「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」要約編
以下は私見ですが。。。
2020年は人類史上初の、どこかの研究所から誰かが、意図的か、非意図的か分かりませんが、地球上にばらまかれたウイルスになった。映画「ウイルスバスター」や小松左京の長編小説「復活の日」は、これを予見している。こんなことは2度としてはならない。
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吹雪のアルプス山中で遭難機が発見された。 傍には引き裂かれたジュラルミン製トランクの破片。 中には、感染後70時間以内に生体の70%に急性心筋梗塞を引き起こし、 残りも全身マヒで死に至らしめるMM菌があった。 春になり雪が解け始めると、 ヨーロッパを走行中の俳優が心臓麻痺で突然死するなど、 各地で奇妙な死亡事故が報告され始める―。 人類滅亡の日を目前に、残された人間が選択する道とは。 |
amazonの誰かのレヴュー:
2018年6月28日に日本でレビュー済み
日本SF界の偉大なる巨匠である 小松左京 氏が1964年に発表した初期の長編SF小説『 復活の日 』!
1980年には角川映画の超大作として 劇場公開 〈6・28〉され、映画史上初の南極ロケ敢行や主役の 草刈正雄 氏を始めとする日本を代表する俳優陣やヒロインの オリビア・ハッセー を始めとするハリウッドで活躍する外国の俳優陣による日米オールキャストの映画(近年の邦画でもこれほどの大規模な作品はない)としても話題を呼んだ作品である。
春先に突如として世界中に蔓延した“チベットかぜ”。しかし、その正体は氷点下では停滞するが温度が一度上昇するたびに異常な増殖をみせ、人類を含めた地球上のあらゆる脊柱動物を死に至らしめる「火星の殺人者(マーシアン・マーダラー Martian murderer)」の異名を持つ生物化学兵器として開発された「MM‐88」だった。
生物兵器「MM‐88」は爆発的な勢いで世界各地で猛威をふるい、瞬く間に全世界35億の人類は滅亡した。南極基地に駐在する一万人を残して…。
2003年にアジアを中心に拡大したSARS、2009年に日本でも猛威をふるった新型インフルエンザなど、こうしたニュースが報道されるたびに思い出すのが『 復活の日 』だ(この映画の影響でインフルエンザが社会問題になるたびに絶対、どこかの国のバカな奴が細菌の輸送に失敗して被害が拡大したものだとばかり考えるクセがついた)。
映画『 復活の日 』は大好きな作品で今観ても色褪せる事のなく、よくぞコレを映画化できたものだと感心してしまう。
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映画自体はリバイバル上映(近年でも「角川映画祭」「東京国際映画祭」〈2016〉先月の渋谷シネパレス閉館の角川映画特集上映)されるたびに観ていたので映画のストーリーは覚えているのだが、原作自体は読んだのが実に23年ぶり(ちなみに前回読んだのが 生頼範義氏によるイラストカバー )だったので内容をすっかり忘れていた。このたび「新装版」が出版された事を機に久し振りに読みました(9年前には児童向けの ジュニア版 が出版され、内容もソフトに改変され、コレも意外と読みやすくて面白かった)。
地質学者で南極に駐在する日本観測隊員・吉住利夫(35歳、演:草刈正雄)、吉住の彼女で新聞記者である則子(演: 多岐川裕美 )、同僚観測隊員の機械技師・辰野(演: 渡瀬恒彦 )、原子力潜水艦ネーレイド号の艦長であるマクラウド大佐(演: チャック・コナーズ )、「南極最高会議」の議長であるコンウェイ提督(演: ジョージ・ケネディ )、吉住とともにARS阻止に動員するカーター少佐(演: ボー・スヴェンソン )、南極の科学ブレーンの一員でMM‐88のワクチンを研究するド・ラ・トゥール博士(演:セシル・リンダー)、突然発生した新種ウイルスに対応を迫るアメリカのリチャードソン大統領(演: グレン・フォード )、世界の危機的状況に乗じてARSを発動させようとするタカ派のガーランド将軍(演: ヘンリー・シルヴァ )、……など。
映画との比較でいえば、時代設定は原作が発表された1964年が映画では公開された1980年になっており、原作当時は35億だった世界人口は映画公開時では45億、そして現在では70億越えだからこの50年での人口増加の爆発が半端じゃない事がわかる(逆にそれを知って恐ろしくなってきた)。
映画では新種ウイルスを「イタリアかぜ」と表記していたが原作では「チベットかぜ」としている。
読んでいて思い出したのが、日本での描写で普段は満員電車の乗客が徐々に減っていき、芸能ニュースでも連日スターによる突然死や急病による興行の中止、スポーツでもプロ野球が選手たちの急病や観客の減少により、試合が中止になる様子が描かれていて、生活に身近なところからも影響を与えていることがわかる。
感想として、冒頭での潜水艦から死滅した屍が連なる故国(東京)の様子を見て悲しむ吉住、映画で幼い少年・トビーが無線で助けを求めるシーンや土屋医師(映画では 緒形拳 が熱演!)の「どんなことにも……終りはあるさ…。ただ……どんな終り方をするかが、問題だ」の名セリフは印象に残っているし(映画では土屋医師が見つめた先の金魚鉢の金魚が裏返しに浮んでいるシーンは衝撃的!)、南極での問題として子孫繁栄のために南極にいる1万人の男性に対して女性が16人(映画では863人の隊員のうち女性8人)が男性を受け入れなくてはいけないというツライ現実、そして本作の肝となる何よりも恐ろしい南極の人を脅かす核兵器「ARS(全自動報復装置 Automatic Revenge System)」を阻止する展開など基本的には原作に忠実に作られていたのだとわかった。
意外だったのが、映画のラストで吉住が一人放浪しながら崩れた教会に入り、倒れたキリスト像に向けて語りかける名シーンがあるのだが、これが原作にあるものだと思っていたら本作にはその場面がなくて、実は映画のオリジナルである事が判明して驚きだった。
ラストは本来なら人類を滅亡に向ける凶器が結果として地球を救う事になるというのはなんとも皮肉なのだが、そのあたり小松先生の上手いところでもあるのだ。
『復活の日』といえば、テーマ曲であるジャニス・イアン「 You are love 」を聴きながらOPとEDを見るとより一層映画の余韻が楽しめると思います。
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