2021/05/20 【未来予測】 2020年代の日本に起こる「最悪のシナリオ」とは?◎経済評論家・鈴木貴博さんインタビュー(前編)



2021/05/20【未来予測】2020年代の日本に起こる「最悪のシナリオ」とは?◎経済評論家・鈴木貴博さんインタビュー(前編)


(後編)【未来予測】今日からできる「未来予測の訓練法」/アマゾンが仕掛けるM&Aとは?◎経済評論家・鈴木貴博さんインタビュー(後編)



2021/04/22【未来予測】日本経済、これから起きる7つのショック!フルver. 『日本経済 予言の書』|経済評論家・鈴木貴博



2021/11/23既得権益が招く日本の衰退。コロナ明けにインフレリスク?【松田公太×堀江貴文】




2021年12月17日 テスラ社のタクシーが暴走。フランスのパリ市中の事故である。次々と歩道を歩いている人をひいていった。テスラ社はこのモデル3のテスラ車を販売中止にした。一体何度目だ!

モデル3の特徴:
運転支援システムはおおむねレベル2に相当するであろう「オートパイロット」のベータ版が実装されていたが、レベル2以前のアダプティブクルーズコントロールの機能からして不完全。高速道路のアンジュレーション通過時にフロントが大きくバンピングすると、路面を前方障害物と誤認するのか、頻々と急ブレーキがかかった車線維持についても誤認は多め。結局、2900km弱の旅程の9割以上をオートクルーズを使わずに走った。怖くて使えた代物ではない。

このオートパイロット、海外ではオートパイロット任せでクルーズし、ドライバーが昼寝をしているのをパトロールカーが見つけて逮捕…といったニュースが時折流れてくる。とんでもない出来事だと思うが、かの地ではオーナーがシステムの能力をそれだけ過信するくらいに優れたパフォーマンスを示しているということでもある。

日本でもモデル3の実走行データがオンラインで蓄積されるにつれてソフトウェアが改良され、自動的にアップデートされるだろうというのがテスラジャパンの釈明であった。モデル3には半自動運転を行うためのレーダー全周監視カメラが標準装備されているので、今後の向上にはもちろん期待したいところだが、本来はこういう機能については散々作り込んでから販売するというのが自動車メーカーの責務。それをおろそかにする姿勢はちょっといただけない。EV車はまだまだ開発途上だ。
カーナビも性能そのものは良さそうだし、何と言っても大画面ディスプレイであるため地図の表示も細密から広域まで実に見やすいものがあった。が、ボイスコマンドや地図上のタップでダイレクトに目的地設定などを操作するときは大して困らないのだが漢字入力の作り込みが不完全で、住所や施設名などを入力して検索しようとするときちんと変換されないなど、“日本語版”になりきれていないところがあった。

案内時、たとえば音声で「今、左折です」と案内するとき、「コンサセツデス」と発声される。笑い話のネタとしてはありかもしれないが、こんな一発でわかるプログラミングミスもデバッグされていないというのは、これまた開発のスタンスがなっていないと言わざるを得ない。

もう一点、これは早急にバグフィックスを行うべき案件だが、ロングドライブ中に一度、ディスプレイがブラックアウトした後にテスラのロゴマーク表示とともに再起動するということがあった。このとき、ディスプレイが暗転しただけでなく、エアコンのブロワーがいきなり最強になったりしたので、クルマの制御を行うECUとも何かの形で連動している可能性がある。

再起動が発生したのは停車中であったので実害はなかったが、走行中であればたとえ走行機能自体に障害が生じずとも、スピードメーターがしばらく見られなくなるだけでも大ごとである。テスラとしても、驚異的な高性能で上げてきた評判を信頼性の低さでみすみす落としたくはないであろう。しっかり改善してほしいところである。

まとめ

モデル3は少なくとも商品性に関してはまさにゲームチェンジャーとなれるだけの力を有した、エキサイティングでエコな素晴らしいクルマだった。そんな素晴らしいモデル3だが、品質問題や作り込みに関してはネガティブ要素が少なからずあり、まだまだ万人におススメはできない。クルマの能力や先進性については文字通り圧倒的なものがあっただけに、そこがつくづく惜しいところだった。ひと昔前のイタリア車、フランス車よろしく、クルマとはそもそも完全に信用するには足りないものであるという感覚でいられるユーザーであれば、驚異的な性能と素晴らしいドライブフィールを味わえることの喜びが結構深刻な作り込みの甘さへの懸念に優越することだろう。車載コンピュータ以外はテスラの自社開発でなく、海外から、特に中国から部品を集めて、部品ごとにプラモデルを作るように、「自動車」は簡単ではない。エアコンや液晶TVや洗濯機を作るのと訳が違う。内燃機関の「自動車」から比べると部品点数はなん十分の一になったらしいが、そのすべてをテスラの1つのユニットで動かしていることに「この車の恐怖」がある。電気がモーターを回す力は、いきなり100%の力が働くので「1台に1つだけ乗っかている制御システム」がプログラム上で1つでも狂うと、暴走につながる点が「恐怖」なのだ。まさにEV車の長所が最大の欠点になりうるのだ。さらにEV 車はオンラインで常にクラウド上から「AIを駆使して車の安全を常に見張っていなければならない、不便な電化製品」なのだ。信号機もいらなくなるので自分で運転している感覚が、あたかもAIに操られている感覚に「同一化」されているので、未来人は「脳も体も退廃していくのだろう」。未来の車が完全自動化されれば、今の形の車は完全消滅するし、車を所有するとか、駐車場とか不要になり、ただ単に巨大なクラウドが、巨大な電力を使って人間を移動させてくれるだろう。やはりIT、AIは怖い。電気的な「制御」の限界、規制、規則を作ってほしい。