ベートーヴェンのピアノ名曲弾きの9人衆

ベートーヴェンのピアノ名曲弾きの9人衆とは、ベートーヴェンのピアノ曲を弾くピアニストのことで、第一位はグレン・グールド。アニー・フィッシャーのピアノ・ソナタ全集は空前絶後の隠れ名盤。全集盤は商業主義的意味と記録的意味から出たもので個人が収集するなら、上記2つを聴きこなしたい。グールド曰く「私は、ピアニストではなく音楽家かピアノで表現する作曲家だ」と言う。伝統重視、作曲家尊重主義のピアニストも多いので個人の判断で聴きたい。アニーフィッシャー盤は全集物であって、EMIの音質も良い時代のものなので全32曲を直にでも聞きたい。
 
  次にリチャード・グードのベートーヴェン・ピアノソナタ全集。彼のピアノソナタ全集は絶品の隠された名盤。初期作品、中期作品に良い演奏がある。特に秀悦な演奏はピアノソナタ第1番、第2番、第3番など、とピアノソナタ第22番が良い。
 話は変わるが、ピアノ・ソナタ第3番をリチャード・グードとアニーフィッシャーとを聴き比べたところ、アニー・フィッシャーを聴いて初めて曲想が理解できた。この鑑賞方法は全32曲のピアノ・ソナタすべて、で聴いてみたい。アニー・フィッシャーの演奏は、それだけの価値ある。



アニー・フィッシャー


第1番と第22番はベストな演奏。
初期のピアノソナタならば
リチャード・グード
が良い。

 次にリチャード・グードと同じアメリカ出身のピアニスト、マレイ・ペライヤ。マレイ・ペライヤは今後、ピアノ・ソナタ全集やピアノ協奏曲集を出してくれれば買いだ。ただ指の故障で演奏を中断している。空前絶後のピアノソナタ第23番≪熱情≫を映像で聴いたので、全集盤が完成すれば、マレイ・ペライヤがベスト盤になるはず。やはり音質と演奏がそろって名盤だろう。

マレイ・ペライア
注目のピアニスト



 次にチリ出身のピアノ界の巨匠クラウデイオ・アラウ。
彼はフィリップス・レーベルに空前絶後のピアノ協奏曲集がある。音質が抜群に良い。巨匠アラウの全32曲のピアノ・ソナタ、全5曲のピアノ協奏曲集をまた聴いてみたくなった。

クラウディオ・アラウの有名なP協奏曲集
【P協奏曲集は、一生の宝物になるCD盤だ】

クラウディオ・アラウ


 




 


 同じレーベルにアルフレッド・ブレンデルのピアノ・ソナタ全集が出ている。音質はフィリップス・サウンドと言われるくらいなので間違いない。写真はデッカ盤(ステレオ録音の時代の盤)。
アルフレッド・ブレンデル
1970年代のステレオ録音
【多分2度目の全集盤】
シューベルトのピアノソナタ集
のCD盤はさらに素晴らしい。





超有名な天才グレン・グールド
♪残さなかった曲は第4番・第11番・
第19番~第29番(第23番≪熱情≫は残している
)










 








エミール・ギレリス(鋼鉄の鍵盤弾き)
ピアノのタッチが硬い。



ケンプ(シューベルト弾き)
ピアノのタッチがやさしい。自分の中ではケンプ
先生は、伝説のピアニスト。いつか全32曲を通しで聴いてみたい。



70歳のマウリツィオ・ポリーニ【第4番を70歳で録音。華やか、晴れやかな感じ・・・に弾く!!】
他にも9番・10番・11番も演奏している。
ポリーニの演奏は綺麗過ぎて印象に残らない、
と言われるが、これを聴けばそれが、このソナタの曲想に一致していると分かる。
ポリーニのうなり声もピアノの一部に聞こえる。


















 録音は古いがシューベルトのピアノ・ソナタで有名なヴィルヘルム・ケンプ、鍵盤の獅子王バックハウスも注目だ。その流れで若いポール・ルイスもいる。しかし、まだ、この新人は買いではない。
 リヒテルやグレン・グールドは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全32曲を全てCD化してはいないが、今現在の情報化社会では、この中の歴史的名盤を発見することは容易い。
 スヴァトラフ・リヒテルとグレン・グールドの2人の演奏は、録音・演奏ともに、自分の中では神の域。次にマウリツィオ・ポリーニとアルフレッド・ブレンデルは大船に乗った感がある。

リヒテル
メロディアの貴重なCD
【一生の宝物になるCD盤】


 
 音質的に厳しいが9人目は女流ピアニストのエリー・ナイで、特にピアノソナタ第4番と第14番≪月光≫と第21番≪ヴァルトシュタイン≫が名演だ。他にも女流ピアニストでは、タチアナ・ニコラーエワのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が有名。音の良いライブ録音盤。園田高弘氏がかつて言っていたように、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは女流ピア二ストに向いている面がある。女流の2人は録音の面でマイナスだが演奏は本物。
 日本人では、その園田高弘氏の演奏が有名で、若いころから32曲の連続演奏会を毎年やっていた。ベートーヴェンの最後の3大ピアノ・ソナタをNHK・FM放送で聴いて感動したのが園田高弘氏の演奏だった。本物の演奏を聴いた感じがしたが、国際的な知名度では上位5人には届かない。
 もちろん全集物では一番は決められないが、曲目では決定的な演奏があり、個人の耳ですぐに判断できる。ベートーヴェンのピアノ・ソナタやピアノ協奏曲は鑑賞された歴史が長いので、書物やCDやコンサートなど判断材料が豊富にある。
もし購入するのであれば、音質はこの際考慮せずに「神の域」を超えるような個性的な演奏がいい。ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、自分には生涯聴きたい曲集です。


グレン・グールド【ノーベル賞級】
アニーフィッシャー

エリー・ナイ
独逸コロセウムの12枚組の
CDアルバム
【これは一生の宝物となるCD盤だ。】

  

※「神の域」:500回でも1000回でも聞きたくなる演奏のこと

●最初期のピアノ・ソナタ 

 初めの3曲が「作品2」としてまとめられ、恩師ハイドンに献呈された。若いベートーヴェンらしい緊迫感、緊張感のある主題で楽しみたい。演奏の方は、グレン・グールドとリチャード・グード(発音的にはグッドが正しい?)の演奏が良い。できれば作品2として3曲まとめて聴きたい。

 ピアノ・ソナタの旅路に幸運を! 




1番ヘ短調Op.2-1:

 ヴァルトシュタイン伯爵による「モーツァルトの精神をハイドンの手から受け取りなさい」という言葉に送られ、ハイドンに師事すべく故郷のボンを後にウィーンへと旅立ったベートーヴェンであったが、その指導力に不満を抱き1793年には既にハイドンの元を去っていた。

   作品2の3曲は、1795年(ベートーヴェン24歳)の時、作曲。

 

 17953月ブルク劇場で最初の公開演奏会(ピアノ協奏曲第2番作品19)。

 ピアノ・ソナタ第1番は、特に第4楽章の第1主題が印象に残る。現代的でしかもクールでカッコいい主題をベートーヴェンは持ってきてくれた。


  1795年8月末、ハイドンが帰国。恩師への感謝を込めた「ピアノ・ソナタ第1~3番」作品2が演奏会で披露される。


宇宙空間に浮かぶ金星と戦闘機の飛行機雲


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1:(P)グレン・グールド


グレン・グールド【ノーベル賞級】
クールでカッコいい演奏。   


ピアノソナタ第1番
:グールドの演奏がふさわしい。


    














ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー
アニーフィッシャーのCD盤















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番ヘ短調Op.2-1:(P)リチャード・グッド

リチャード・グッドのCD盤
ピアノソナタ第1番:グッドの演奏もふさわしい

リチャード・グード

1943年、ニューヨーク州ブロンクス生まれ。エイヴリー・フィッシャー賞を受賞。録音も数多く、中でもアメリカ人ピアニストとして最初のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音が有名である。グールドとグードは、歴史に残る北米の(ベートーヴェン弾きの)二大ピアニストだ。



第2番イ長調Op.2-2:


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2:(P)グレン・グールド


グレン・グールド【ノーベル賞級】
クールでカッコいい演奏。
ピアノソナタ第2番:グールドの演奏がふさわしい。


















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2:(P)アニーフィッシャー


アニーフィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調Op.2-2:(P)リチャード・グッド

リチャード・グッドのCD盤:
グードもレベルの高い演奏だ。



第3番ハ長調Op.2-3:

曲想は、ピアノ協奏的な華麗さと軽やかさが特徴だ。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3:(P)グレン・グールド


グレン・グールド【ノーベル賞級】
華麗なピアノの弾きまわし方がカッコいい。
華麗な感じはビートルズ、ポールサイモン
の一部の曲にも通ずる。
ピアノソナタ第3番は
グールドの演奏が好ましい。















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3:(P)リチャード・グッド



リチャード・グッドのCD盤
第3番は軽やかでソフトな演奏をしている。




第4番変ホ長調Op.7:

作品7は、1797年(ベートーヴェン27歳)の時、作曲。


 第4番作品7はベートーヴェンの全32曲のピアノ・ソナタの中でも第29番≪ ハンマークラヴィーア≫に次ぐ、野心的な大作。それがこの第4番だ。ピアノ・ソナタなのに、敢えて交響曲のような規模への憧れから、この第4番まで4楽章ソナタ形式にこだわり続けて作曲している。第5番以降は、ピアノ・ソナタでスタンダードな3楽章形式の作品が多い。

 第4番の演奏の方は、なぜか?グレン・グールドの演奏が残っていない。天才が演奏と録音に対して賢明になったのか?仕方ないので、全集盤にこだわったアニー・フィッシャー、エリー・ナイ、マウリツィオ・ポリーニの盤で聴きたい。


ハイドンの言葉『作品2は私も大いに気に入りました。しかし白状すれば、今度の作品7は、ますます幻想にかられているように思えます。』
・・・前途多難だが、ベートーヴェンは、なにかから自信を得て、ハイドンから離れて、晴れやかに独自のスタイルをこの曲で表したのだろう・・・恩師からの卒業的な曲!と思えば、ぴったりの曲想だ!


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 作品7:(P)マウリツィオ・ポリーニ:2012年最新録音盤【エリー・ナイより5分も早く弾ききっている!】

                        ※ (P):モダーン・ピアノ

18歳のマウリツィオ・ポリーニ
(ショパン・コンクール優勝時のCD盤)
自分の中では、一生の宝物。
特にP協奏曲第1番は「神の域」に達した演奏
をしている。

70歳のマウリツィオ・ポリーニ【第4番を70歳で録音。華やか、晴れやかな感じ・・・に弾く!!】
他にも9番・10番・11番も演奏している。
ポリーニの演奏は綺麗過ぎて印象に残らない、
と言われるが、これを聴けばそれが、このソナタの曲想に一致していると分かる。
ポリーニのうなり声もピアノの一部に聞こえる。


































ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第
4番 変ホ長調 作品7:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 作品7:(フォルテピアノ)エリー・ナイ【神の域】この曲の「幻想的な面」が分かる31分05秒。


エリー・ナイ【一生の宝物になる盤】
Pソナタ第4番:エリー・ナイの演奏がふさわしい。




●ハイドンから離れてからの初期のピアノ・ソナタ 


初期のピアノソナタなら
グードも良い演奏をする。


グレン・グールドとリチャード・グード(発音的にはグッドが正しい?)の演奏が良い。作品10の3曲はベートーヴェンが1796年(ベートーヴェン25歳)にヨーロッパ演奏旅行の前後に作曲された。

 若きベートーヴェンはドイツ東部のベルリン、ライプツィヒ、ドレスデンなどを巡った。

 完成は1798年春(ベートーヴェン27歳)に『ピアノ・ソナタ第5~7番』作品10が完成し出版される。


 作品10の3曲とも熱心なパトロンのマルガレータ夫人に献呈される。できればグレン・グールドの演奏で、作品10を3曲まとめて聴くべき。



第5番ハ短調≪小悲愴≫Op.10-1:

 3楽章形式の、引き締まった曲になっている。

 有名な第8番と同じハ短調で書かれたから、≪小さな悲愴≫と呼ばれるようになった。

 最大の聴きどころは、第2楽章のアダージョが大変に美しい。しかも、たっぷり時間をかけている。6分21秒(グールド盤)。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5≪小悲愴≫ハ短調Op.10-1:(P)グレン・グールド【ノーベル賞級】

超有名な天才グレン・グールド


ピアノソナタ第5番≪小悲愴≫
:グールドの演奏がふさわしい。















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5≪小悲愴≫ハ短調Op.10-1:(P)リチャード・グード

リチャード・グッドのCD盤




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5≪小悲愴≫ハ短調Op.10-1:(P)アニーフィッシャー


アニーフィッシャー


第6番ヘ長調Op.10-2:

 ベートーヴェンの演奏旅行先、ライプツィヒ。ライプツィヒといえば、まずバッハ先生の聖トーマス教会。ベートーヴェンは、ここにも多分訪れただろう。

バッハが音楽総監
を務めた聖トーマス教会(ライプツィヒ)


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2:(P)グレン・グールド

6番は9番のような「美しい庭」のような作品。
楽しさ溢れる演奏はグレン・グールドで。






ピアノソナタ第6番
:グールドの演奏がふさわしい




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番ヘ長調Op.10-2:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー



第7番ニ長調≪壮大にして重要な≫Op.10-3:

 作品10のほかの2曲(第5番と第6番)が3楽章形式をとって、引き締まっているのに対し、第7番は4楽章形式の大作になっている。

 第7番の第2楽章は悲劇的な楽章。第12番葬送の第3楽章に似ている。

 第7番の第2楽章ラルゴはグレン・グールドの演奏で聴きたい。10分39秒。


ベートーヴェンも歩いたであろう世界文化遺産の
ライプツィヒ旧市街(階段状の屋根)


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番≪壮大にして重要な≫ニ長調Op.10-3:(P)グレン・グールド

グレン・グールド
第7番は第4番と同様に4楽章形式を取る。
今までのピアノソナタを聴くと、
ベートーヴェンの転機となる曲は、4楽章形式を取るのか?


ピアノソナタ第7番
:グールドの演奏がふさわしい






ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番≪壮大にして重要な≫ニ長調Op.10-3:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤






8番ハ短調《悲愴》Op.13:

3楽章形式。

ハ短調。



 1799年(ベートーヴェン28歳)、10月『ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫』作品13を出版。


 
有名な第5番≪小悲愴≫と同じハ短調で書かれたから、第8番は≪大きな悲愴≫と呼ばれるようになった(標題は作曲者自身がそう呼んだらしいから)。







≪悲愴≫を演奏する天才グールド

≪悲愴≫はベートーヴェンの初期ピアノ・ソナタ作品の頂点に立つ名曲。超有名な名旋律の第2楽章のアンダンテ・カンタービレは特別な思いで聴くことが多い。4分46秒(グールド盤)、5分27秒(リヒテル盤)。


 この≪悲愴≫の演奏はグレン・グールドが、決定的な演奏をしている。


道・土手・堀(岸田劉生)



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》ハ短調:(P)リヒテル【モノラル録音】


リヒテル【メロディア盤】


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫ハ短調:(P)クラウディオ・アラウ


クラウディオ・アラウのCD盤


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫ハ短調:(P)グレン・グールド【ノーベル賞級

グレン・グールドのCD盤
ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫はグールドの演奏がふさわしい。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫ハ短調作品13:(P)アニーフィッシャー【名演】


アニーフィッシャーのCD盤



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫ハ短調作品13:(P)リチャード・グード

リチャード・グードのCD盤



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番≪悲愴≫ハ短調作品13:(P)エフゲニー・キーシン(ライブ録音)

エフゲニー・キーシン






第9番ホ長調Op.14-1:

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番と同時期に作曲している。ベートーヴェンの弟子アントン・シンドラーは「最も内容豊かな優れたものであるにもかかわらず、あまり一般に認められていない曲」と評している。

第9番は美しい庭のような作品。

温もり、軽やか、移ろう庭を眺めながら・・・
ピアノ・ソナタ第9番。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14の1:(P)グレン・グールド


グレン・グールドのCD盤
【一生の宝物になる盤】
ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14の1はグールドの演奏がふさわしい。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番ホ長調 作品14の1:(P)リチャード・グッド

リチャード・グード


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14の1:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー



10番ト長調≪対話≫Op.14-2:

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番と同時期に作曲している。ベートーヴェンの弟子アントン・シンドラーは「最も美しい小品」と讃えている。作品14も第9番、第10番と続けて聴きたい。主題がユーモラスな男女の対話を表している、とされる。


グールドのピアノタッチは素晴らしく雄弁だ。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番≪対話≫ト長調作品14の2:(P)グレン・グールド

グレン・グールド
ピアノ・ソナタ第10番:演奏はグレン・グールドがふさわしい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番≪対話≫ト長調作品14の2:(P)リチャード・グッド

リチャード・グード



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番≪対話≫ト長調作品14の2:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー



11番 変ロ長調≪大ソナタ≫Op.22:

 

 残念ながら、第11番はグレン・グールドの演奏が残っていない。


 このころのベートーヴェンは一段と作曲意欲を示し、前10曲を凌ぐ大作を完成。前期様式の集大成的な作品と言われる。ベートーヴェン支持者ブロウネ・カミュ伯爵に献呈。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番 ≪大ソナタ≫変ロ長調 作品22(P)アニー・フィッシャー


アニーフィッシャーのCD盤



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番 ≪大ソナタ≫変ロ長調 作品22(P)タチアナ・ニコラーエワ



●中期ピアノ・ソナタ :ベートーヴェン“傑作の森”(ロマン・ロラン)と呼ばれる時期のピアノ・ソナタ集


12番変イ長調≪葬送≫Op.26:


 第1楽章が変奏形式、第2楽章がスケルツォ、第3楽章が葬送行進曲、第4楽章がロンド形式で、ソナタ形式で書かれた楽章が1つもない型破りの「ピアノ・ソナタ」を作曲。

 前代未聞の形式から、第3楽章から第4楽章にかけて曲想のギャップが有り過ぎる。演奏にはそれを感じさせない方が聴きやすい。

 ショパンは、全32作品の中で、この第12番変イ長調≪葬送≫を愛していた。ショパンのピアノ・ソナタ第2番に影響を与えた作品。全曲の核となるのが、圧巻の第3楽章で「ある英雄の死を悼む葬送行進曲」である。ショパンのピアノ・ソナタ第2番の第3楽章が、やはり「葬送行進曲」である。

 演奏は、クラウディオ・アラウと女流演奏家3人が抜群に抜きん出いる。



ベートーヴェンの葬儀の時に流れた曲が第3楽章だった。
それをシューベルトも聞いていた。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)グレン・グールド

グレン・グールド:
第3楽章から第4楽章にかけて、曲想の
ギャップがありすぎる。聴きずらい。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)アニー・フィッシャー


アニーフィッシャーのCD盤:第3楽章から第4楽章にかけて自然な流れがある。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)スヴァトラフ・リヒテル

【期待していたが、音が悪くて聴きづらい】第3楽章は、かなり怖い感じ。第3楽章から第4楽章にかけて、曲想のギャップがありすぎる。

    

スヴァトラフ・リヒテル


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)エリー・ナイ【ノーベル賞級】

エリー・ナイ【彼女が演奏するとベートーヴェン自身が弾いているような錯覚に陥る。】



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調op. 26 :タチアナ・ニコラーエワ : 【神の域】教会で聴いているような深い味わいがある。

タチアナ・ニコラーエワ
ベートーヴェン全集

教会で聴いているような深い味わいがある。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)クラウディオ・アラウ【ノーベル賞級】



クラウディオ・アラウのCD盤




13番変ホ長調≪幻想風ソナタ≫ Op.27-1:

 1801年(30歳)、『ピアノ・ソナタ第13≪幻想ソナタ≫&14番≪月光≫』作品27と、『ピアノ・ソナタ第15番≪田園≫』作品28を作曲。


 作品27の2曲、≪幻想風ソナタ≫と≪月光≫は、いずれも幻想曲をスケッチしたため、ベートーヴェン自身により≪幻想曲風ソナタ≫と命名された。第13番変ホ長調≪幻想風ソナタ≫は、さらに曲の重心が最終楽章に移された作品でもある。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番≪幻想風ソナタ≫ 変ホ長調 Op.27-1:(P)グレン・グールド

グレン・グールドが弾くと楽しくなる。
ピアノ・ソナタ第13番≪幻想風≫はグールドの演奏がふさわしい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番≪幻想風ソナタ≫ 変ホ長調 Op.27-1:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャー





ファジル・サイ

14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:

写実的、歌謡性のグレン・グールド、抒情的なファジル・サイ、リチャード・グード、レイフ・オヴェ・アンスネス。ここは個人の好み、趣味で判断して聴きたい所。

 この曲の比較鑑賞は楽しい、面白い。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)グレン・グールド


グレン・グールドのCD盤
【一生の宝物になる盤】



グレン・グールド






ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)ファジル・サイ



ファジル・サイ【今現在、注目に値する全集】



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)レイフ・オヴェ・アンスネス

     

ノルウェーのアンスネス【注目!】


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)アニーフィッシャー


アニーフィッシャーのCD盤




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)タチアナ・ニコラーエワ

タチアナ・ニコラーエワのCD盤


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)エミール・ギレリス【この曲の重心が置かれた最終楽章は賛否両論、好嫌が別れる。】

エミール・ギレリス【最終楽章は賛否両論】
ジャケット写真はカッコいいのだが・・・。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調≪月光≫Op.27-2:(P)エリー・ナイ【空前絶後】


エリー・ナイのCD盤

第2楽章の演奏が良いものを選ぼう。





15番ニ長調≪田園≫Op.28:

 作品27も作品28もほぼ同時期に作曲しているが、革新的な作品27の2曲から一転、作品28は伝統的様式を選ぶ。≪田園≫の名称は当時田園趣味の音楽が流行ったため。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番≪田園≫ニ長調 Op.28:(P)クラウディオ・アラウ



クラウディオ・アラウ



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番≪田園≫ニ長調 Op.28:(P)グレン・グールド

グレン・グールド
 
グールドのCD盤ジャケット写真



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番≪田園≫ニ長調 Op.28:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー







●難聴で聞こえなくなった頃のピアノ・ソナタ集

 1802年終わり(31歳),ハイリンゲンシュタットの危機が去ると、今までの作品に決別し、改めてピアノ・ソナタに向かって作曲した。それらの曲が作品31の3曲。失意と決意の中で作曲されたこの3曲は、古典的なたたずまいと明るい曲想に戻っている。その結実が輝かしく、壮麗な第21番≪ヴァルトシュタイン≫に向かっていく。

 個人的には第21番≪ヴァルトシュタイン伯爵≫は、17番≪テンペスト≫より好きな曲想だ。第22番風変わりな、特異な≫も明るくて、好みの曲だ。さらに第23番≪熱情≫以降も傑作が続く。


16番ト長調Op.31-1:

3楽章形式。


 1802年(31歳)、『ピアノ・ソナタ第16から18番』作品31の3曲と第17番≪テンペスト≫作品31を作曲。

 第16番から始まる作品31の3曲は、1805年(34歳)にまとめて出版される。また3曲とも誰にも献呈されていない。

  この第16番から、ベートーヴェン自身の想像力が最高潮に高まる長い時期が到来する。「傑作の森」への第一歩を踏み出す。1806年(35歳)までの間に、交響曲≪運命≫・≪田園≫、ピアノ協奏曲≪第4番と第5番≫、ピアノ・ソナタ≪ヴァルトシュタインと第22番と熱情≫などの傑作が続けざまに書かれた。

 


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1:(P)グレン・グールド

グレン・グールド


第16番、第17番、第18番はグールドが特別な愛情を抱いていた作品。






ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャー




17番ニ短調≪テンペスト≫Op.31-2:

3楽章形式。

ニ短調。

 ≪テンペスト≫という謂れは、弟子のアントン・シンドラーがこの曲と≪熱情≫の解釈について尋ねた時に、ベートーヴェンが「シェイクスピア作品の『テンペスト(嵐)』に聞け!」といったことに由来。

 終楽章に重点が置かれた作品。演奏はアニーフィッシャーとスヴァトラフ・リヒテルとヴィルヘルム・ケンプを比較しながら鑑賞したい。グレン・グールドも良い。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ニ短調 Op. 31-2:(p)ヴィルヘルム・ケンプ【第17番は彼のオハコ】

ヴィルヘルム・ケンプ【第17番≪テンペスト≫の演奏は絶品】
ピアノ・ソナタ第17番:演奏はヴィルヘルム・ケンプがふさわしい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ニ短調Op.31-2:(P)アニー・フィッシャー


アニーフィッシャー



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ニ短調Op.31-2:(P)グレン・グールド


天才グレン・グールド
グレン・グールドのCD盤アルバム写真

    

第16番、第17番≪テンペスト≫、第18番≪トランペット≫はグールドが特別な愛情を抱いていた作品。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ニ短調Op.31-2:(P)アルフレッド・ブレンデル


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ ニ短調Op.31-2:(P)エリー・ナイ【名演】


エリー・ナイ【ピアノの反響音が気になる。】




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫ニ短調 Op. 31-2:(p)スヴァトラフ・リヒテル【名演だが、軽く弾きこなしている。】


スヴァトラフ・リヒテル【有名なメロディア・レーベルの盤】
メロディアの貴重なCD




18番変ホ長調≪狩り≫Op.31-3:

 充実した中期作品の1つ。≪狩り≫という名称は主に第4楽章の主題が狩猟用の角笛(ホルン)を想起させることに由来。この曲はベートーヴェンにしてはモーツァルト風に聴こえる。非常に楽しく、愉快な曲想だ。演奏はエリー・ナイよりグールドかアニーフィッシャーで聴きたくなる。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番≪狩り≫変ホ長調作品31の3:(P)グレン・グールド【天才グールドなら楽しい気分になれる、凄い演奏だ。】

グレン・グールド
CD盤






第16番、第17番、第18番はグールドが特別な愛情を抱いていた作品。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番≪狩り≫変ホ長調作品31の3:(P)エリー・ナイ【音が痩せて聞こえる。】



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番≪狩り≫変ホ長調作品31の3:(P)クラウディオ・アラウ【安心、大船に乗った演奏】

クラウディオ・アラウ



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番≪狩り≫変ホ長調作品31の3:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャー





19番ト短調≪やさしいソナタ1≫Op.49-1:

 グールドの録音は第19番以降は録音を残していない。ただし第23番≪熱情≫と後期3大ピアノ・ソナタは録音を残してくれた。


 作品49の2曲は、ベートーヴェンが家庭教師をしている弟子たちのために、やさしい練習曲風に作曲した作品。演奏はアルフレッド・ブレンデルで聴きたい。アニーフィッシャーも良いが前者より音質は落ちる。ブレンデルの演奏は、音質の良さも相まって優しさに溢れている。

  

 

ピアノ・ソナタ第19番≪易しいソナタ1≫ト短調 作品49の1:(P)アルフレッド・ブレンデル


アルフレッド・ブレンデル
【19番・20番は知性的な演奏だが曲想を十分に捉えている。】
デッカ・レーベルは抜群に良い音だ。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番≪易しいソナタ1≫ト短調 作品49の1:(P)クラウディオ・アラウ



20番ト長調≪やさしいソナタ2≫Op.49-2:

第20番は、そよ風に流されるような曲想。音質の良い名演で聴きたい。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番≪易しいソナタ2≫ト長調作品49の2:(P)アルフレッド・ブレンデル


アルフレッド・ブレンデル
ピアノ・ソナタ第20番:演奏はアルフレッド・ブレンデルがふさわしい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番≪易しいソナタ2≫ト長調作品49の2:(P)クラウディオ・アラウ【音の粒立ちが良すぎて、うっとりする間に、印象無く終わった。】


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番≪易しいソナタ2≫ト長調作品49の2:(P)アニーフィッシャー【第2楽章を元気よく、テンポよく弾いているが、そよ風も欲しい。】

アニーフィッシャー



 21番ハ長調≪ヴァルトシュタイン≫Op.53:


 1803年(32歳)、11月から12月頃、『ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン伯爵≫』作品54を作曲。

 ヴァルトシュタイン伯爵は、ベートーヴェンの故郷ボン時代からの経済的支援者(パトロン)。1792年(21歳)にベートーヴェンが故郷ボンからウィ―ンへ出立する際に「モーツァルトの精神をハイドン先生から受け取りなさい」と助言された。

 しかし、ベートーヴェンがハイドン先生から学ぶべきものは少なかったらしい。それだけ、若いベートーヴェンは勉強していた。

 21番ハ長調≪ヴァルトシュタイン≫の第2楽章は出版前に、≪アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO.57≫と差し替えられたもの。


 1805年(ベートーヴェン34歳)、この21番ハ長調はヴァルトシュタイン伯爵に献呈された。この年の4月7日に交響曲≪英雄≫を公開演奏。


  この≪ヴァルトシュタイン≫は「ピアノのための英雄交響曲第3番」ともいわれる程、充実した作品。1803年(ベートーヴェン32歳)、難聴とともに模索していたベートーヴェンにパリ・エラール製の最新式ピアノが贈られ、これに刺激されて、輝かしくも壮麗なピアノ・ソナタが生み出される。ベートーヴェン自身は、その後も最新のピアノに熱中している。

  


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン≫ ハ長調 作品53:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤
ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン≫はアニーフィッシャーの演奏がふさわしい。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン≫ ハ長調 作品53:(P)エリー・ナイ【神の域】

エリー・ナイ【空前絶後】(音質は関係なく、演奏に圧倒される。)


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン≫ ハ長調 作品53:(P)クラウディオ・アラウ





クラウディオ・アラウ



 


作風の転換点となった2つのピアノ・ソナタ⇔第22番≪風変わりな、特異な≫と第23番≪熱情≫


 1802年~1805年は、作風の大転回点となる。


 第22番ヘ長調≪風変わりな、特異な≫Op.54は、交響曲第3番《英雄》が書かれた時期に作曲された。22番は風変わりな、特異な曲だ。しかも、明るい。ベートーヴェンのユーモアを思う?、と思わせるような曲。かなりベートーヴェンに似つかわしくないようにも聴こえる。

 演奏は、何色にも聞こえて、音質の抜群なリチャード・グッドかクラウディオ・アラウの演奏が聴きやすい。ケンプの演奏は、多数の旋律が良く聞こえる、不思議な演奏。演奏に間があり音も良い。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番 ≪風変わりな、特異な≫ヘ長調 作品54:(P)リチャード・グッド【音質・演奏が揃った名演】

 

リチャード・グッド【第1番と、この第22番はベストな演奏。】





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番 ≪風変わりな、特異な≫ヘ長調 作品54:(P)クラウディオ・アラウ

クラウディオ・アラウのCD盤


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番 ≪風変わりな、特異な≫ヘ長調 作品54:(P)ヴィルヘルム・ケンプ Rec.1965【名演】




ケンプのCD盤



23番ヘ短調≪熱情≫Op.57:

リヒテル
メロディアの貴重なCD


 1805年(34歳)春頃、『ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫』作品57を完成。

 

 交響曲第3番《英雄》が書かれた時期に作曲された。作風の転換点ともなったのが、この≪熱情≫。ベートーヴェンの三大ソナタとは≪悲愴≫、≪月光≫、≪熱情≫のことだが、レコード会社の宣伝広告用だ。≪熱情≫の第1楽章がベートーヴェンの苦悶、第2楽章が静かな反省、第3楽章がベートーヴェンの勝利、を表している。≪熱情≫はベートーヴェンの中期ピアノ・ソナタ作品群の頂点に立つ

この≪熱情≫の演奏も神様リヒテルが、決定的な演奏をしている。もし見つけたら買いだ。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)リヒテル【神の域】

スヴァトラフ・リヒテル
メロディアの貴重なCD



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)マレイ・ペライア【逆転ホーマー的演奏、ピアノの粒立ちが心地よい】

マレイ・ペライア



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)グレン・グールド

グレン・グールド

♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調 作品57≪熱情≫は、グールドの行った「伝統破壊」の中でも最も有名なものといわれる。重苦しいテンポで弾かれた第1楽章は多くの批判を呼んだ。グールド自身、そのライナーノートで「なぜこの曲に人気があるのかがわからない」など、この曲への嫌悪感を表明している。







ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)マウリツィオ・ポリーニ【ステージでの凄演】CDは買いではない。


マウリツィオ・ポリーニ
ベートーヴェン全集

これで巨匠になった!
(好・が別れる盤)

マウリツィオ・ポリーニ




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)エリー・ナイ


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)ファジル・サイ


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫へ短調 Op 57:(P)アルフレッド・ブレンデル


他、多数ある。23番≪熱情≫はベートーヴェン・ピアノソナタ演奏の指標になる。本気で鑑賞するなら若い演奏家は避けたほうが良い。



●三つの長調の曲⇔第24番嬰ヘ長調≪テレーゼ≫・25番ト長調≪かっこう≫・26番変ホ長調≪告別≫


1809年(38歳)、『ピアノ・ソナタ第24番≪テレーゼ≫』作品78と『ピアノ・ソナタ第25番≪かっこう≫』作品79を作曲。翌年に第26番≪告別≫作品81を作曲。


 ≪テレーゼ≫は、≪熱情≫を作曲した4年後に作曲される。作曲者が生涯にわたり友情を育んだ伯爵令嬢、ピアノの教え子でもあったテレーゼに捧げられた曲。

 第24番から第26番まで3曲続けて聴きたい。



24番嬰ヘ長調≪テレーゼのために≫Op.78:

テレーゼと婚約まで行ったベートーヴェン。4年後に婚約解

消。二人は生涯独身に終わる。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 作品78≪テレーゼ≫:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤がふさわしい。
ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 ≪テレーゼ≫はアニーフィッシャーの演奏がふさわしい。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 作品78≪テレーゼのために≫:(P)クラウディオ・アラウ


クラウディオ・アラウ



25番ト長調≪かっこう≫Op.79:

カッコウの感じが出る演奏が良い。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79≪かっこう≫:(P)アニーフィッシャー【名演】カッコウの鳴き声に聴こえる。

ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 ≪かっこう≫はアニーフィッシャーのCD盤がふさわしい。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79≪かっこう≫:(P)クラウディオ・アラウ


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79≪かっこう≫:(P)エミール・ギレリス【名演】

エミール・ギレリス
【ポリーニのように異常にテンポが速すぎなくて、
ギレリスのテンポがちょうど≪カッコウ≫には良い。】



26番変ホ長調≪告別≫Op.81a:

ベートーヴェンの五大ソナタなら≪悲愴≫、≪月光≫、≪熱情≫、≪葬送≫そして、この≪告別≫。

 第26番変ホ長調≪告別(ナポレオンがウィ―ン侵攻のため、ルドルフ大公殿下がウィ―ンを離れた際の別れ)≫の表題は、ベートーヴェン自身が第1楽章の草稿に書いたもの。第2楽章は≪不在(ルドルフ大公殿下のウィ―ン不在の期間をさす)≫、第3楽章は≪再会(敬愛するルドルフ大公殿下帰還)≫と書き込まれている。


ベートーヴェンが作曲を伝授した弟子・友人であるルドルフ大公殿下。
20年間親交をを深め、ベートーヴェンは彼から年金を貰った。
お互いに作曲した作品を献呈しあっている。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番≪告別≫変ホ長調作品81-a:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャー






ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番≪告別≫変ホ長調作品81-a:(P)クラウディオ・アラウ


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番≪告別≫変ホ長調作品81-a:(P)ダニエル・バレンボイム


ダニエル・バレンボイム
【演奏の印象はギレリスに似ている、しかし、
この26番告別のベートーヴェンの音楽はバレンボイムが良い、
自分に合っている。】


27番ホ短調Op.90:

2楽章形式。

全32曲中、唯一のホ短調の作品。

 1814年(43歳)8月16日、『ピアノ・ソナタ第27番』作品90を完成。

 ベートーヴェンの伝記を書いたシンドラーによると、このころのベートーヴェンは作曲は充実期に入っていたが、回復が望めなくなった耳の病と経済的困難と結婚への望みが絶たれた頃で、ベートーヴェンは第1楽章に「頭と心臓の闘い」、第2楽章に「恋人との対話」と書くべきものだと、シンドラーに語ったという。


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 作品90:(P) アニー・フィッシャー

ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調はアニーフィッシャーのCD盤がふさわしい。




●円熟期(晩年)の2つのピアノ・ソナタ1816年~1818年

 第28番≪ドロテア・チェチリア(女性)≫イ長調作品101第29番≪ハンマークラビア≫変ロ長調作品106を完成。

どちらも4楽章形式の大曲。


 

1818年(47歳)、ロンドンのブロードウッド社から贈られた6オクターブの音域を持つ最新式のピアノが贈られる。このピアノで第29番は作曲している。


  この2つのピアノ・ソナタは円熟期のベートーベンの作品。第28番作曲の後すぐに、演奏時間が最大の曲である第29番≪ハンマークラビア≫に取り掛かる。どちらも曲想が難解なので分かりやすい演奏が良い。


 全32曲ある中でソナタ形式(4楽章形式)の作品は全10曲ある。その中で、第29番≪ハンマークラビア≫が最後のソナタ形式(4楽章形式)となる。


28番≪ドロテア・チェチリア≫イ長調Op.101:



ベートーヴェン:ピアノソナタ第28番〘ドロテアチェチリア〙イ長調 作品101:(p)ブレハッチ【ノーべル賞級】

ピアノソナタ第28番はブレハッチの演奏がふさわしい。





ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番≪ドロテア・チェチリア≫イ長調 Op. 101:(P)アニー・フィッシャー


アニーフィッシャーのCD盤




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番≪ドロテア・チェチリア≫イ長調 Op. 101:(P)タチアナ・ニコラーエワ





タチアナ・ニコラーエワ
ベートーヴェン全集
【多少、ピアノの反響感あり】







最晩年の4っつのピアノ・ソナタ:諦観・哲学・幻想・柔軟・・・が演奏には必要。≪第28番あたりから後期のピアノ・ソナタ作品に入る。≫


29番≪ハンマークラビア≫変ロ長調Op.106:

 4楽章形式。


 1817年(47歳)の秋から書き始められ、翌1818年の9月に完成。1819年9月に≪ハンマークラヴィーアのための大ソナタ≫と題して出版された。 

 ルドルフ大公に1819年(49歳)に献呈。29番が≪ハンマークラビア≫となったのは、作品101≪ドロテア・チェチリア≫以降のピアノ作品には必ず「ハンマークラヴィアのための」を記すようにしたため。

 ベートーヴェンのピアノ・ソナタで一番長い演奏がこの第29番変ロ長調≪ハンマークラビア≫であり、2番目に長い演奏は第4番変ホ長調

 最も演奏時間の長い≪ハンマークラビア≫は、シンフォニック(交響楽的)な作品のためピアニストにとって難解な曲の1つ。空前の大ソナタとなった。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 ≪ハンマークラビア≫変ロ長調作品106:(P)アニー・フィッシャー

アニーフィッシャーのCD盤がふさわしい。【ピアノソナタ全32曲は常にこの人だ】
【一生の宝物になる盤】



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 ≪ハンマークラビア≫変ロ長調作品106:(P)タチアナ・ニコラーエワ


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 ≪ハンマークラビア≫変ロ長調作品106:(P)アルフレッド・ブレンデル:1970年録音盤


アルフレッド・ブレンデル


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 ≪ハンマークラビア≫変ロ長調作品106:(P)スヴァトラフ・リヒテル

スヴァトラフ・リヒテル【神の域】




●ここから、最晩年の3っつのピアノ・ソナタに入る。ピアノ・ソナタの旅も終盤だ。


 個人的に最も好きなベートーベンの後期ソナタの3っつグールドの演奏で3曲を通して聴くことが多い。グレン・グールドの演奏は歌謡性が多く、気構えることなく音楽を楽しんで鑑賞できる。これで物足りない時はアニー・フィッシャーの演奏が音質・演奏共に良い。また音質的に厳しいがバックハウス、ケンプの演奏も良い。特にニコラーエワ、スヴァトラフ・リヒテルは好みだ。比較視聴しながら楽しみたい。

 これら3曲中、第32番だけが2楽章形式をとる。この曲をもってベートーヴェンのピアノ・ソナタの旅も終わる。

 この後のピアノ作品には、≪ディアベリの主題による33の変奏曲≫作品120などが続く。


30番ホ長調Op.109:

細くて暗い小道から、急に明るく輝く風景に出会う・・・。



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109:(P)グレン・グールド【ノーベル賞級】

グレン・グールド



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109 :(P)スヴァトラフ・リヒテル


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109 :(P)アニーフィッシャー


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109 :(P)マレイ・ペライアステージでの凄演】


マレイ・ペライア



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109 :(P)アルフレッド・ブレンデル


アルフレッド・ブレンデル【ノーベル賞級】


 

31番変イ長調Op.110:

彷徨いながら、また同じ道に来てしまう・・・




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110:(P)グレン・グールド【ノーベル賞級】

   

グレン・グールド


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110:(P)アニーフィッシャー

アニーフィッシャー
ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110:(P)マウリツィオ・ポリーニステージでの凄演】

マウリツィオ・ポリーニ



ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110:(P)スヴァトラフ・リヒテル

スヴァトラフ・リヒテル【歴史的名演】

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110:(P)アルフレッド・ブレンデル【ノーベル賞級】


アルフレッド・ブレンデル【ノーベル賞級】


32番ハ短調Op.111:

全ピアノソナタの頂点に燦然と君臨する曲。曲想はショパン:ポロネーズ第4番に近い。




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ホ短調Op. 111:(P)マウリツィオ・ポリーニステージでの凄演】






            ステージ上のマウリツィオ・ポリーニ(演奏終了直後の姿)
【音質と演奏が揃った、危うく体がばらばらになりそうな凄演】






















ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111:(P)グレン・グールド【ノーベル賞級】








ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111:(P)アニーフィッシャー






ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ホ短調Op. 111:(P)タチアナ・ニコラーエワ【連続演奏会・ライブ録音】




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111:(P)スヴァトラフ・リヒテル




ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番ホ短調Op. 111:(P)アルフレッド・ブレンデル





●≪パルティータ(変奏曲)、その他のピアノ小品≫:


 ベートーヴェンは変奏曲(パルティータ)の天才で多くの変奏曲を作曲した。

 1823年(52歳)4月、ピアノ独奏のための≪ディアベリ変奏曲の主題による33の変奏曲≫作品120が完成。

 数ある変奏曲の中で、ベートーヴェンの≪ディアベリの主題による33の変奏曲≫作品120が頂点と言われている。

 ディアベリ変奏曲は、ぜひマレイ・ペライアの演奏で聴きたい。これが最後のピアノ作品の最後の旅だ。


ベートーヴェン: ≪トルコ行進曲≫による6つの変奏曲 ニ長調 Op. 76(P)アルフレッド・ブレンデル


ベートーヴェン: ≪バガテル(ピアノ小品集)≫:Op. 33 & 126:(P)グレン・グールド


ベートーヴェン:『わが心はうつろになりて』の主題による6つの変奏曲 WoO.70:(P)アルフレッド・ブレンデル


ベートーヴェン:≪エロイカ変奏曲 変ホ長調≫:(P)グレン・グールド


ベートーヴェン:≪トルコ行進曲≫ Op.76 ニ長調  (P)キーシン 


ベートーヴェン:アルバムの綴り イ短調 WoO.59≪エリーゼのために≫:(P)エリー・ナイ


ベートーヴェン:アンダンテ・ファヴォリ ヘ長調 WoO.57:(P)エリー・ナイ


ベートーヴェン自身が使ったピアノ(独逸語:ハンマークラヴィア)



ベートーヴェン:≪ディアベリの主題による33の変奏曲≫作品120:(P)マレイ・ペライア


マレイ・ペライア
注目のピアニスト



ベートーヴェン:イギリス国歌≪ゴッド・セーブ・ザ・キング≫による7つの変奏曲 作品78:(P)アルフレッド・ブレンデル


ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ≪選帝侯ソナタ第1番≫ 変ホ長調 WoO 47 no.1:(P) ギレリス1985年::(ベートーヴェン13歳)【選帝侯ソナタは3曲あるが、演奏会では皆無。】



アニー・フィッシャー
ベートーヴェン全集
リチャード・グード

スヴァトラフ・リヒテル【神の域】


グレン・グールド
 ベートーヴェン全集
エリー・ナイ

                                



マレイ・ペライア
注目のピアニスト


リヒテル【神の域】
メロディアの貴重なCD



アルフレッド・ブレンデル
1970年代のステレオ録音

エリー・ナイ
【一生の宝物になる盤】




タチアナ・ニコラーエワ
ベートーヴェン全集
【多少、ピアノの反響感あり】



アルフレッド・ブレンデル
ベートーヴェン全集


クラウディオ・アラウ






ファジル・サイ:独自性のベートーヴェン













                【画像は順不同に満載】






ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全32作品【鑑賞ガイド完全版】


●初期ピアノ・ソナタ -情熱あふれる若きベートーベンの軌跡

◎ 1793–1801 初期

第1番ヘ短調Op.2-1

01-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 作品2の1 :(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978 若しくは (P)グレン・グールド【神の域】

 

ベートーベンの憧れの作曲家、モーツァルトの《交響曲第25番》の旋律によく似た主題が出てきます。フィナーレは、この時代のヘヴィ・メタルともいえる、若く野性味あふれた音楽です。

 

第2番イ長調Op.2-2

02-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第2番イ長調作品2の2:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978 若しくは (P)グレン・グールド

 

ベートーベンにとってピアノ・ソナタは自身の実験の場でもありました。この作品には、オーケストラの音を連想させるような部分が垣間見えます。

 

第3番ハ長調Op.2-3

03-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978 若しくは (P)グレン・グールド

 

冒頭の、木陰から小動物がひょっこり顔を出すようなかわいらしさが印象的です。第4楽章は、三和音の水平移動による軽やかな駆け上がりが、ストラヴィンスキーの《ペトルーシュカ》を想起させます。

 

第4番変ホ長調「最初の傑作、大きなソナタ」Op.7

04-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 作品7:(P)マウリツィオ・ポリーニ2012年

リーツラーは作品7のソナタをベートーヴェンの「最初の傑作」と呼んでいる。ベートーヴェンはフランス語で「大きなソナタ」であると「独立した作品番号」を作曲者自身がつけている。同音連打の使い方が見事な傑作楽曲です。第1楽章冒頭はすでに後年の“ワルトシュタイン”を思わせます。一方、第4楽章冒頭の属音の同音連打は、まるで異空間から演奏途中の音楽がフッと現れたような不思議な感覚がします。

 

第5番ハ短調「小悲愴」Op.10-1

05-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番≪小悲愴≫:(P)グレン・グールド【神の域】

 ハ短調というこの作曲家を象徴する調と、付点のリズムが目立つ力強さは、我々がイメージする“ベートーベン像”そのものではないでしょうか。ほかの演奏家が伝統的な演奏になっているところをグールドの演奏する「真の天才の個性」第2楽章のアダージョ・モルトがきわめて美しい。

 

第6番ヘ長調「5月の美しい庭」Op.10-2

06-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6番:ヘ長調作品10の2:(P)グレン・グールド

 個人的に大好きな曲だ。もちろんグールドのベストな演奏だが、いかにも自由に楽しく没入して演奏している。まさにこれが逆転ホーマー的演奏だ。呼びかけと応答の印象的な冒頭を経て、上行するバスに乗ってしなやかで美しい旋律が現れます。第2楽章もまた、暗い地中から美しい草花が徐々に顔を出すよう。

 

第7番ニ長調「壮大にして重要な」Op.10-3

07-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第7番≪壮大にして重要な≫ニ長調作品10の3:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978

 

第1楽章のユニゾンの冒頭、第4楽章の断片的な冒頭、冒頭を聴いただけでは何が始まるのか分からない、不思議な魅力のある楽曲です。第2楽章は、これ以上ないほどに暗く重い曲です。

 

第8番ハ短調「悲愴」Op.13

08-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番《悲愴》:(P)リヒテル 若しくは アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978 若しくは (P)グレン・グールド

 

グラーヴェの重く暗い序奏を持つ、言わずと知れた名曲です。ベートーベンの全曲の中でもこれ以上ないほど優しく美しい第2楽章をはじめ、全曲にわたって魅力的な楽曲です。

 ソナタ形式は基本的に提示部・展開部・再現部の3部構成ですが、大曲の場合には「序奏」が入ることがあります(もちろんソナタ形式では序奏がない場合も多々ある)。 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」第1楽章では、重々しい音で1分以上にわたり序奏が入ります。非常に斬新な切り口。しかもこの序奏が展開部で調を変えて登場し、さらに序奏のフレーズが最後のコーダにおいても形を替えて登場する。作曲家はいろんな意図で序奏をつけているのだろうが、このベートーヴェンの悲愴のように序奏に重きを置いている曲もあるのです。「序奏」はイントロとしての役割だけでなく、曲に勢いをつけるまさに「助走」なのです。

 

 

第9番ホ長調“優美"Op.14-1

09-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14の1:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978

「悲愴ソナタ」ほど、それほど劇的ではない主題への転換を示すのが第9番ホ長調“優美"Op.14-1と第10番ト長調「対話」Op.14-2の二つのソナタである。第8番とうって変わって、しなやかで優雅な曲想です。秋を感じさせます。

 

第10番ト長調「対話」Op.14-2

10-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10番≪対話≫ト長調作品14の2:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978

第9番が“優美”なら、この第10番は“甘美”。第2楽章の行進曲風緩徐楽章は、チャイコフスキーにも通ずるところがあります。

 

第11番変ロ長調「大ソナタ」Op.22

11-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11番 ≪大ソナタ≫変ロ長調 作品22:(P)リチャード・グード

 ソナタ形式を習得したことに対するベートーヴェンの強い自信が現れた作品で、ベートーヴェン自身が特に誇りとしていた。彼は出版社に向けて「このソナタは成長しました」と記している。ウイリアム・S・ニューマンもこのソナタの中に「メンデルスゾーンに先立つ新しい魅力と優美さ、それにイタリア風の抒情性」を見出している、と記している。

 リチャード・グードの弾くピアノはコロコロとした高音が特徴的だ。おそらくベートーベンの32のソナタの中でベスト演奏だろう。雄大で充実した作品だ。一方で第4楽章にはキャバレー音楽のような部分もあります。

 

第12番変イ長調「葬送行進曲」Op.26

12-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第12番≪葬送≫変イ長調作品26:(P)マウリツィオ・ポリーニ:ライブ録音

作品26≪葬送≫、27-1≪幻想風≫,27-2≪月光≫という次の作品グループによってベートーヴェンは伝統的なソナタ多楽章形式から離れて、より自由な表現を与えることができるように、また全体のクライマックスを最終楽章に置くことができるようになった。これ等の三曲はどれも冒頭にソナタ形式によるアレグロ楽章をもっていない。第一楽章のソナタ形式というものは「想像力に身をゆだねたりするだけでなく、完全な自由をもって即興する」欲求をくい止める役割を持っていることに気づいた。そのために作品26、27-1,27-2という次の作品グループは前奏や導入を必要としたのである。ベートーヴェンは第一楽章の中に、ある一つの着想の流れに自分自身を束縛することに我慢ならなくなったのである。第12番変イ長調「葬送行進曲」作品26は第3楽章に葬送行進曲を置いた名曲。ソナタ形式の楽章が一つもなく、第1楽章には美しい主題の変奏曲が配置されています。

 

第13番変ホ長調「幻想曲風ソナタ」Op.27-1

13-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第13番≪幻想風≫ 変ホ長調 Op.27-1:(P)アニー・フィッシャーStudio recording1977-1978 若しくは (P)グレン・グールド

 

ここでは各曲が夢のような即興性を帯びたゆっくりした導入楽章で始まり、次にスケルッツオの間奏が入り(作品27-1≪幻想曲風ソナタ≫では抒情的なアダージョ楽章が入る)、そしてどの曲もクライマックスとなる急速な楽章によって閉じられることになる。作品27-2≪月光≫の場合には、最終楽章は、もはやロンドではなく、十分に成熟したソナタ形式の楽章になっている。作品27-1≪幻想曲風ソナタ≫は第2楽章のしなやかさと勢いが同居した不思議な世界観が光ります。各楽章がそれぞれ明確な色を持っています。

 

第14番嬰ハ短調「月光」Op.27-2

14-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番≪月光≫ 嬰ハ短調 Op.27-2:(P)ファジル・サイ(ライブ録音) 【神の域】若しくは ヴィルヘルム・ケンプ Rec.1965 若しくは (P)グレン・グールド

 

クライマックスとなる急速な楽章によって閉じられることになる。最終楽章は、作品27-2≪月光≫の場合に、もはやロンドではなく、十分に成熟したソナタ形式の楽章になっている。第2楽章のミステリアスな雰囲気と硬質な雰囲気が同居した不思議な世界観が光ります。各楽章がそれぞれ明確な色を持っています。

 作品27-1≪幻想曲風ソナタ≫によって新しい衝動や楽想を表現する可能性を探ろうとするベートーヴェンの試みは1801年に終わったわけではなく、のちにもう一度この方法を取り上げることになる。しかしベートーヴェンの創作の旅におけるこの時点で、別の仕事に向かっていた。ベートーヴェンは作品28≪田園≫の静かで内省的なソナタによってー彼の生涯では結局この作品が最後になったのだがー通常の四楽章のソナタ形式に戻り、その中に情緒の重みを伝統的な手法で配置した。劇的なものの成就を懸命に追及するベートーヴェンの多くの作品の場合と同様に、この作品28≪田園≫のソナタも、困難を極めた創造的な努力が成就することから得られる安らぎを祝福し、そして、それなりに伝統主義に戻っているが、そこからベートーヴェンは逆に次の新しい創造性の大きな飛躍に向かうための「強さ」を獲得するのである。

 

第15番ニ長調「田園」Op.28

15-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第15番≪田園≫ ニ長調 Op.28:(P) ヴィルヘルム・バックハウス 1961年録音(デッカ)

具体的な描写はないものの、この愛称からか、雨のポツポツという音や鳥の声、バグパイプの音が聞こえてくるようです。上機嫌なベートーヴェンといった感じです。

 ベートーヴェンは作品28≪田園≫の静かで内省的なソナタによってー彼の生涯では結局この作品が最後になったのだがー通常の四楽章のソナタ形式に戻り、その中に情緒の重みを伝統的な手法で配置した。劇的なものの成就を懸命に追及するベートーヴェンの多くの作品の場合と同様に、この作品28≪田園≫のソナタも、困難を極めた創造的な努力が成就することから得られる安らぎを祝福し、そして、それなりに伝統主義に戻っている.

 ●中期ピアノ・ソナタ -脂ののった“傑作の森”

◎1802–1813 中期

 

第16番ト長調Op.31-1

16-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 Op.31-1:(P)グレン・グールド

1803年33歳作で、品31-1,2を出版した。よくピアノの演奏会で聞かれる曲だ、陽に向かう楽しめる名曲です。個人的に好きなな曲に入る。第1楽章はベートーベンらしい面白さとノンストップさを楽しめます。第二楽章は更に面白さと楽しさが増す。

 

 

第17番ニ短調「テンペスト」Op.31-2

17-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番≪テンペスト≫:(P)Wilhelm Kempffヴィルヘルム・ケンプ:最高のライブ 【神の域】若しくは (P)ポール・ルイス  (P)グレン・グールド

 

第二楽章アダージョは8分以上の長くて美しいアダージョである。ケンプもグールドもポール・ルイスも急がず騒がず良く弾けている。

“テンペスト”とは嵐を意味しますが、その名の通り嵐のように激動の音楽です。

 

 

第18番変ホ長調「狩」Op.31-3

18-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第18番≪狩り≫変ホ長調作品31の3:(P)グレン・グールド 若しくは (P)クラウディオ・アラウ 

「II7」の和音で始まり、主和音が現れるのは8小節目でやっと、という不思議な曲です。付点のリズムが非常に愛らしく、明るく、そのモチーフは全曲を統一しています。第16番ト長調Op.31-1と似た曲想でベートーベンらしい面白さとノンストップさを楽しめます。個人的に大好きな曲の一つです。

 

 

第19番ト短調「やさしいソナタ1」Op.49-1

19-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第19番 ≪やさしいソナタ1≫ト短調 作品49の1:(P)アニー・フィッシャー

比較的易しい曲で、子どものピアノ演奏会でもよく耳にする曲です。2楽章から成る短い曲です。

 

 

第20番ト長調「やさしいソナタ2」Op.49-2

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第20番≪やさしいソナタ2≫ト長調作品49の2:(P)ヴィルヘルム・ケンプ Rec.1965

19番と同じく、こちらもピアノの発表会でよく耳にします。2楽章から成る短い曲です。第20番は、10番、16番、25番と同じくト長調の曲で、明るくかわいらしい、心の落ち着く名曲です。最後の第2楽章はアンコール曲として良く演奏されます。

 

第21番ハ長調「ワルトシュタイン」Op.53

21-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番≪ヴァルトシュタイン≫ハ長調 作品53:(P)ウラジミール・ホロヴィッツ1974年【神の域】
同音連打に乗って、何かが始まりそうなワクワクする主題で幕を開けます。終楽章は、広大な大地に立っているような気持のする感動的な音楽です。

 

第22番ヘ長調『秋の印象派』Op.54

22-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調Op.54 :(P)ヴィルヘルム・ケンプ Rec.1965

《フィデリオ》や《英雄》などの大曲が書かれた時期に作られた、2楽章から成る小品です。第2楽章は湧き上がるようなモチーフと、ひらひらと落ちていくようなモチーフによって全曲が形作られ、まるでフランス印象派のような雰囲気の曲です。

 

第23番ヘ短調「熱情」Op.57

23-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第23番≪熱情≫:(P)リヒテル【神の域】若しくはアニー・フィッシャー

 静寂と爆発の対比が実に繊細に計算しつくされた名曲です。第3楽章は、炎の中で悪魔が踊るような音楽です。

 

第24番嬰ヘ長調「テレーゼ」Op.78

24-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第24番 嬰ヘ長調 作品78≪テレーゼのために≫:(P)アニーフィッシャーStudio recording1977-1978

作曲者が生涯にわたり友情を育んだ伯爵令嬢、テレーゼに捧げられた、深い喜びを感じる曲です。

 

第25番ト長調「かっこう」Op.79

25-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79≪かっこう≫:(P)ファジル・サイ 若しくは (P)ヴィルヘルム・バックハウス  1954年3月30日ニューヨーク〈ライヴ・レコーディング〉〈モノラル録音〉

3度による飛び跳ねるようなモチーフが散りばめられた楽しい第1楽章です。確かに鳥の囀りのような、鳥の会話のように聴こえる部分もあります。第3楽章は、楽しくエキゾチックな音楽です。全体的にわずか9分余りの演奏時間であるが、本当にベートーベンの引き出しの多さを感じさせられます。

 

第26番変ホ長調「告別」Op.81a

26-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第26番≪告別≫変ホ長調作品81-a:(P)ヴィルヘルム・バックハウス  1954年3月30日ニューヨーク〈ライヴ・レコーディング〉〈モノラル録音〉【神の域】若しくは(P)クラウディオ・アラウ

冒頭の下行の3音に「Le-be-wohl(告別)」という歌詞が付けられています。この3音は“告別の動機”として、後世の作曲家も暗喩として使っています。

 

●後期ピアノ・ソナタ-円熟期のベートーベンが残した音楽の新たな境地

◎1814–1827 後期

 

第27番ホ短調Op.90

27-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 作品90:(P)スヴャトスラフ・リヒテル:【ラベル】プラガ

激しい闘争心を感じる第1楽章と、楽観的な第2楽章という対照的な2つの楽章による作品です。

 

◎百番台と言われる後期の5つ

 

第28番イ長調「ドロテア・チェチリア」Op.101

28-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第28番≪ドロテア・チェチリア≫イ長調 Op. 101:(P)スヴャトスラフ・リヒテル:【ラベル】プラガ

ブレハッチが常に「ベートーヴェンは生きる意味を問いかける」と話すベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番イ長調。ブレハッチの演奏も良い。

 ベートーベンの後期5作品には人を寄せ付けない深みと掴みどころのなさがありますが、第2楽章の行進曲はシューマンの《交響曲第3番「ライン」》を髣髴とさせるような親しみやすさがあります。やはり、リヒテルの演奏は曲の常に本質を突いていて安心感がある。

 

第29番変ロ長調「ハンマークラヴィーア」Op.106

29-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 作品106≪ハンマークラビア≫:(P)アルフレッド・ブレンデル:ライブ録音【王者のような演奏】

45分余りの言わずと知れた長いソナタで、第三楽章のアダージョだけで一曲分くらいあります。理解するのに難解な曲で、コンサートの曲にのぼるようになったのは今世紀に入ってからである。弾きこなせるピアニストも少なく、長く鑑賞する気になれなかったが、ブレンデルは良い演奏をしている。

 高い技術と想像力を駆使して、ピアノという楽器が出せる表現を極限まで引き出しています。第4楽章のフーガは、後の《大フーガ》を思わせます。

 

 

第30番ホ長調Op.109

30-ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ: 後期3大ピアノ・ソナタ op. 109, 110, 111 :(P)アニーフィッシャーStudio recording1977-1978

若しくは、マウリツィオ・ポリーニ:1998年4月25日に東京でライブ【神の域】

個人的に最も好きなベートーベンのソナタです。強風、弱風、そよ風の流れるような、季節の移ろうような変化に富んだ第1楽章に続き、真逆の対照的な美しい第2楽章。そして、ドイツ哲学ような、バッハの《ゴルトベルク変奏曲》のような第三楽章の終楽章に、沈積して行く。

ベートーベンの後期5作品中、特に「後期3大ピアノ・ソナタ op. 109, 110, 111」 は三曲で一つの作品と、とらえた方が良い。まさに、別格のピアノソナタ、ピアノ曲の頂点といえる。

 

第31番変イ長調Op.110

:(P)アニーフィッシャーStudio recording1977-1978

若しくは、マウリツィオ・ポリーニ:1998年4月25日に東京でライブ【神の域】

 

終楽章にフーガを配する革新的なソナタ。そのフーガ主題は第1楽章の冒頭ですでに暗示されています。

 

第32番ハ短調「さよならフーガ」Op.111

:(P)アニーフィッシャーStudio recording1977-1978

若しくは、マウリツィオ・ポリーニ:1998年4月25日に東京でライブ【神の域】

 

後年のベートーベンを印象付けるものは、フーガと変奏曲です。この最後のピアノ・ソナタもまた、最終楽章は大規模な変奏曲に拠っています。びっくりするのは第3変奏。現代の人が冗談でジャズに変奏したのかと思ってしまいます。

 

 

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全作品

◎1770–1792 ボン時代

選帝侯ソナタ 変ホ長調 WoO. 47-1

選帝侯ソナタ ヘ短調 WoO.47-2

選帝侯ソナタ ニ長調 WoO.47-3

 

◎1793–1801 初期

ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 作品2–1

ピアノ・ソナタ第2番 イ長調 作品2–2

ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 作品2–3

ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調 作品7

ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 作品10–1「小悲愴」

ピアノ・ソナタ第6番 ヘ長調 作品10–2

ピアノ・ソナタ第7番 ニ長調 作品10–3

ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調 作品13《悲愴》

ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14–1

ピアノ・ソナタ第10番 ト長調 作品14–2 ≪対話≫

ピアノ・ソナタ第11番 変ロ長調 作品22 ≪大ソナタ≫

ピアノ・ソナタ第12番 変イ長調 作品26《葬送》

ピアノ・ソナタ第13番 変ホ長調 作品27–1《幻想風》

ピアノ・ソナタ第14番 嬰ハ短調 作品27–2《月光》

ピアノ・ソナタ第15番 ニ長調 作品28《田園》

◎1802–1813 中期

ピアノ・ソナタ第16番 ト長調 作品31–1

ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 作品31–2《テンペスト》

ピアノ・ソナタ第18番 変ホ長調 作品31–3 ≪狩り≫

ピアノ・ソナタ第19番 ト短調 作品49–1

ピアノ・ソナタ第20番 ト長調 作品49–2

 

ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 作品51《ヴァルトシュタイン》

ピアノ・ソナタ第22番 ヘ長調 作品54

ピアノ・ソナタ第23番 へ短調 57《熱情》

ピアノ・ソナタ第24番 嬰へ長調 作品78《テレーゼ》

ピアノ・ソナタ第25番 ト長調 作品79《かっこう》

ピアノ・ソナタ第26番 変ホ長調 作品81a《告別》

◎1814–1827 後期

ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 作品90

ピアノ・ソナタ第28番 イ長調 作品101 ≪ドロテア・チェチリア≫

ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 作品106《ハンマークラヴィーア》

ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 作品109

ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 作品110

ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 作品111