「何も変えないことが、最も悪いことだ──。」
これはトヨタ自動車で海外展開を加速し、グローバル企業としての礎を作った奥田碩元会長の言葉です。
奥田氏は、機会あるたびに「解雇は企業家にとって最悪の選択。株価のために雇用を犠牲にしてはならない」と語り、「人間の顔をした市場経済」という言葉を掲げました。「人」の大切さと可能性を信じ続けた名経営者の一人です。
その“人を大切にする”トヨタ自動車で2017年、ある男性社員が上司のパワハラにより自殺に追い込まれるという由々しき事件が起きました。
男性は東京大大学院を修了して、15年4月に入社。
1年間の研修期間を経て、16年3月に同市の本社に配属された。
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トヨタ自動車の男性社員が上司のパワハラを苦に自殺したことを報じた毎日新聞の記事。豊田章男社長は遺族に謝罪した際、「(自殺を)ニュースで初めて知った」と語った=大阪市北区で2021年6月4日、滝川大貴撮影 |
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閉鎖された職場では、経験された人も多いはず。しかし、 トヨタのように外に漏れたのは良かった、と思いたい。 |
上司から翌月以降、繰り返し「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」
などと言われたほか、個室に呼び出されて
「録音してないだろうな。携帯電話を出せ」などと詰め寄られたこともあったという。
男性は翌年7月、「死んで楽になりたい」「もう精神あかんわ」などと周囲に漏らすようになり
同10月、社員寮の自室で自殺した。
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トヨタ自動車の男性社員が上司のパワハラを苦に自殺したことを報じた毎日新聞の記事。豊田章男社長は遺族に謝罪した際、「(自殺を)ニュースで初めて知った」と語った=大阪市北区で2021年6月4日、滝川大貴撮影 |
パワハラ被害を受けた男性は、東京大学大学院を修了後、2015年4月に入社。配属された部署で、直属の上司から「ばか、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと繰り返し言われ、個室に呼ばれた際には「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」と言われたそうです。
男性はその後、適応障害と診断され休職し、2016年10月に別の上司の下で復職。しかし、仕事で重圧がかかると手が震えるなどの状況が続き、2017年7月には両親に、「会社ってごみや、死んだ方がましや」とメールを送り、周囲にも「自殺するかもしれない。ロープを買った」「死んで楽になりたい」などと漏らしていました。
そして、2017年10月末、寮の自室で自殺。豊田労働基準監督署は2019年9月、パワハラと自殺の因果関係を認め労災認定し、2021年4月にトヨタと遺族側で和解が成立しました。
トヨタはこの事件を受け、2021年6月7日にトップ指導でまとめた「再発防止策」を発表し、「風通しの良い職場風土を築くよう努力を続ける」とコメント。「変えること」を選択したのです。
報道によれば、豊田章男社長は男性の労災認定が報じられた19年11月と今年4月の計2回、遺族と直接面会し、陳謝した上で、「(再発防止の)仕組みは作ったが完成ではなく、改善を続ける。二度とこうしたことを起こさせない」と述べたそうです。
パワハラ問題はこれまでも繰り返し書き続けていますが、パワハラは個人の問題ではなく「組織」の問題です。「組織的なパワハラ」であることをトップ自身が認め、組織改革を実行しない限り、パワハラは繰り返されます。それは「人」の軽視であり、カネと株価しか見ないトップが「人の命」を軽んじた末の愚行です。
冒頭の奥田氏は「リストラするなら経営者は腹を切れ」との名言を残しました。そのトヨタで、パワハラが繰り返し行われていたという事実は、極めて残念なことです。
しかし、今回豊田社長が自ら率先して防止策に乗り出し、「二度とこうしたことを起こさない」と遺族に約束したことは、生半可な気持ちでできることではありません。「絶対に変える」という覚悟を感じますし、後を絶たないパワハラ問題に「新しい風」をなることを期待したいと、個人的には思っています。願いも込めて。
一方で「パワハラと指導の境目が分からない」「部下を育てるのが難しい時代になってしまった」と嘆くトップが多いのも事実です。
私自身は、「パワハラがなくなれば会社や社員が元気になるのではない。会社も社員も元気な会社にはパワハラはない」が持論です。つまり、パワハラをなくすことと、社員のパフォーマンスを引き上げることは、全くの同義です。
そこで今回は、トヨタが公表したパワハラ対策の良い点と欠けている点から、「元気な会社」について考えてみようと思います。
2021年06月07日
労務問題の再発防止に向けた取り組みについて
お知らせ
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2017年に若手社員が亡くなるという痛ましい事案が発生しました。亡くなられた故人に対し改めてご冥福をお祈り申し上げ、衷心より哀悼の意を表します。
その後、2019年に豊田労働基準監督署による労働災害であるとの判断の中で、当時の上司によるパワーハラスメントを伴う行き過ぎた指導があったことが認められました。
当社としましては、大切な社員の尊い命が失われた事実を真摯に受け止め、このような痛ましい事案を再び起こさないよう、再発防止に向けた取り組みを検討、実施してまいりました。
当社は、今回お知らせする再発防止策を推進し、パワーハラスメントを断固として許さないという姿勢のもと、社員一人ひとりが周囲に関心を持ち、自分以外の誰かのために行動できる「YOUの視点」を持った人財づくりを進め、一人ひとりの社員が安心して働ける、風通しの良い職場風土を築くよう、努力を続けてまいります。
再発防止に向けた取り組み
「風通しのよい職場風土づくり」、「パワーハラスメント行為を行わないマネジメント」、「メンタルヘルス不調者に対する適切な対応」等の施策について取り組みを進め、社内から、パワーハラスメント行為の撲滅を目指します。
声を出しやすい職場づくりに向けた取り組み
令和2年4月に、これまでの相談窓口を「スピークアップ相談窓口」に統合し、匿名での通報、職場の同僚や家族など第三者からの相談も受け付けているほか、若手社員に対する毎月のアンケートの実施、職場の身近な相談先として、職場相談員の設置を進めております。こうした施策を通じ、従業員の困り事や、職場の課題を早期に発見・解決してまいります。
パワーハラスメントに対する厳格な姿勢を就業規則に反映
令和2年4月に就業規則を改定し、パワーハラスメントの禁止、およびパワーハラスメントを行った際の懲罰規定について、より明確に記載いたしました。
異動時における評価情報の引継ぎの強化
令和2年10月に、従業員の評価や、ポスト長の職場マネジメントに関するアンケート結果などの個人情報を一元管理するシステムを導入しております。これによって、過去の評価や人事情報を確認することが可能となり、今まで以上に本人の適性を踏まえた業務アサインを行い、過去から一貫性のある育成を実施してまいります。
マネジメントに対するパワーハラスメントの意識啓発
令和2年4月より、すべての幹部職・基幹職を対象に、パワーハラスメント防止の教育を再度実施しております。また、評価基準を見直し、今まで以上に「人間力」のある人材、周囲へ好影響を与え信頼される力を持つ人を評価します。加えて、役員、幹部職・基幹職を対象に、360度アンケートを導入いたしました。対象者の強み・弱みに関する周囲の声を集め、本人にフィードバックすることで、自らの行動を振り返り、改善につなげてまいります。
休務者の職場復職プロセスの見直し
令和2年5月より、休務者の状況把握、復職可否判断、職場復帰後の職場環境面を含むケアについて、産業医、人事労務スタッフ・職場がこれまで以上に緊密に連携し、本人のコメントや主治医の意見も踏まえ、円滑な職場復帰をサポートする体制を構築してまいりました。
また、産業医が、休務者のサポートや職場復帰後のフォローを適切に行うため、令和2年12月より、精神科専門医が常駐する相談センターを開設しました。対面又はオンラインによって、メンタル不調者や上司との面談を行い、その結果に基づいて、産業医に対し、専門的立場からのアドバイスを提供しています。
今後も、体制改善に向けて努力してまいります。
以上
さて、いかがでしょうか?
この取り組みは一言でいえば、「被害者が声をあげやすい環境づくり」と「加害者にならないための教育」の実践です。これはパワハラを生む悪しき状況を「変えること」につながるでしょうか?
結論からいえば、社員一人一人がトップと共に、「変えよう」と努力すれば変わります。「同僚」が積極的に相談し (上記1)、アンケートに本心で答え(同1、4)、自ら改善する努力(同4)をすれば、パワハラに涙する社員を減らすことは十分可能です。そういった意味では、とても有意義な対策だと思います。
しかし、この取り組みを実践しただけでは、「全ての社員が生き生きと元気に働く職場」になりません。
パワハラを警戒するあまり、
言ってはいけないと自分で決めつけたり、
言いたいことを言えなかったり、
聞きたいことを聞けなかったり、
話しかけることを意識的に止めてしまったり
……といった空気が職場にできてしまうと、高い志も熱意もなえ、成長も実感できないし、生産性も向上しません。
そもそも「言葉」は人を傷つけるためにあるわけじゃない。互いに分かり合い、互いを知り、共同体(=職場)で居場所を得て、よりハッピーになるために存在します。
つまり、パワハラ対策と同時並行で、全ての社員が、「自分のマイナスになるかもしれないことでも言える職場」「言いたいことが言えるチーム」づくりを進めることが必要なのです。
「こんなことを言ったら上司に叱られるのではないか?」
「こんな意見では同僚からばかにされるんじゃないか?」
「もっと立派なことを言わなきゃいけないんじゃないか?」
……といった不安をチームメンバーが抱かない空気を職場に作る。
これこそが「風通しの良い職場」であり、「全ての社員が生き生きと元気に働く職場」です。
もっとも、トヨタは「再発防止に向けた取り組み」を掲載したWebサイトの冒頭に、「一人一人の社員が安心して働ける、風通しの良い職場風土を築くよう、努力を続けてまいります」としているので、すでに風通しのいい職場づくりに励んできた、ということなのかもしれません。
しかし、今回の再発防止策は本当に十分なのでしょうか。例えば、「若手社員に対する毎月のアンケートの実施」(上記1)で十分なのでしょうか? 「全社員」に実施すべきではないでしょうか。「適性を踏まえた業務アサイン、過去から一貫性のある育成の実施」(上記3)だけでは、能力発揮の機会の喪失になる可能性もあります。
「不得意だと思っていたこと」「嫌いだと思っていたこと」などをやることで、自分でも気付かなかった「能力」が発揮されることは往々にあります。「適正がない」と信じているタスクに携わることで、「化ける人」だっているのです。
トヨタの再発防止策が効果を発揮するか否かは、多くのメディアが注目し、「他の企業の手本になるかもしれない」と期待されています。
なんといっても「世界のトヨタ」です! だからこそ余計に、「全ての社員が生き生きと元気に働く職場も目指しているんだな」と分かる具体的な対策も盛り込んでほしかった。
いずれにせよ、今後5年間、男性社員の遺族に再発防止の取り組み状況を報告するとトヨタは約束し、遺族は代理人を通じて「トヨタが本当に変わったといえるのか今後も注視したい」とコメントしています。
トヨタが「強い企業」だけではなく、「全ての社員が生き生きとしている企業」として、日本の象徴となることに、私自身、期待したいと思います。
◆10年で2倍…パワハラ増加の一途 防止法1年、効果に限界も
職場でのパワハラは今も後を絶たない。厚生労働省によると、全国の労働局に寄せられたパワハラに関する相談件数は右肩上がりに増加。2019年度は8万7570件で、10年度(3万9405件)の2倍超に達した。 (岸本拓也)
政府は2020年6月に改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)を施行。大企業にパワハラ禁止を就業規則に示すことや、従業員の相談窓口の設置、予防のための研修を義務づけた。2022年4月には中小企業にも拡大される。
違反企業には行政が是正指導や勧告し、従わない場合は企業名が公表される。ただ罰則や禁止の規定はなく、ハラスメントを刑事罰などの制裁付きで禁じる諸外国と比べると「甘い」運用と言える。2019年には三菱電機の新入社員がパワハラを苦に自殺。さらなる規制を求める声は根強い。
パワハラの労働相談を受ける「いじめメンタルヘルス労働者支援センター」(東京)には、防止法施行後も相談が相次ぐ。新型コロナウイルス禍でのテレワークの普及などで、対面でのパワハラに関する相談は減ったが、テレワークのテレビ会議中に上司から私生活のことを聞かれるなど、新たな相談事例も出ている。
センターの千葉茂代表は「法律でパワハラの社会的な認知が深まったことは前進だ。一方で何がパワハラに当たるかが依然として曖昧で、居直る企業もある。法改正で罰則規定を盛り込み、抑制効果を高める必要がある」と指摘する。
トヨタ、ブラック体質に社員から悲鳴…土曜に職場の飲み会、“自宅残業”が常態化:
日本を代表するリーディングカンパニーで発生したパワーハラスメント自殺が波紋を呼んでいる。毎日新聞などは昨年11月19日、「トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が2017年に自殺したのは、上司のパワハラで適応障害を発症したのが原因だとして、豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)が労災認定をした」と報じた。トヨタといえば、日本を代表するグローバル企業であり、手厚い福利厚生と働き方改革に率先して取り組むクリーンなイメージがある。新卒者の就職希望ラインキングでベスト10に入り続ける人気企業でもある。そんなトヨタに何があったのか。
復職後にパワハラ上司が斜め向かいの席に
各社報道によると、労災認定は昨年9月11日付。亡くなった男性は東京大学大学院卒で15年4月に入社。16年3月、本社(豊田市)の車両設計部署で働いていた。その後、男性は直属の上司から「ばか」「アホ」「死んだほうがいい」などと叱責を受け、同年7月に休職し、適応障害と診断された。10月に復職し、別のグループに異動したが、席の斜め向かいにはこの上司が座っていた。男性は「死にたい」と周囲に漏らすようになり、約1年後、社員寮で命を絶ったという。
そのうえで毎日新聞は次のように指摘する。
「同社社内の調査に対し、上司は暴言についておおむね認めたという。トヨタ側は、上司の言動が原因で男性が休職したことは認めたが、自殺との因果関係は否定していた。復職後の自殺は、通院を続けていないと、病気が治っていたと判断されて労災と認められにくいという。男性は通院をやめていたが、豊田労基署は、上司のパワハラで適応障害を発症し、自殺まで症状が続いていたと判断したとみられる」
パワハラの有無は部署による
一連の報道を受けて、当サイトではトヨタ自動車の複数の社員に職場の労働環境について聞いてみた。非技術職の女性は次のように話す。
「大きな会社なので、良い部署と悪い部署、良い上司といただけない上司がいます。そういう意味で、最初の配属がどこになるかで、ホワイト企業に入社したのか、そうではないのか感想が変わると思います。基本的にほぼグループ企業の方とのやりとりですべてが完結するので、外部を知るきっかけはあまりありません。社内におかしなことがあっても気が付かない風土なのかもしれません」
職場の労働環境について話をするならば、ホンダのように、EVに完全シフトして、社員が1つのことを目指したようには、トヨタはいかなかったんだな?ホンダの中心であるホンダ技術研究所は決して中国共産党国営企業とは組まずに、日本国内でEV電池もモーターも生産も工場も国内で開発しようとしている点が、トヨタとは全く違うな。ホンダのように生き生きとした社員が、生き生きとした自動車を作ることができるし、あと10年でEV車に完全変化する。2030年あたりのトヨタとトヨタに部品供給する日本電装(技術研究所は中国に移転してしまった)は、本当に大丈夫な会社なのか?疑問だ。2030年あたりには、ガソリン車は走ってはいるけど、ガソリン車の新車は生産しないので、そのための部品もだんだん縮小して、世界中のどの部品企業も倒産しているだろう。
フランス、ルノーのCEOが言っていたように、大学の研究者、民間企業、国家政府の首長の3者が一体となって初めて電気自動車を次世代カーにできる、と言ってましたね!しかも時間がないとも。
アメリカのバイデン大統領は200兆円の予算でアメリカ中に、EV用電気ステーションを何十万基も作るそうです。2022年内にはできるでしょう。それに比べて日本はEVに関しては何もしていないに等しい。日本の自動車産業は今後はすべて海外工場で研究もして、部品も海外で取り寄せて、海外の工場で生産ラインを立ち上げていくつもりです。しかしながら中国だけは節操のない、約束の概念がおかしな国であることを忘れず、恐れず、今や中国は「世界の工場」となってしまったのだから、ここで生産販売拠点を持つしかない。しかし、いつ、つぶされてもよい覚悟で、びくびくしながら、首をたれながら、最後は中国に骨をうずめる覚悟で起業家も、世界から移住した研究者も、そこで頑張るしかない。
また、同じくトヨタの非技術職の男性は以下のように語った。
「良い意味ですごくチームワークがある、悪い意味ですごく閉鎖的なコミュニティーという感じです。パワハラとかがあるかどうかは、本当に職場によるとしかいえません。ただ、ここまで大きな会社だと内部統制を効かせることは容易ではないだろうなと思います」
そんななか、少し気になる話も出てきた。いくつかの項目ごとに証言を掲載する。
土曜日に飲み会
「土曜日に職場の飲み会があります。忘年会・歓送迎会シーズンになると、日曜日もつぶれることがあります。研究会や講演会、展示会などへも職場のグループで出かけるので、仕事以外の自分の時間が持てません。チームワークや仲が良い職場ということなのかもしれませんが、参加しない同僚がLINEで陰口を言われているのをみて参加するようになりました。(深夜まで飲み歩くだけの、名前だけの歓迎会、名前だけの送別会は必要ない。慰労の場と称していじりやわいせつな言葉を浴びせて従属させようとしている。)
参加しないとみんなに『向上心がない』とか『やる気がない』と言われるのが怖いです。飲み会では 9 割が仕事の話で事実上、仕事のミーティングではないかと思います」 (技術職)
「工数削減が常態化していて、常勤は休みの予定がまったくたてられない。期間工の休みを優先するので、そのしわ寄せがきているイメージがあります」(技術職)
昭和な雰囲気の職場
「工場に女子トイレと更衣室が少なすぎます。しかも場所が遠く、休憩時間もトイレに行って終わりになります。営業系の職場には女性の社会進出が進んでいますが、工場は女子の割合が増えているのにそんな状況です」(技術職)
「良くも悪くも昭和な雰囲気です。男性が多い職場ですし、あまり飲み会や会社の行事などには参加したくないのですが、出欠表で男性が全員参加しているのに自分だけ参加しないというのは、空気が読めないみたいな気がするので、 (断るのは)難しいです。結婚の話とか、付き合っている男性がいるのかとか、 『これはセクハラじゃなくて、職場のスムーズな運営のためだ』という前置きで話を振られることが多々あり、良い感じはしません。前に飲み会や会社の行事に参加しない同僚がいて、飲み会で悪口を言われているのを見かけました。男性上司からも個室で説教を受けます。それ以来、毎回、飲み会に出ています。 女性上司のところに配属されるかどうかはかなり大きいです。きっと、聞き分けの良い娘を演じ続けることができれば、うまくやっていけるのかもしれません」 (非技術職)
残業抑制策が裏目に
「入社 10 年目以上の主任級社員には、本人の申請で45時間分の残業代として一律 17 万円が支給されることになっています。申請しないという雰囲気は職場になく、みんな申請しているので、申請しました。 効率よく仕事をすれば、確かに所定時間働いていなくても、残業代をもらえる仕組みですが、仕事量は前と変わっていないので 45 時間ではとうてい終わらせることができません。
45 時間以上の残業をすると上司からものすごく怒られます。効率的に働けと言われるのですが、そもそも社内の決済システムが効率的ではないので、どうしようもありません。当然、休日出勤すると上司にも怒られますし、職場でも『仕事ができない』と陰口を叩かれます。
会社のパソコンを持ち帰ることもできないので、家で同じようなエクセルなどのフォーマットをつくって、仕事をしてプリントアウトして職場に持って行き、それを会社で打ち込んでいます。いろいろ社内規定に違反しているのはわかっているのですがそうしないと査定に響き、ボーナスに直結します。非常にしんどいです」(非技術職)
この社員が話しているのは、トヨタが2017年に導入した「入社10年目以上の社員に実際の残業時間にかかわらず毎月17万円を残業手当として一律支給する制度」のことだと思われる。
残業を短くするほどメリットが大きい仕組みとなっており、仕事の能率を向上し、長時間労働を無くすのが狙いだった。対象は主任級以上の社員で、本人の希望で申請し認められれば適用される。17万円は主任級の残業代だとおよそ45時間分に相当。これを超過して残業した分は上乗せして支払われるという。
いずれも社員証を確認の上、取材した。なかには、飲み会でのやり取りをICレコーダーに録音しているケース、約5年間継続的につけている日記帖にその日の就労状況に関して記載している例などもあったので、社内の相談窓口や労働組合に行くことを勧めたのだが、ある社員は次のように語った。
「相談や申請して、社内で変な目で見られたくない。守秘義務は守るとしていますが、会社の雰囲気的に絶対身バレすると思います。仕事は楽しいし、やりがいもあるので、会社に居づらくなるのも、辞めるのも嫌です。こういうやり方は批判を受けるかもしれませんが、もっと会社の雰囲気を良くしたいと思って取材に応じました」
大きなパワハラ案件が発覚する陰には、上記のような小さな職場トラブルがたくさん発生していることが多い。同僚が命を絶つという悲劇に至る前に、なんとかすることはできなかったのか。パワハラ自殺に関し、トヨタ労働組合は次のような見解を示す。
「事実として、我々組合員がしっかり労働者に寄り添う姿勢にあったのかをしっかり振り返りを行いたいです。職場の組合員と連携を取りながら、困っている労働者がいないかしっかり見ていかなければならないと思います。相談を受けるまで動かない待ちの姿勢ではなく、積極的に声を拾っていく方針です」
またトヨタ渉外広報部は次のように話した。
「お亡くなりになられた方に対して、心をこめて冥福をお祈りいたしますとともに、ご遺族の方に改めてお悔みを申し上げたいと存じます。ご遺族のお気持ち、亡くなられた大切な仲間のことを常に心にとどめながら、なぜこのようなことが起きたのか、改めて徹底的に調査による真因の究明を進めることにより、あらゆる観点から再発防止に努めてまいります。
また、ご指摘いただいた事例に関して、具体的な部署名などがわからず、個別に事実確認は難しいため、直接のコメントは差し控えさせていただきます」
より良い職場づくりは労使双方が望むことだが、パワハラ上司が存在している限り無理だろう。今回紹介した証言に関して、法律的な見解を山岸純法律事務所の山岸純弁護士に聞いた。
●山岸純弁護士の見解
まず、“休日の飲み会”ですが、あまり件数は多くありませんが、「会社の飲み会」が「業務(労働時間)」に該当するかどうかが争われた裁判があります。
この裁判(東京地方裁判所平成23年11月10日判決)では、「会社業務終了後の懇親会・食事会等は、業務終了後の会食ないしは慰労の場に過ぎ(ない)」とし、原則として業務(労働時間)には該当しないと判断しました。
もっとも、“会社の飲み会”などが「予め当該業務の遂行上必要なものと客観的に認められ、かつ、それへの出席・参加が事実上強制されているような場合」には、労働時間に含まれることがあるとも判断しています。
トヨタの場合も、上記に該当するような”休日の飲み会”なのであれば、休日手当を支払わなければならない場合があるかもしれません。
“残業抑制”については、45時間以上の残業をさせない(残業代を払わない残業を発生させない)ことは、法令遵守の観点からは良いことです。
もっとも、事実上、自宅で仕事をしている状況が恒常化しているのであれば、結局のところ違法残業(残業代を払わない残業)となるわけで、
・45時間以上の残業をさせない方針でありながら、
・部下が自宅などで仕事をしていることを知っていた(さらに、これを改善することを怠っていた)
ような場合には、法定の労働時間の観点、残業代の観点などから労働基準法違反となりかねません。
(文=編集部、協力=山岸純/山岸純法律事務所・弁護士)
●山岸純/山岸純法律事務所・弁護士
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。また弁護士法人ALG&Associates所属時代は、執行役員として同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っていた。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている
【独自】パワハラ自殺、トヨタと遺族が和解 豊田章男社長が直接謝罪(朝日新聞デジタル配信記事全文)
トヨタ自動車の男性社員(当時28)が2017年に自殺したのは上司のパワーハラスメント(パワハラ)が原因として労災認定されたことをめぐり、トヨタがパワハラと死亡の因果関係を認め、遺族側と和解したことがわかった。遺族側は損害賠償や再発防止を求めており、人事制度を見直すなどとしたトヨタの姿勢を評価。訴訟に至らない形での和解となった。
和解は4月7日付。トヨタと遺族側代理人の立野嘉英(たちのよしひで)弁護士(大阪弁護士会)によると、トヨタが上司の監督責任を怠るなどの安全配慮義務違反があったと認め、解決金(金額は非公表)を支払う。トヨタの豊田章男社長は、男性社員の自殺が報道された後の19年11月と和解成立時の今年4月に大阪市内で遺族と面会し、直接謝罪したという。
トヨタによると、協議中だった能力重視から人間性重視への評価基準の変更を、パワハラ防止策に位置づけ、実施を前倒し。管理職以上の約1万人を対象に、上司や部下、社内外の関係者ら十数人で評価する「360度フィードバック」を昨年7月に導入し、複眼的に人間性を分析する。適性がないと判断すれば所属長などにはしない。今年度は、対象者を係長らも含めた約2万人に広げる方針だ。
またパワハラを受けた際、声を上げやすいよう、どの部署にも属さない独立した相談窓口を設置。家族や同僚も相談できるほか、入り口としてネットから匿名で相談できる仕組みも整備した。相談があった場合は事実関係の調査を綿密に行う。精神科医が常駐する相談センターも設置した。
社内調査などによると、男性は、東京大大学院を修了して15年4月に入社。翌16年3月に愛知県豊田市の本社で車両の設計などを担う部署に配属された。男性は直属の上司から「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」などと繰り返し言われた。この上司から個室に呼ばれ「発言を録音してないだろうな。携帯電話を出せ」と言われたとも相談していたという。
(朝日新聞デジタル「【独自】パワハラ自殺、トヨタと遺族が和解 豊田章男社長が直接謝罪」2021年6月7日配信)
「会社の奴隷」届かなかったSOS トヨタの危機感欠如浮き彫り: トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が入社3年目に命を絶った問題で、豊田章男社長が上司によるパワーハラスメントとの因果関係を認めて和解が成立した。「会社の奴隷みたいだ」。自殺直前までSOSを周囲に出していた男性。パワハラ被害の目撃情報も寄せられていたが、管理職らは社内で情報共有せず悲劇を招いた。同社の再調査で浮き彫りになったのは、パワハラ情報に対する危機感の欠如だった。36万人の社員を抱える日本のリーディングカンパニーで何が起きていたのか。
「ニュースで初めて知った。取り返しのつかないことになってしまい、心からおわびします」。毎日新聞の報道で男性の自殺が発覚した2019年11月、豊田社長は遺族を訪ねて頭を下げた。労働基準監督署の労災認定を受け入れ、パワハラとの因果関係を認める方針を表明。社内調査をやり直すことも遺族に約束していた。
管理職が複数の情報スルー、報告せず
東京大大学院で航空宇宙工学を専攻し、15年4月に入社した男性。研修を終えた約1年後、将来を嘱望されて本社の車両設計部門に配属されたが、直属の上司に…
優れた頭脳が馬鹿な高卒の上司の前で消えてしまった!
歴史は繰り返す!
同様の事件が過去にもあった・・・
2010年に自殺したトヨタ自動車の男性社員=当時(40)=の妻(50)=愛知県豊田市=が、労災を認めなかった豊田労働基準監督署の処分取り消しを国に求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は16日、上司によるパワーハラスメントや、業務とうつ病発症の因果関係を認定、請求を棄却した一審判決を取り消し、労災を認めた。
古久保正人裁判長は、男性が業務進捗の報告などをするたびに上司2人から大声で叱責されたことを、「社会通念に照らし、許容される範囲を超える精神的攻撃」と判断し、同様の行為が続き心理的負荷は強かったとしてパワハラを認めた。
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東京本社ビル 東京都文京区後楽1丁目4-18 |
「早く死ねばいい」上司らのパワハラで自殺 札幌トヨタが認め和解
2022年3月17日 20時45分
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命の値段が、44万円 |
自動車販売会社「札幌トヨタ自動車」の整備士の男性(当時21)が自殺したのは職場でのパワーハラスメントなどが原因だとして、父親が同社に損害賠償を求めた訴訟は17日、札幌高裁(長谷川恭弘裁判長)で和解が成立した。同社がパワハラが自殺の原因だったと認め、謝罪した。和解金額は非公表。
自殺したのは、同社室蘭支店に勤務していた石崎来輝さん。訴状によると、石崎さんは2016年4月に入社し、職場で先輩や上司から「仕事ができないなら早く辞めればいい」「死ねばいいのに」などと言われた。同9月に出勤できなくなり、適応障害と診断された。その後職場復帰したが、再び出勤できなくなり、2017年7月に自殺した。
昨年2021年1月の一審・札幌地裁判決は、石崎さんが受けた言葉がパワハラに当たるとして、適応障害の原因になったと認め、同社に44万円の支払いを命じた。一方、パワハラと自殺との因果関係は認めず、原告と被告双方が控訴していた。
2017年に札幌トヨタ自動車の整備士だった男性が、職場のパワハラで自殺に追い込まれたとして、父親が会社に対し損害賠償を求めていた裁判で、和解が成立しました。
札幌トヨタ自動車・室蘭支店の整備士だった石崎来輝さんは2017年、職場の先輩から「死ねば良い」などと言われ、適応障害と診断されたのち自殺しました。
石崎さんの父親は職場のパワハラなどが原因で自殺に至ったとして、会社に対しおよそ4300万円の損害賠償を求めていましたが、きょう和解が成立したということです。
(原告・石崎さんの父親)「札幌トヨタの職場環境を安全な
ものとすることが、息子の死を少しでも意味あるものとすることに
つながるのではないかとの思いから応じることにしました」
札幌トヨタ自動車は「パワハラへの認識や対策が不十分だった。再発防止に全力を挙げて取り組む」などとコメントしています。
2017年に札幌トヨタ自動車の整備士だった男性が、職場のパワハラで自殺に追い込まれたとして、父親が会社に対し損害賠償を求めていた裁判で、和解が成立しました。
札幌トヨタ自動車・室蘭支店の整備士だった石崎来輝さんは2017年、職場の先輩から「死ねば良い」などと言われ、適応障害と診断されたのち自殺しました。
石崎さんの父親は職場のパワハラなどが原因で自殺に至ったとして、会社に対しおよそ4300万円の損害賠償を求めていましたが、きょう和解が成立したということです。
(原告・石崎さんの父親)「札幌トヨタの職場環境を安全な
ものとすることが、息子の死を少しでも意味あるものとすることに
つながるのではないかとの思いから応じることにしました」
札幌トヨタ自動車は「パワハラへの認識や対策が不十分だった。再発防止に全力を挙げて取り組む」などとコメントしています。
2019年(令和元年)8月26日(月)、当職が代理人となり、トヨタ札幌新人社員パワハラ自死事件について、札幌地方裁判所に提訴をいたしました。
この事件は、札幌トヨタ自動車株式会社室蘭支店に勤務していた新人の従業員である石崎来輝(いしざきらい)さんが、同支店の先輩従業員たちからのパワーハラスメントによって適応障害にり患し、採用からわずか1年余りである2017年(平成29年)7月、21歳という若さで自死を遂げたという極めて痛ましい事件です。
来輝さんは、2016年(平成28年)4月、自動車整備士の新人職員として札幌トヨタ室蘭支店に入社しました。 しかし、同支店においてほどなく、苛烈なパワーハラスメントを受けることになります。
来輝さんが受けたパワーハラスメントは、早く辞めればいいのに」「死ねばいいのに」といった言動を日常的に受け続けるというものでした。
このパワーハラスメントのために、来輝さんは就職後わずか6か月である2016年(平成28年)9月に適応障害にり患してしまい、職場を欠勤せざるを得なくなりました。
これを受けて札幌トヨタは、職場環境の改善と次に何かあった時には他支店へ転勤させることを約束し、来輝さんはこの約束を信じて、職場復帰を果たしました。
しかし、その後も職場環境は改善されることなく、来輝さんの適応障害は悪化の一途をたどり、その後、2度の失踪を経て、ついに2017年(平成29年)7月18日に自ら命を絶ってしまうに至りました。
札幌トヨタについては、本件以外にも、従業員によるパワハラを理由とする損害賠償を求める訴訟が札幌地方裁判所に係属しており、同社の体質的な問題もうかがわれるところです。
本件については、札幌トヨタの社内において厳しいかん口令が敷かれているようであり、ご遺族は情報収集に苦慮されています。
どんな些細な情報でも結構ですので、情報をいただける方は、下記連絡先までご連絡いただけるようにお願いいたします。(匿名でも結構です。)
電 話 : 011-215-1925 ( 担当 : 島田度 )
FAX : 011-215-1926
メールアドレス : shimada★kitaakari-law.com(★を半角@に変えてお送りください)
大川、金谷
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徹底的に糾弾しよう! |
なぜプリウスミサイル、アクアミサイルと呼ばれるのか?
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日産ノート |
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将に「ミサイル発射だ!」
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つり目の車が、最近は多い。 |
なぜプリウスミサイル・アクアミサイルと呼ばれるのか?
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ギア・チェンジが間違えやすいシフトノブ、後ろの視認性が良くない、デザインが攻めすぎて
車両感覚が掴みにくい。いくら、バックモニター、バックカメラが発達しても
後方の窓(リア・ガラス)が小さい過ぎるのは、命取りだ。
結論:
トヨタのような大企業、福利厚生がしっかりしていても、退職したら「退職者の集会」のようなところには属さないで、本当に「自由の身」でいたい。しっかり職場から足を洗って第3の人生(年金生活)を歩く、のがベストだ。
インターネットに「真実」は無い!あるのは「解釈」だけだ!
「自然を忠実に、完璧に!」ーーどんな具合に彼は始めるか、
自然が絵の中に収めつくされる日がいつかあるだろうか?
世界の極微の一片すらも無限である!ーー
彼は結局自分が気に入ったものを絵に描く。
では、彼の気に入るもの何か?彼が描くことのできるもの!(ニーチェの言葉より)
AIに操られたスマホやPCを、自分の意志で、その目的のためにうまく使いこなす、じょうずに利用する。
ブラック企業のいじめ、学校の閉鎖された中でのいじめ、・・これらは長く、気づかれないが、本当に嫌なものは人生という時間の無駄だから、会社なら転職も有り、ブラック学校も辞めて良い。ただし、周りに自分なりの大義をもって積極的に能動的に、次の会社なり次の学校を目指すべきである。自分のやりたいことが実現するような場所は探せば必ずある。そもそもブラックと名前が付くような人間・場所を選ばないことが大切だ!我慢も大切だ!