ACCとは何?(ホンダの説明書)
ホンダACCとは何
意外と差があるACCをTEST!! 実際使ってどうなの? 2021年はACC(アダクティブ・クルーズ・コントロール)でクルマを選ぶ!!(2021年1月26日発行分)
詳細地図データとGPSとをコラボさせて支援するスカイラインのプロパイロット2.0ではコーナーで自動減速したり、速度標識を読み取って速度自動設定するなど多機能が魅力です。スバル・レヴォーグもこれと同じように詳細地図データにより料金所自動減速を行うなど、ついにここまで来たか! と感動します。そしてN-WGNの制御がことのほか人の運転感覚に近く優秀だったことが印象的。
まるで半自動運転のようなクルマのアダプティブクルコン! 過信に潜む危険とは投稿日: 2019年8月15日
完全停止まで対応する全車速追従機能は便利だが……
最近、中高級車にはもちろん、新型ホンダN-WGN、新型ダイハツ・タントのターボモデルなど、軽自動車にまで装備され始めたアダプティブクルーズコントロール(ACC)。従来の単なるクルーズコントロールとは違い、前車との距離を任意の間隔で一定に保ち、渋滞時には停止〜再発進してくれる機能だ。レーンキープ機能と組み合わせることで、高速走行ではドライバーの精神的・肉体的負担を劇的に低減してくれる効果があり、便利かつ安全でもある先進装備と言っていい。ボクもACC付きのクルマを所有し、また、多くのACC付きの新型車に試乗しているが、もちろん、ACCは万能ではない。まず、渋滞追従型でないと、本当に必要性を感じる、高速道路上での渋滞時に機能してくれない。旧来型のACCは約35〜115km/hの範囲内でしか作動せず、渋滞に対応していない。最新のACCは、例えばトヨタ・カムリのように、約0~180km/hといった、全車速対応というものまであるのだ。一部高速道路で120km/h制限区間があるため、渋滞追従に加え、せめて120km/hまで対応してほしいところだ。
また、注意したいのはACCが作動中でも、ペダルから足を離してフロアに置いていていいというわけではないこと。つねに緊急の場合に備え、ペダル操作ができるようにしなければならない。
そして、日本で販売されている国産車や輸入車のACCは、今のところナビゲーションのマップを読んでいない。欧州ではすでにメルセデス・ベンツがナビデータとACCをリンクさせたモデルをラインアップしているが、日本仕様はそうはなっていない。
これはどういうことかと言えば、カーブだろうと、高速道路の出口だろうと、前車のいない料金所だろうと、減速操作は一切行われないということ。たとえば、ACCを80km/hにセットして、快適に高速クルージングしていたとしよう。前車がいれば、設定速度内で、任意にセットした車間距離を保ち、追従。これはついうっかりの急接近(あおり運転と誤解されることも)、自動ブレーキ作動の一歩手前の追突防止にもなり、ペダル操作から解放されるためじつに便利で快適だ。とくに、渋滞時を含め、足首疲労の低減になる。
だが高速道路上で、減速しなければならないけっこうきついカーブがあっても、ナビデータとリンクしていないACCはそのままのスピードを保ち続けてしまう。高速道路のカーブ、出口、前にクルマがいない料金所でも同じ。結局、キャンセルボタンを押す、ブレーキを踏む、といった操作が必要になる。自動運転気分で、うっかりACCに身を任せきっていると、カーブなどに設定速度のまま進入し、曲がり切れずにクラッシュ! なんていうこともありうるわけだ。
その点、欧州のACCは極めて賢く、地図データを読んでいるため、カーブでは減速するなどの制御を行ってくれるというから、さらに便利で安心なのである(自動運転に近い)。
1)ACC
うまく活用すれば燃費の向上にもつながる
また、最高速度120km/hの高速道路区間で、ACCを120km/hにセットして走っている場合、その先で制限速度が100km/h、80km/hになっても、自動で設定速度ダウン操作はしてくれない。場合によっては即、スピード違反になるから、要注意。その都度、設定速度を変更する必要があることも、覚えておきたい。
基本的に高速クルーズ、とくに高速道路上の渋滞時に威力を発揮してくれるACCだが、じつは、車種によって実力が大きく異なるのも事実。その一例が、料金所のゲートをくぐったあとや、追従している前車が車速を落とし、レーンチェンジしたような場面での、再加速性能だ。輸入車の多くは再加速性能に優れ、BMW 5シリーズなどはかなりの勢いで再加速してくれたりする。スバルのアイサイトも不満のない再加速性能の持ち主だ。
一方、ホンダ車の一部、たとえばステップワゴンのACCは、再加速性能がもっさりすぎて、追従している前車が速度ダウン後の再加速、高速道路の料金所をくぐったあとの再加速など、追突されやしないかと、ひやひや。オデッセイになると、再加速性能に大きな不満はなくなるのだが……。
最後に、ACCの隠れた実用性を紹介したい。これはあくまで個人的なデータだが、長距離走行でACCを使うと、燃費が10%ぐらい伸びたりするのだ。愛車でよく出掛ける、東名高速・東京~御殿場間の実燃費は、ACCを使わないとどんなに走行条件が良くても18km/Lに届かないのに、ACCを入れっぱなしで走ると20km/Lを超えることがある。
この理由は明白。自身でアクセルコントロールするより、ACCまかせで最適かつスムースに加減速しているほうが、燃料消費が少なくて済む……ということだろう。
これからのクルマは、2020年から新車装着が義務化される自動ブレーキはもちろんだが、高速走行をする機会の多い人にとって、制御に優れたACCとレーンキープ機能、そして高速レーンチェンジ時の接触事故を未然に防いでくれるブラインドスポットモニターは不可欠と思っている。
2)ブラインドスポットモニター
ブラインドスポットインモニターも、自動ブレーキ、ACCとセットで標準装備してもらいたい先進安全支援機能。自動ブレーキで追突事故が激減しているデータがあるように、ブラインドスポットインモニターによって、レーンチェンジ時などの接触事故が激減することは間違いなし。自身、ブラインドスポットインモニターのおかげで、自車の背後の死角から急接近してきたクルマとの事故を防げた経験が何度もあったのだ。
3)パドルシフト
パドルシフトも多くのクルマに装備してもらいたい機能。パドルシフトというと、スポーティな運転をするためにあるように思われているが、じつはスムースなスピードコントロールを行うのにじつに便利。
下手にブレーキを踏むより、パドルシフトでの減速を行えば同乗者もより快適。首都高速のようなクルマの流れが刻々と変化するようなシーンでは、効果絶大なのである。ブレーキパッドの減り、ホイールの汚れ低減にも効果があったりする。
4)バックモニター
ボクはもうかなりの期間、バックモニター付きのクルマに乗っている。それに慣れると、もはやバックモニターなしでは安心してバックできないぐらいだが、それに加え、できれば360度モニターもバックモニターとともに、安全のために標準装備してもらいたいと思っている。
バックモニターだけでもバック時の壁や人、自転車などの接触事故を低減できるが、それでカバーできない範囲も360度モニターなら視認可能。小さい子どもやペットがウロウロしている駐車場などでの出し入れに絶大なる安全効果があるからだ。マツダの360度ビューモニターは、死角にいる子どもを守る機能として、第12回キッズデザイン賞を受賞している。
5)エアコンのコンプレッサースイッチ
今も昔も、クルマのエアコンにはコンプレッサーのON/OFF切り替えができる。多くの場合「AC」と書かれたスイッチがそれで、オフにすると冷房や除湿の機能がなくなる。
6)ペダル踏み間違い衝突防止支援機能
ちなみに高齢者限定とまでは言わないが、アクセル踏み間違い衝突防止支援機能もあればより安全。トヨタでは後付けのアイテムが用意されたばかりだ(アクア、および先代プリウスから順次用意)。
7)トルクベクタリングコントロール
マツダやスバルがこぞって採用しているベクタリングコントロールも、主にエンジンの制御ゆえ、デバイスを付加することなくわずかなコストで装備できる、クルマの安定性をグーンと高めてくれる機能装備。走りの安定感を高めると同時に、車酔い防止効果も期待できる機能である。事実、マツダのG-ベクタリングコントロールは、子どもの車酔い低減効果があるとして、第10回キッズデザイン賞を受賞している。
8)後席用エアコン吹出口
快適便利装備としては、後席エアコン吹き出し口もぜひ欲しいところ。ミニバンなどでは後席用エアコン吹き出し口がほぼ装備されているが、セダンやワゴン、SUVでも後席の乗員やペットの暑い時期の快適性だけでなく、熱中症予防にもなりそうな装備である。
9)前席マッサージ機能
ここからは標準装備といっても上級グレード限定でOKの装備について。最近、感心しているのが、レクサスLSやボルボXC60、V60などに装備される前席マッサージ機能。後席用マッサージ機能はこれまでもあったが、走行中に一番マッサージ機能の恩恵に与りたいのはドライバー。
自身、1日数百kmを運転してもボルボXC60やV60で前席マッサージ機能をONにしていると、まったくと言っていいほど疲れなかった。いや、むしろ運転していたほうがリフレッシュできたほどの「やみつき装備」である。
10)シート送風機能
ボルボなどに用意されるシートベンチレーションも、夏の快適度を飛躍的に向上させてくれるやみつき装備。炎天下に止めたクルマに乗り込むと、エアコン全開でもしばらくはサウナ状態。しかし、シートベンチレーションがあれば、瞬時に背中、腰まわり、太股裏などがスースーして体感温度が一気に下がり、快適そのもの。背中の汗も引き、ベタベタせず、上着もシワになりにくくなる。
11)撥水&消臭機能付きシート
愛犬家限定としては、撥水(はっすい)&消臭機能付きシートも、さすがに標準装備とまでは言わないけれど、車内の汚れ、動物臭の付着を低減するために全車OP設定してほしいところである。
12)ティッシュボックがしまえる収納BOX
そうそう、ボルボXC40の日本車も真っ青な便利装備としてある、ティッシュボックス収納&取り外し可能なごみ箱も、花粉症の人ならずともありがたいもてなし装備。必用な人は近くにないと絶対に困るティッシュボックスの置き場って、本当に困る。ミニバンなどのトレーの上に置くと生活感丸出しだし、急ブレーキで吹っ飛ぶし、たとえグローブボックスに入ったとしても、取り出すのがいちいち面倒だ。
ということで、上記を踏まえて自身の次期愛車に必須の装備リストを日々更新しているところなのだが、歩行者、自転車対応の自動ブレーキ、ブラインドスポットモニター、渋滞追従機能付きACC(の再加速性能のいいもの)、パドルシフト、360度モニターは安全のために必須と思っている。
その上で、前席マッサージ機能があればもうすぐにでも買ってしまうだろう。もちろん、現時点でそれらすべてを叶える、予算の範囲にあるクルマはないんですけどね。犬2頭と暮らすわが家でもっとも理想に近いのは、ボルボV60ではあるんですが……高価だし、パドルシフトの装備なし。XC40モーメンタムにパドルシフトが付いて、前席マッサージ機能があれば予算的にもおそらく完ぺきなんだけどなぁ……。
13)ヘッドアップディスプレイ のメリット、必要性、デメリットについて考えてみよう。
●メリット
・メーターに表示されるスピード、エンジン回転数、カーナビの情報なら次の案内までの距離、曲がる方向が矢印で表示され、少ない視点移動で運転に必要な情報が得られるので、安全性の向上、疲労の軽減につながる。
・クルマによってはクルーズコントロールの設定スピードなどの情報がメーターの中に入り切らないこともあり、こういった場合は情報を表示するスペースとして必要性がある。
●デメリット
・ヘッドアップディスプレイはお金が掛かるものなのでタダではなく、価格が高くなることくらいで、目障りに感じる時は表示を消せば済むという考え方もあるので基本的にデメリットはないと言える。
ただメーターフード上のディスプレイに各種情報を表示するヘッドアップディスプレイの場合は、走行中は収納することができず目障りに感じる時もそのままにしなくてはならないというデメリットがあるのは事実だ。