置を製造するオランダASMLが来週発表する2023年10-12月期(第4四半期)決算で、最も目を引く数字の一つは中国向け売上高の比率だろう。同比率は第1四半期にはわずか8%だったが、第3四半期に46%という驚異的な水準に達した。

こうした急上昇の理由の一つは、西側の需要が減速し、ASMLが中国の受注に追いつく機会を得たことだ。もう一つは輸出規制である。同社は以前から最も高度な「極端紫外線」装置の中国への出荷を許可されていなかったが、オランダと日本、米国は昨年、最先端でない装置の輸出も禁止することで合意した。中国の半導体メーカーは規制が今月施行される前に急いで装置を調達したようだ。

禁止措置が発効しても、ASMLの中国向け輸出は今年も好調かもしれない。同社は、影響を受けるのは中国向け出荷の10~15%に過ぎないと述べている。中国の半導体メーカーとの取引の大半は成熟した技術に関わるもので、まだ規制の対象になっていない。より高度な用途については、中国は購入できない最先端の装置と同様の結果を得るために旧世代の装置を使用する可能性があるため、受注がさらに押し上げられるかもしれない。

中国は、大量の半導体を必要とする電気自動車(EV)や風力タービンなどの新産業に積極的に投資しているが、半導体の大半はまだ西側のメーカーから調達している。近ごろは石油よりも半導体の輸入の方が多い。ただ中国は自給自足を目指している。中国が西側の半導体技術に追いつくことを懸念する米国の動きは、そうした中国の取り組みを加速させる一方だ。

中国に半導体を販売する企業は現地の同業他社に取って代わられつつある。UBSが中国のEVメーカー比亜迪(BYD)の人気EVを分解したところ、パワートレイン(動力装置)に含まれる半導体の36%が国内サプライヤーからのものであることが判明した。パワートレイン向け半導体の世界的リーダーであるドイツのインフィニオン、スイスのSTマイクロエレクトロニクス、米国のオンセミは、中国製EVの台頭で苦境に立たされる可能性が高い。

しかし中国は半導体を製造する機械を簡単に置き換えることができず、ASMLやその競合社(米アプライドマテリアルズなど)に依存している。だからこそ輸出規制はデリケートな問題なのだ。中国商務省によると、中国の王文涛商務相は先週、ジーナ・レモンド米商務長官との電話会談で、露光装置の中国への第三者輸出に対する米国の規制について「深刻な懸念」を表明した。

この規制がASMLに打撃を与える兆候はほとんどないが、投資家は安心できない。一つには、中国の基調的な需要水準が測りにくくなっていることがある。同国は産業戦略で多くの露光装置を必要とするようになるとしても、規制がさらに強化されることに備えて過剰に発注していると誰もが考えている。それはASMLにとって突然不振に陥るリスクを高める。

長期的には、輸出規制によって中国は独自の半導体エコシステムを開発せざるを得なくなるだろう。これは非常に困難なことだ。特に欧州・日本・米国の確立されたサプライチェーン(供給網)にアクセスできないことは大きい。しかし、中国が旧式の露光装置のリバースエンジニアリング(分解・解析)に成功するだけでも、西側のサプライヤーにとって重要な収益源を閉ざしてしまうことになる。

ASMLにとって最先端の競合企業でさえ同社の極端紫外線装置を模倣することに成功していないため、同社は人工知能(AI)の基盤の一つを独占できている。ASMLの株価が予想1株利益の33倍と同業他社より割高で取引され、欧州で最も価値の高いテクノロジー企業となっている理由の一つはここにある。

しかし、投資家にとって魅力的なその市場支配力によって、ASMLは米中半導体戦争の真っただ中に置かれることにもなった。このことは、これまでのところASMLの財務に追い風となっているとはいえ、歓迎すべきことではない。ASMLの株価には、地政学的競争の渦中に立たされることは織り込まれていない。




TSMC会長「熊本の人の強い労働精神と規律がユニーク」と語る…首相には半導体供給網に協力表明
               右側:劉徳音(マーク・リュウ)会長


 半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)の劉徳音(マーク・リュウ)会長は2024年2月26日、首相官邸で岸田首相と面会し、政府が進める九州での半導体の供給網(サプライチェーン)の構築に協力する考えを明らかにした。

 面会後、記者団の取材に応じた劉徳音(マーク・リュウ)氏は「TSMCとして、日本の半導体産業にがっちりと協力していきたい。日本のイノベーションを支援していきたい」と述べた。

 TSMCは24日、熊本県で第1工場の開所式を開いた。2024年末には、第2工場も着工する計画だ。劉徳音(マーク・リュウ)氏は「熊本の人には、非常に強い労働精神と規律がある。他の市場では見いだすことができないユニークな特徴だ」とも語った。



半導体の受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は2024年2月19日、劉徳音(マーク・リュウ)会長が2024年に退任すると発表した。魏哲家最高経営責任者(CEO)がTSMCの会長職を引き継ぐ。
劉徳音(マーク・リュウ)会長
 






                    クリフ・ホー副社長



     魏哲家最高経営責任者(CEO)がTSMCの会長となる予定!!








TSMCが熊本県に第2工場を24年着工、運営会社にトヨタも出資

2024年2月7日

 TSMCが過半を出資する半導体受託製造会社「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)日本半導体受託製造会社←日の丸半導体ラピダスのライバル会社



台湾積体電路製造(TSMC)とソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車は2024年2月6日、TSMCが過半を出資する半導体受託製造会社「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)」へ追加出資し、熊本県に2つ目の半導体工場を建設すると発表した。24年末までに着工する予定で、2027年末までの稼働開始を目指す。

 2024年中の生産開始を予定する第1工場を含めると、JASMへの設備投資額は200億米ドル(1米ドル=148円換算で2兆9600億円)を超える見込み。日本政府からの強力な支援を受ける前提で検討しているという。

 2工場合計の月間生産能力は300mmウエハー換算で10万枚以上となる見込みである。自動車や産業、民生、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)用途向けに40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nm世代プロセス技術による製造を担う。2工場合計で3400人以上の雇用を創出する見通しとする。

 今回の各社の出資により、TSMCはJASM株式(TSMCの子会社)の約86.5%, ソニーセミコンダクタソリューションズは約6%、デンソーは約5.5%、トヨタ自動車は約2%を保有することになる。



JASM、熊本に半導体製造の第二工場を建設決定 TSMCやソニー、デンソーと新たにトヨタも出資して2027年末までの稼働開始を目指す
2024年2月7日

 TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company Limited)、ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下「SSS」)、デンソー、トヨタ自動車の4社は2月6日、TSMCの半導体受託製造子会社JASM(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing)へ追加出資を行ない、熊本県に「第二工場」を建設すると発表した。

 2024年からの生産開始を予定している「第一工場」に続いて建設される「第二工場」は、2024年末までに建設を開始する予定で、2027年末までの稼働開始を目指すとしている。

 JASM(TSMCの子会社)の第一工場、JASM(TSMCの子会社)の第二工場、両工場合計の月間生産能力は10万枚(300mmウェーハ換算)以上となる見込みで、自動車、産業、民生、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)用途向けに40nm、22/28nm、12/16nm、6/7nmプロセス技術による製造を担う予定。今回の生産規模の拡大により、JASMの全体的な収益構造の改善とサプライチェーンの効率化を見込む。

 なお、同生産能力の計画は、市場における需要状況を鑑みて調整していくとしており、JASM(TSMCの子会社)では2つの工場において、計3400名以上の先端技術に通じた人材の雇用創出も見込むとしている。

 今回の各社の出資により、TSMCは約86.5%、SSSは約6.0%、デンソーは約5.5%、トヨタは約2.0%のJASM株式(TSMCの子会社)を保有することになる。トヨタによる少数持分出資が加わり、2024年からの生産開始を予定する「第一工場」を含めたJASMへの設備投資額は、200億米ドル(約2兆9600億円)を超える見込みで、日本政府からの強力な支援を受ける前提で検討していくとしている。












TSMC効果で県内市町村が企業誘致競争 八代市が新八代駅周辺を中心に開発計画
半導体製造大手TSMCの県内進出に伴い、熊本県八代市は中核都市としての物流拠点機能などを高めようと企業誘致のための区画整備を進めると発表しました。

これは、2023年1月25日に行われた定例会見で中村 博生(なかむら ひろお)八代市長が明らかにしたものです。

中村市長は「TSMCの県内進出で市町村間での企業誘致競争が始まっている」として、現在開発が進む新八代駅周辺を中心に物流拠点などの用地整備を加速させるための推進本部を立ち上げていて、2月6日に初会合を開く予定です。

その中で、新八代駅周辺の開発では、事業所の誘致だけでなく集客機能を高めるため武道場や弓道場を併設した2000人規模のコンサートも実施できる文化施設の建設を検討したいということです。

文化施設を巡っては、現在閉鎖されている八代市厚生会館について、市は老朽化を理由に再開しない方針を示しています。



中国は半導体技術「盗んでいる」、台湾駐米代表が非難
2024年2月8日

2月7日、台湾駐米代表(大使に相当)の兪大らい氏(写真)は、中国が半導体技術で台湾と肩を並べようとする動きについて「技術を盗んでいる」などと非難し、巨額の投資にもかかわらず成果は上がっていないと述べた。写真は台湾の台北で昨年8月撮影(2024 ロイター/Fabian Hamacher)

Michael Martina David Brunnstrom

[ワシントン 7日 ロイター] - 台湾駐米代表(大使に相当)の兪大らい氏は7日、中国が半導体技術で台湾と肩を並べようとする動きについて「技術を盗んでいる」などと非難し、巨額の投資にもかかわらず成果は上がっていないと述べた。台湾が米国で半導体投資を拡大する見通しも示唆した。ロイターのインタビューで語った。

中国半導体メーカーが次世代スマートフォンプロセッサーの製造に乗り出しているとの報道に疑問を投げかけたほか、米大統領選の共和党候補指名争いで優位に立つトランプ氏が展開している、台湾が米国の半導体雇用を奪うとの主張に反論した。
中国メーカーについて「ルールを守らない。不正やコピーをする。技術も盗む」と強調。米国が中国の先端技術開発を抑制しようとする中、中国が年内に次世代プロセッサーを作れるかどうか疑問だと述べた。

在米中国大使館の報道官は、発言は「良識に欠け」、悪意があると主張。「中国の科学的・技術的成果は『不正』や『盗み』によって成されたものではない。われわれの発展は常に自身の強さの上に築き上げられてきた。中国の能力を引き続き強化し、自立と技術革新を追求していくことに自信を持っている」とした。

海外でのEV研究拠点推奨=貿易摩擦に危機感か―中国
2024年2月8日
 【北京時事】中国政府は7日、電気自動車(EV)の輸出促進に向けた意見書を公表した。規制をかいくぐるよう国内メーカーによる海外での研究拠点設立を推奨すると明記。外国企業との連携や交流を加速するよう訴えた。それでも欧州などで中国車の輸出急増に反発する声が出ており、貿易摩擦への危機感が政府内で高まっている可能性がある。

 意見書は、商務省や工業情報化省が連名で公表。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)といった「新エネルギー車(NEV)」のメーカーなどが「海外勢と研究面で協力することを支持する」と強調した。





日本の半導体産業「世界から後れる」歴史的事情 日本の半導体産業は世界から取り残されている
野口 悠紀雄
2024年3月17日 
世界では半導体関連企業の株価上昇が目覚ましい。重要なのは、半導体そのものでなく、AIの目覚ましい発展と、それが引き起こす変化だ。日本は残念ながら、その流れから取り残されている。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載。
半導体関連企業が株価を引き上げている
日本、アメリカの株価が今年になってから急上昇している。その中心にあるのが、アメリカの半導体設計企業であるNVIDIA(エヌビディア)だ。


【グラフで見る】エヌビディアの売上高は右肩上がり

同社の株価は、2024年初の482ドルから3月5日の860ドルへと、1.78倍になった。2023年6月に1兆ドルを超えた時価総額は、2024年3月初めでは2.1兆ドルとなり、同社は、アマゾンやアルファベット(グーグル)を抜いて、世界第3位になっている。

半導体関連企業の株価急上昇は、NVIDIAだけのことではない。台湾の半導体受託製造企業TSMCの株価も、2024年初から3月初めまでの期間に、576ドルから1130ドルまで、1.96倍に上昇した。時価総額も7000億ドルを超え、世界第10位となった。
またオランダの半導体製造機器メーカーであるASMLの株価も、同期間に644ユーロから913ユーロに、1.42倍に上昇した。時価総額も3900億ドルを超え、世界第21位となった。

AI(人工知能)のディープ・ラーニング(深層学習)の過程でNVIDIA製のGPU(Graphics Processing Unit)という高性能半導体が用いられるため、これに対する需要が増大している。この背後には、AIの著しい進歩がある。AIに注力しているMicrosoftの株価が上昇し、同社の時価総額は世界一になった。

また、製薬産業が大きく変わっている。AIの活用で、新薬の開発期間が著しく短縮されたのだ。コロナのワクチンも、AIによって驚くべき短期間で開発された。アメリカの製薬会社イーライ・リリーの株価は、年初来3月初めまでに1.31倍となった。いまや同社は、時価総額ランキングで、世界第10位だ。

半導体というよりは、AIが重要
このように、AIは、アメリカの産業構造を大きく変えようとしている。これは、パラダイムの転換と言ってよい変化だ。

重要なのは、半導体というよりは、AIなのである。

株価上昇の背後には、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)による利下げの期待があると言われる。しかし、AIと半導体がもたらす変革は、そうしたこととは無関係であり、政策の変更によらず、確実に進行するものだ。

日本でも、半導体製造機のメーカーである東京エレクトロンの株価は、今年の初めから3月5日までの間に、2797円から3838円まで、約1.4倍に上昇した。上昇率は、NVIDIAなどに比べると低いが、ASML並みだ。また、半導体検査装置のアドバンテストも、同期間に株価が1.56倍になった。

この両者とも「値幅株」と言われるもので、これが日経平均に大きな影響を与える。終値が4万円を超えた3月4日、日経平均は前取引日から324円上昇したのだが、この2社だけで150円超引き上げた(2024年3月5日付朝日新聞「株式市場過熱、潜む危うさ」)。

しかし日本の場合、半導体関連企業の株価が、どれもこのように上昇しているわけではない。

イメージセンサー半導体で世界一のメーカーであるソニーの株価は、年初から最近時点までに13095円から12950円へと下落している。シリコンウエハーで世界シェア第1位の信越化学の株価は、5725円から6588円へと1.15倍であり、日経平均上昇率を下回る。

また、配下にイギリスの半導体設計企業アームを持つソフトバンクの株価も上昇していると言われるが、年初から最近時点までの変化は、1811円から1947円と1.07倍であり、あまり高い値ではない(ソフトバンクの場合、中国のIT企業の時価総額が減少していることによるマイナスの影響が大きいのではないかと考えられる)。旧東芝メモリのキオクシアの業績は悪化している。

日本の半導体製造企業の代表は、ルネサスエレクトロニクスだが、その株価は、今年になってから傾向的に上昇しているとは言えない。

日本の半導体産業、世界と何が違うのか
このように、日本の半導体企業の株価は、全体としてみれば、顕著な上昇とはとても言えない。それは、日本の半導体産業は、世界の最先端半導体産業とは大きく違うからだ。

ルネサスエレクトロニクスの主力製品は、自動車積載用半導体であり、AIに関係する半導体ではない。キオクシアの製品も、メモリー半導体だ。ソニーの製品はイメージセンサーだ。つまり、日本の半導体産業は、アメリカで成長している最先端のロジック半導体企業とは異質のものなのである。これを見ても、重要なのが半導体そのものではなく、AIであることがわかる。

「日本の半導体産業は、1980年代には世界を制したが、その後衰退した」と、よく言われる。しかし、この見方は不正確だ。
1980年代においても、日本が強かったのは、DRAMというメモリー半導体だけだった(DRAMは、日本で発明されたもの)。CPUと呼ばれる演算用の半導体は、アメリカのインテルが支配した。日本の技術では、歯が立たなかったのである(そのインテルを、いまNVIDIAが追い抜いたのだ)。

現在のロジック半導体は、CPUが進歩したものだ。この分野で日本が弱いという基本構造は、そのときと変わらない。その後、日本の半導体産業は、メモリーの分野においても衰退した。それは、サムスンなどの韓国企業の追い上げに負けたからだ。

最近の株価上昇には、半導体以外にも要因があるとの見方がある。それは、日本企業が変革に成功し、世界からの信頼を集めるに至ったということだ。

海外からの対日投資が増えているのは、事実だ。しかし、それは、中国経済の落ち込みによって、それまで中国に向かっていた投資が日本に来たという側面が大きい。いわば、「敵失」だ。

株価が上昇している根本的理由
また、半導体関係以外の企業の株価が上昇しているのも事実だ。しかし、その原因は、円安だ。

トヨタ自動車の株価が、2024年初から3月5日までの期間に2702円から3565円へと1.32倍に上昇したのが、その典型例だ。これは、東京エレクトロンの上昇率とあまり変わらない。また、商社の株価も上がっている。三井物産の株価は、年初の5405円から6816円へと1.26倍になった。

円安によって企業の利益が見かけ上増えることは、これまでも起こったことだ。それがいまの円安局面でも起こっているに過ぎない。

円安になって円ベースの輸出額が増えても、ドルベースでは変わらず、鉱工業生産指数に見られる実体的な生産活動は増加しない。他方で、円安は、国内物価を引き上げ、日本人を貧しくする。だから、望ましい現象とは言えない。

しかも、今後の日米金融政策によって為替レートが円高に転じれば、傾向は逆転してしまう。まことに脆弱なものだ。



台湾・日本・米国のエネルギー同盟で、中国による「台湾封鎖」を抑止せよ
脱炭素よりも大事なのは、台湾そして日本のエネルギー安全保障だ
2024.6.2(日)





(杉山 大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

台湾のエネルギー備蓄は極めてお寒い
 中国による台湾封鎖のシナリオが米国シンクタンクから発表された。タイトルは「強要して屈服させる(From Coercion to Capitulation)」。アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)と戦争研究所(ISW)の共同研究である。

【参考】
◎「アメリカがやっと気づいた『中国は戦争をしなくても台湾統一ができる』という脅威」(遠藤誉氏による解説記事)

 このシナリオでは、武力侵攻することなく、中国が台湾を併合する。概要は以下の通りだ。

2024年から2027年にかけて、台湾を取り巻く軍事演習と輸送船への立ち入り検査(臨検)を組み合わせて、事実上の海上封鎖をして、エネルギー・食糧などの重要物資の供給を途絶させる。
サイバー攻撃やテロによって台湾内のインフラや行政機能を破壊する。
米国・日本などが軍事介入しないように太平洋へのミサイル発射などで威嚇する。
以上により、台湾の生活を困窮させ、海外に見捨てられたという諦めムードを蔓延させて、台湾政府を中国との平和交渉のテーブルに着かせる。これが事実上の台湾の降伏交渉となる。
 報告書は111ページにわたる大部で、このシナリオについて詳しく書いてある。そして台湾、米国、そして米国の同盟国(日本を念頭においていることは間違いない)に向けての政策提言もしている。

 だがこのシナリオでひとつ疑問なのは、なぜ4年もかけるのかということである。台湾は、食料の在庫は半年分あるとされているが、エネルギーの備蓄事情は極めてお寒い。

 石油は100日分以上の備蓄があるという。だが石炭は現状では40日分しかなく、これを50日分に伸ばそうとしているところである。液化天然ガスは現状では11日分しかなく、2027年までに14日分に増やそうとしているだけである。

【参考】
◎『The Resilience of Taiwan’s Energy and Food Systems to Blockade』(Jackson Rice、CENTER FOR EXCELLENCE IN DISASTER MANAGEMENT & HUMANITARIAN ASSISTANCE ROBERTSON FOUNDATION FOR GOVERNMENT FELLOW UNIVERSITY OF CALIFORNIA SAN DIEGO SCHOOL OF GLOBAL POLICY AND STRATEGY)

台湾のエネルギー需給状況は日本にとてもよく似ている。

わずか11日でLNG火力発電が止まる
 つまりエネルギーの主力は化石燃料であるが、その化石燃料はほぼ全量輸入である(図1)。

発電部門は石炭と天然ガスに多くを依存している(図2)。



 石油は運輸部門だけでなく産業部門でも多く使われている(図3)。





 そして図2からも読みとれるように、あろうことか民進党政権は脱原発政策をとっており、2025年には原子力発電所は全て停止することになっている。なお2025年の再エネ目標は20%になっているが、これは実現不可能ということで、15%に引き下げられた。つまり輸入化石燃料依存はまだまだ続く。

 この状況で海上封鎖されると、台湾は11日でLNG火力発電が止まり、40日で石炭火力発電が止まる。すると発電の8割が失われる。もちろんいざという時には節約しながら使うにしても、3カ月も持たないだろう。

海上封鎖で海外船籍の船舶は運航しなくなる
 のみならず、LNG基地などのエネルギー設備へのサイバーテロや物理的なテロと組み合わせれば、もっと早く台湾は電力がなくなってしまう。

 もちろん、中国があからさまに台湾のインフラを攻撃するとなると米国の軍事介入を招くリスクもあるので、中国は慎重になるだろう。しかし直接に手を下さない方法はいくらでもある。例えば台湾内の「反台湾独立運動組織(=その実は親中テロ組織)」による単独犯行のテロということであれば、米国としても軍事的な介入をする口実とはしにくい。
 
 同報告書では、台湾に対する提言の一つとして、原子力発電所の活用を挙げている。これは台湾のエネルギー安全保障事情に照らせば当然のことである。

 幸いにして、これから廃止する計画ではあるものの、台湾の原子力発電所はまだ取り壊しには至っておらず、1年から数年かかるが、全てを再稼働することが可能であるという。原子力は燃料の備蓄にも適している。原子力発電で使用するウランの量は火力発電で使用する化石燃料に比べれば圧倒的に少なく、また酸化ウランや核燃料ペレットの形で保管すれば長期にわたって劣化することもなくコストも安く済む。このあたりの事情は日本も同じである。

 同報告書でもう1つ注目すべき提言としては、台湾船籍の輸送船を増やすことを挙げている。

 現在、台湾では(日本もそうだが)パナマなど海外船籍の船が輸送の多くを担っている。けれども、海上封鎖があったり、あるいは実際に船舶に攻撃があったりすると、海外船籍の船は台湾周辺海域を航行しなくなる恐れがある。

米国産の石油・ガスを米国籍のタンカーで
 いまイエメンの武装勢力フーシ派は、ミサイルやドローンによる攻撃で威嚇することで、親イスラエルと見なす国の船に対して、紅海を事実上封鎖している。同様の事態が、台湾周辺でも十分に予想される。

 中国による海上封鎖を受けている最中に、ただ1隻のタンカーだけでも、台湾周辺で攻撃者不明のテロ攻撃を受け、炎を上げる姿が世界に放映されたらどうなるか。多くの船が台湾周辺の航海を避けるのではなかろうか。

 もちろん台湾船籍の船であっても、そのような事態になると運航を拒否する可能性はあるが、その場合は政府が船舶を徴用して輸送する、ということになる。

 ただこれでも、中国当局が力ずくで運航を止めようとすれば、台湾は打つ手がなくなるのではないか。そこで筆者が提案するのは、米国籍のタンカーによる米国産の石油・ガスの輸入である。

 米国籍のタンカーで、米国産の石油・ガスを輸入するのであれば、中国としても手は出しにくい。以前、同じような考察から、日本は米国産の石油・ガスを輸入すべきだと書いた。だが台湾にとってこそ、この重要性は高い。

米国産の石油、ガス、石炭の購入は重要な選択肢
 米国産の石油・ガスと言う場合、もっとも地理的に近いのはアラスカである。LNG輸送船は日本に7日で到着する。そして、そのアラスカの天然ガスを開発し輸入する計画については、日本と韓国が買い手となる構図でずいぶん議論されてきたが、今のところ、事業開始の合意に至っていない。

 この理由のひとつは、脱炭素政策である。日本も韓国も2050年にCO2をゼロにするという目標を掲げている。他方で、今から着手しても、アラスカの天然ガス供給開始は早くて2030年とみられている。

 液化天然ガス供給のような巨大インフラ事業は、20年、30年と長い時間をかけて投資を回収するのが普通である。したがって、本当に2050年に脱炭素するのであれば、天然ガスの需要がなくなってゆくために、投資を回収できなくなる。

 アラスカの天然ガスに限らず、アラスカの石油、それから地理的には遠くなるが米国西海岸や米国メキシコ湾岸などから、米国産の石油、ガス、石炭を購入することは、台湾が海上封鎖に備えるために重要な選択肢となる。既存の輸出能力を活用したほうが、アラスカの新規事業よりも早くできる分、早めの安全保障対策として意義があるかもしれない。

 現職のバイデン米大統領は「気候変動は核戦争より脅威である」と繰り返し発言している(!)くらい狂信的な脱炭素信者なので、この実現の望みは薄い。だがトランプ政権が誕生すれば、一転して、気候変動よりも中国の方が危険であると認識を改めて、米国の商業的利益のためにも台湾への化石燃料輸出に積極的になることが期待できる。

 こうしてみると、ともに同じようなエネルギー脆弱性を抱える台湾と日本は、米国との三者間で「エネルギー同盟条約」を結ぶことが構想できる。その概要は、以下のようなものだ。
日米台エネルギー同盟条約

日米台は、エネルギーの安定供給のために協力する
日台はエネルギー備蓄を強化する。備蓄量の確保と、対テロ対策の強化に努める
日米台は緊急時に石油、ガス、石炭、核燃料のエネルギー融通を行う
日米台政府は石油・ガス・石炭エネルギー供給の長期契約を促進する
日米台はエネルギー輸送のための自国籍の船舶の確保に努める
日米台はアラスカの油田・ガス田および輸出インフラを共同で開発する。20年以上にわたる長期契約を締結し、米国籍の船による輸送を行う
日米台の海上保安組織は、協力してエネルギー海上輸送の安全を確保する
条約に韓国の参加も
 韓国もやはり輸入化石燃料依存であり、海上封鎖をされる危険もあって、エネルギー脆弱性は日本や台湾と類似しているので、この条約には韓国の参加もあると、さらによいかもしれない。

 なお前述のアラスカの例に限らず、日本のLNG長期契約は減少している(図4)。この原因のひとつは脱炭素政策によってLNGの長期の需要が見通せないことである。これはもちろんエネルギー安定供給の観点からは望ましくない。この傾向を覆すためにも、上記のような条約があることが望ましい。

2050年脱炭素よりも、台湾そして日本のエネルギー安全保障の方が重要だ。パリ協定については離脱すべきだと筆者は以前書いた。すぐにそこまでは行かないとしても、喫緊の課題として、エネルギー安全保障を確保するこのような条約を別途締結することから始めることが重要なのではなかろうか。






中国半導体ファウンドリーのSMIC、世界3位に躍進 「技術的な遅れを台湾企業から盗む」「米政府の制裁下」など課題も山積
2024/7/14(日)
2000年に設立された中国最大手の半導体受託製造会社(ファウンドリー)で、世界市場でも、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)、サムスン・エレクトロニクス、グローバルファウンドリーズ、ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス(UMC)に次ぐ第5位の地位を占める。国家IC産業ファンドの投資先。中芯北方集成电路(北京)、中芯南方集成电路(上海)を傘下に持つ。2021.08.07


 
 香港の調査会社カウンターポイントリサーチによると、中国・中芯国際集成電路製造(SMIC)が世界第3位の半導体ファウンドリー(受託生産)へと躍進した。

SMICの2024年1〜3月期の売上高ベースのシェアが6%に上昇した。シェアは依然1桁台にとどまり、上位2社との差は大きいものの、同社が世界3位になるのはこれが初めて。米国の制裁下にある同社は、中国政府による後押しの恩恵を受けているようだ。

AI Demand Stands Strong Amidst Seasonal Downturn and Slower Recovery for Global Foundry Industry in Q1 2024

GlobalFoundriesとUMCを抜く
2024年1〜3月期の各社のシェアを見ると、台湾積体電路製造(TSMC)が62%で首位。2位は、韓国サムスン電子のファウンドリー事業で、シェアは13%だった。

これまでは、米グローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)と台湾・聯華電子(UMC)が3位と4位で推移してきた(図1)。だが2024年1〜3月期はSMICがこの2社を追い抜いた。



SMICは、「CMOSイメージセンサー」「電源管理IC(集積回路)」「IoT(モノのインターネット)デバイス」「ディスプレードライバーIC」といったアプリケーションの需要回復を背景に売り上げを伸ばしたようだ。

2024年1〜3月期におけるSMICの売上高は、17億5000万米ドル(約2700億円)で、前年同期から19.7%増加した。売上高の80%以上は中国の企業顧客からのものだった。英調査会社オムディアによると、中国は消費者向け電子機器製品の世界最大の「工場」であり、世界半導体の約50%を購入している。

中国政府の後押し、米政府の輸出規制
米国が中国に対する技術輸出規制を強化するなか、中国国内半導体産業における外国技術への依存を減らしたい考えの中国政府にとって、SMICは重要な存在だ。中国政府は、これまで自国の半導体産業に数千億元(数兆円)規模の補助金を投入してきた。

しかし、同社は高度半導体を低コストで製造するために必要となる、西側諸国技術の入手に苦戦しているようだ。

米CNBCによると、SMICは2020年に米政府による先端半導体技術の輸出規制対象になった。現在、米国の企業がSMICに製品を販売するためにはあらかじめ米政府のライセンスを取得する必要があり、SMICは事実上、特定の米国製技術の入手が制限されている。

米政府は、他国にも同様の制限を課すよう促している。オランダ政府はこれに応える形で輸出制限を導入した。7ナノメートル(nm)プロセスで半導体を製造するためには、オランダ・半導体製造装置大手ASMLが手がける極端紫外線(EUV)露光装置が必要になるといわれている。

China's SMIC is now world's third-largest chip foundry: Counterpoint

SMICの高度半導体に驚かされる米政府
だが、2023年に発売された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のスマートフォン「Mate 60 Pro」にSMIC製の7nm半導体が搭載されていることが明らかになった。

SMICの技術力は、TSMCやサムスン電子といった世界トップ企業の最先端半導体と比べて何世代か後れを取っていると指摘される。一部報道では、SMICが規制導入前に米国などから入手した旧式装置を使って、7nm半導体を製造したと伝えている。

それでも、米国の制裁下にありながら、高度半導体を製造できるSMICの能力は、驚きをもって受け止められている。

(本コラム記事は「JBpress」2024年5月31日号に掲載された記事を基にその後の最新情報を加えて再編集したものです)






GIGAZINE
台湾が中国最大の半導体メーカーを「違法なハイテク人材の引き抜き」で捜査
2025年4月1日
SMICは中国の上海を拠点とする企業





台湾の法務部調査局(MJIB)が2025年3月28日に、中国の大手半導体企業である中芯国際集成電路製造(SMIC)を含む11社の中国企業を対象に、台湾の技術系人材の違法な引き抜きに関する一斉捜査を行ったことを発表しました。

法務部調查局同步偵辦「中」企非法在臺挖角高科技人才案 - 法務部調查局

Taiwan Probes China Chipmaker SMIC for Allegedly Poaching Staff - Bloomberg
Taiwan alleges China chipmaker SMIC illegally poached tech talent


台湾当局の声明によると、SMICは中国の上海を拠点とする企業であるにもかかわらず、サモアのダミー会社を通じて現地の企業や華僑を装い、台湾に子会社を設立して技術系の人材を違法に引き抜いたとのこと。台湾では、中国企業が政府の正式な許可なく雇用や事業などの企業活動を行うことが認められていません。

SMICは中国最大の半導体製造企業で、2020年にアメリカの規制対象企業のブラックリストである「エンティティー・リスト」に追加されましたが、2023年にはHuaweiのスマートフォンに搭載されていた7nmチップを開発したことで一躍脚光を浴びました。当時は「Intelすら苦戦した7nmチップを大量生産した」と称賛されましたが、今回の捜査によりこうした成果も台湾から盗み出した技術によって実現したものである可能性が浮上しています。


中国の半導体メーカー「SMIC」がIntelすら苦戦した7nmチップを大量生産し世界第3位相当のファウンドリへ急成長している実態が判明 - GIGAZINE


中国SMIC、偽装会社設立して台湾の半導体人材を引き抜いていた…台湾当局が11社摘発
4/1(火) 11:03配信



中国のファウンドリ(半導体受託生産)最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)などが、偽装企業を設立して台湾の先端半導体の専門人材を引き抜いていたことが分かり、先ごろ中国資本で設立された企業11社が摘発された。自由時報、聯合報など台湾メディアが3月30日、報じた。

【グラフィック】世界首位に立った中国の先端技術企業

 国家安保に関する犯罪などを捜査する台湾法務部傘下の調査局は先月18-27日、台湾全域で中国資本の関連企業11社を調査したという。

 調査局はこれら中国企業が台湾の就職情報サイトで高額年俸を提示し、研究・開発(R&D)人材を違法に採用し、中国企業のためにソリッド・ステート・ドライブ(SSD)のデータ保存技術などの研究結果を中国に流していたことを突き止め、摘発したと説明した。

 調査局は特に、中国最大の半導体企業で「中国版TSMC」と呼ばれるSMICが、太平洋に浮かぶ米国領サモアに会社を設立し、2010年に外国資本名義を装って台湾北部の新竹地域に子会社を設立したと説明した。調査局は2020年から中国企業による人材引き抜きなどの違法行為を特別に調査し、これまでに約100件を処理したという。

ファン・ミンギュ記者



中国人の米国密航が激増、国別でメキシコを抜き年間2万人を突破―華字情報サイト

「千人計画」ならぬ「1万人計画」??
2024年2月26日



カナダに拠点を置く華字情報サイトの加拿大家園によると、米国で摘発された密入国者の国籍別統計で、中国人の数がメキシコ人を抜いた。

米国境当局の最新の報告書によると、南部国境を越えて米国に不法入国した中国人の数は、ここ数カ月間でメキシコを上回った。FOXニュースが入手した米税関国境警備局(CBP)の未発表データによると、同局米税関・国境保護局は、今年の会計年度が始まった昨年2023年10月以降にサンディエゴ地域で2万1000人の中国人の不法移民を逮捕した。

同じ時期に逮捕された密入国者で、国別で最も多かったのはコロンビア人の2万8000人で、中国人は2万4048人でコロンビア人に次いで多かった。第3位はメキシコ人の1万8700人だった。その次はブラジル人の8700人、エクアドル人の7700人だった。それ以外にもトルコ人、ギニア人、インド人、グアテマラ人、ペルー人などが逮捕された。米国にとってメキシコ国境では不法移民の「グローバル化」が進んでいることが浮き彫りになった。

米国税関国境警備隊がは2021年度に南部国境で検挙した中国人はわずか323人で、2022年度には1970人だった。中国人の不法移民は激増しつつある。これまでの経緯からすれば、中国人が米国で亡命を申請すれば認められる可能性が高く、認められなくても中国への送還は難しいという。米国に不法入国する中国人が激増する背景には、「居残ることが容易」という考え方があるとみられる。

米国の国境パトロール隊リオグランデリバーバレー地区の最高パトロール責任者であるグロリア・チャベス氏は、「中国人入国者の大量増加により、通訳サービスを雇うことを余儀なくされています。中国人1人につき7時間に及ぶ調査をする必要があります」と述べた。

米下院の高官は、米国の国境警備部門は中国人を前にして「途方に暮れている」と述べた。中国人の多くは「出身国をほとんど考慮せずに米国内に解放されている」という。同高官は、「亡命による救済を求めている人もいるかもしれないが、すべての人に十分な安全審査を行うことはできない。特に敵対国の国民の場合はそうだ」と述べた。

米国では、中国人が観光客になりすましてアラスカの軍事施設に入ろうとする事件が繰り返し発生している。うちアラスカ州フェアバンクスのウェーンライト空軍基地では、米軍が中国人を乗せた車両の中からドローンを発見した。

当局者によると、バイデン政権は違法な越境ブームを阻止するため大統領令の発令を検討している。大統領令には、難民庇護の仕組みを引き締めることも含まれるとされる。

ある当局関係者は匿名を条件に、米国政府は大統領令の枠組みを作成しており、その中には、正式な出入国場所以外では米国入国を禁止することや、緊急治療を求めて米国に入国する場合でも、国内にとどまるための十分な証拠の提出を課すなど、共和党が提案しているのと同じように厳しい措置も多いと説明した。(翻訳・編集/如月隼人)





米巨大IT企業の中国人AI人材、とうとう母国に回帰する動きが加速! 中国から招集がかかったか?
2025年4月3日


望月博樹

MSやGoogle出身のAI人材、中国に続々帰国
米国で活躍した中国人AI人材、母国へ回帰の動き加速
中国出身の人工知能(AI)新薬開発専門家、フー・ティエンファン博士(32)は、2年前に米レンスラー工科大学で教授に就任し、終身教授を目指していた。しかし今年、中国・南京大学へ移籍した。AIを活用した新薬開発で注目されている若手研究者であるフー博士は香港の「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」とのインタビューで、「中国政府の高等教育への積極的な投資が、若手科学者に前例のないチャンスを与えている」と語った。

中国出身のAI人材が母国に戻る動きが加速している。先月23日には、マイクロソフトやIBMなど米ビッグテック企業でAI研究員を務め、フロリダ大学の教授としても活躍してきたチー・グオジュン氏(43)が、中国・杭州の西湖大学AI・機械学習研究所「メイプル(MAPLE)」の所長に就任すると報じられた。チー氏はディープラーニングやマルチモーダルAI(画像・音声など複数の情報形式を扱うAI)の専門家で、論文の被引用数は2万3,500回を超える実力者として知られている。

以前は母国に戻る中国人材の多くは大学教授が中心だったが、最近ではグローバル企業で活躍していた人材の帰国も目立ち始めている。例えば今年初め、中国のバイトダンス(TikTokの親会社)は、Google DeepMindの元副社長であるウ・ヨンフイ氏を採用した。南京大学を卒業後、米国で博士号を取得したウ氏は、2008年からGoogleで機械学習と自然言語理解を専門に17年間勤務していた。また、Appleで高性能・低消費電力のCPU設計を担当していたワン・ファンユイ博士も昨年、中国の華中科技大学(HUST)の教授に就任した。
過去には海外で高い評価を得た学者が後進の育成を目的に帰国するケースが一般的だったが、最近は帰国する人材の年齢層が若年化している。たとえば、暗号学分野の世界的権威であるカス・クリーマス元オックスフォード大学教授の主要研究プロジェクトに参加した、ジャオ・マン氏(29)、そして大連工科大学の教授に就任した双子の科学者マ・ドンハン氏(35)とマ・ドンシン氏が代表例だ。なお、マ・ドンシン氏は2012年に清華大学の最優秀5人の学生に与えられる特別奨学金の受賞者でもある。

若手人材を獲得するため、中国の大学は破格の条件を提示している。例えば、海外で博士号を取得した研究者が母国に戻り3年以上教授として勤務する場合、3年間の研究費900万元(約1億8,200万円)と年俸75万元(約1,500万円)を中国政府が創設した「優秀科学青年基金」で保証する。さらに生活費100万元(約2,000万円)と特別手当150万元(約3,000万円)を支援する場合もある。一般的な中国の教授年俸(20万〜35万元(約400万〜700万円))の約6倍に達する支援を受けられる。
中国の研究環境も急速に改善されている。フー・ティエンファン教授は、AIを活用した新薬開発に関して、「中国の大規模な臨床研究が貴重なデータ源となっており、こうしたデータが中国の技術企業によるAI発展を加速させている」と述べた。

中国政府は2017年に「次世代AI発展計画」を発表し、AI分野の人材回帰を促進する政策を本格的に推進してきた。これに伴い、大学や研究機関は自由度の高い研究環境と充実した研究予算を整備できる体制が整いつつある。これまで中国で博士課程に進むには国内で学士・修士号を取得していることが条件とされていたが、今年から清華大学や復旦大学などの主要大学がこの条件を撤廃。海外で修士号や博士号を取得した高度人材を積極的に迎え入れるための措置だ。

中国政府による人材の本国回帰政策は、実際に成果を上げている。先月30日に発表された「北京留学派白書」によると、昨年末の時点で海外留学を経験した北京在住者は122万8,500人に達し、そのうち約5分の1(20.84%)が科学・技術関連分野を専攻した人材だった。

また、中国教育部の資料によれば、年間の帰国留学生数は2015年の40万人から2021年には100万人を突破。このうち40%以上が、科学・技術・工学・数学(STEM)分野を専攻していた。

中国科学院と中国工程院に所属する院士(最高位の科学者)の多くが、海外留学の経験を持つことが明らかになっている。北京市で勤務する中国科学院の院士403人のうち、302人(75%)が海外留学経験者であり、中国工程院の院士448人のうち211人(47%)も同様に留学経験を持っていた。また中国科学院は、2023年上半期に米シリコンバレーから帰国したAI人材の数が、前年同期比で30%増加したと発表した。