㉒ 危険すぎる習近平の「ゼロコロナ」:習近平が2023年1月に「強制的コロナ終息」宣言を発表する!!感染状況に関わらず全て”風邪”と扱い、日本との往来を再開する。
![]() |
中国の専門家 一転「コロナ風邪」 “脅威”から...「ゼロコロナ」崩壊
2022年12/16(金)
新型コロナウイルスと中国
はじめに ―本研究会の目的―
2019 年末に新型コロナウイルスの感染が武漢で始まり、以後まず中国で感染が拡大、現在に至るまで世界的に拡大が続き、世界情勢に大きな影響を与えた。この中で中国はいち早く感染を抑制し、経済回復を成し遂げつつある。だが、この新型コロナウイルスの感染拡大は、中国の政治、外交、軍事、経済、社会などに大きな影響を与えるとともに、またその新型コロナウイルスの影響や対処などに、中国という国家や共産党政権、あるいは中国社会のありようが示された部分もあった。そこで 2020 年の中国研究会では、中国の内政および経済、社会からなる「中国の国内動向」に関するチームと、中国の軍事、経済、援助、秩序構想などの面に関わる「中国と世界秩序」に関する二つのチームを組織し研究会活動を進めた。本書はその研究活動の報告書である。
新型コロナウイルスは確かに世界にも中国にも大きな変化をもたらしたが、それはゼロから何かが生み出されたというよりも、既存の変化を大きくしたり、あるいは気づかれなかった現象を可視化したりした面が強かった。これは中国においても同様である。他方、世界史的に見れば、近代にはしばしばこうした伝染病が世界を襲ったことが知られている。だが、第一次世界大戦前後のスペイン風邪以降、国際連盟をはじめ人類社会の努力や技術革新もあって、伝染病の拡大は一定程度管理、抑制されてきた。しかし、中国をはじめとする新興国の台頭により、先進国ほどに国内の衛生状況が良くない国や地域がグローバル化していたので、そこから従来であれば風土病の一つであったはずの感染症が世界に拡大するという事態になったものと思われる。そして感染が拡大すると、グローバル化という現象の中でも、あるいはそれぞれの国内でもとりわけヒトの移動が大きな制約を受けた。
モノの流れ、物流も一定の影響を受けたが、カネの移動については新型コロナウイルスの影響下でも大きく変化なく継続したと言える。このような条件の下で中国では何が生じたのか。「中国の国内動向」チームでまず取り組んだのは、中国がこの新型コロナウイルスにいかに取り組んだのか、そこから何が見て取れるのか、ということである。それは、民兵の動員を扱った弓野委員の報告書と、「社区」における新型コロナウイルスへの取り組みを扱った小嶋委員の報告書に現れている。この二つの報告書からは、中国共産党、とりわけ習近平政権は自ら推し進めてきた政策の成果をもとにして新型コロナウイルスに対処しつつ、同時にその社会統制を強化しようとしていることがうかがえるだろう。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って共産党政権は大きな課題に直面することになった。一つは、新型コロナウイルスの感染拡大により、また米中対立の中で少なくとも一時的に極めて大きなダメージを負った経済をいかにして立て直すのか、また長期的となることが予想される米中対立にいかに対処するのかということを迫られた、ということだ。この点は、中国の国内大循環戦略を扱う丁委員の報告書が論じている。また今一つの論点は、巨大な人口を抱え、このような伝染病に対処していく中国は、極めて「大きな政府」として事態に対処している。また社会の管理統制にも相当なコストをかけている。それは、財政面での大きな負担となっていくことが予測される。そして、短期的にも新型コロナウイルスによる経済的なダメージが地方政府の財政を直撃するとの懸念もある。この論点については、片山委員が中国社会保障財政における中央と地方の役割分担から考察を加えている。なお、中国の事例と比較するために、台湾の新型コロナウイルス対策については筆者が検討を加えた。台湾は民主主義的な対処をして成功した象徴として見られがちだが、必ずしも状況はそれほど単純ではないことが示されている。
中国・習近平がたくらむ「コロナ感染輸出」の恐ろしすぎる危険性
2023年1/6(金)
中国で「感染爆発」が起きている!
中国で新型コロナの感染が爆発中だ。感染はどこまで広がるのか。新たな変異株は誕生していないのか。不安は募るが、明らかになった点もある。中国の意図だ。彼らは「自然感染による集団免疫の獲得」を目指す一方、西側への「感染輸出」を狙っているように見える。
肝心の中国が情報を公開していないので、実態は不明だが、米ワシントン大学の保健指標評価研究所(IHME)が昨年12月15日に発表した推計によれば、ロックダウンの再開などがなければ、中国で「3月1日までに最大460万人が感染する」と予想している。
その場合、1日当たりの死者(報告分)は3月29日までに8860人に達する。死者は累計で4月1日までに50万2000人、2023年末までには「100万人をはるかに超える」見通しだ。
もっとひどい予想もある。
英国の調査会社、エアフィニティ(Airfinity)が1月3日に更新した推計によれば、1月13日時点で1日当たりの感染者が370万人に達し、死者は10日後にピークを迎えて、1日当たり2万5000人、昨年12月以来の累計死者は58万4000人になる。4月末までには累計の死者が「中国全土で170万人に達する」と予想している。
新しい変異株なのか
この新型コロナは、どんな種類なのか。
中国の疾病予防センター(CDC)の専門家は、記者会見で「130のオミクロン変異株のうち、50種類を中国で検出した」と語っている。だが、それがすべて、とは限らない。
世界保健機関(WHO)によれば、判明している分だけで、オミクロンには500種類以上もの派生型がある。心配なのは「まったく新しい凶暴な変異株が生まれていないかどうか」だ。
ゼロコロナ政策からの急転換
こうしたなか、「中国の新たなコロナ戦略」が浮き彫りになってきた。彼らは、いまや「自然感染による集団免疫の獲得」を目指している。中国製ワクチンには「効果が期待できない」と分かったからだ。それだけではない。「西側への感染輸出」も狙っているかのようだ。それは、状況証拠が物語っている。
第1に、中国はウイルスの遺伝子配列情報の公開を拒否している。これが公開されなければ、新たな変異株が生まれているのかどうか、分からない。そうなると、西側は対応する新たなワクチンを作れない。
次に、中国は西側のワクチンを欲しがっていない。「中国は中国製ワクチンとロックダウンでコロナを制圧した」と自慢してきた手前、いまさら西側に頭を下げて、ワクチン提供を頼めないのだろう。習近平総書記(国家主席)の沽券に関わるからだ。求心力がガタ落ちしてしまう。
習近平政権は昨年12月7日、ゼロコロナ政策を突然、放棄した。なぜ方針転換したのか、真相は不明だが、中国ウオッチャーの間では「各地に広がったデモを恐れた」「習氏自身が感染し『コロナの症状は軽い』と分かった」「ロックダウンでも対処不能で、感染を止められなくなった」など、さまざまな説が流れている。
以来、中国はPCR検査の義務付けや国内移動の規制を矢継ぎ早に廃止した。香港の新聞、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は1月5日、香港と中国全土の往来を止めていた検問所を「8日から開放する」と報じた。同紙は「これで1日当たり5万人が香港を中国本土を自由に往来するようになる」と伝えている。
中国は同じ8日から、中国への入国者に対する隔離義務を解除する。中国は一般国民の海外旅行を禁止してきたが、同日から旅行目的でのパスポート更新手続きも再開する。
「感染輸出」をもくろんでいる…?
これらが何を意味するか。
国内で感染がこれほどの猛威を奮っているにもかかわらず、国民の大移動を始まる春節(1月22日)の直前に、こうした措置を立て続けに断行するのは「海外で感染が広がってもかまわない」という話にほかならない。つまり「感染輸出」である。
普通の国であれば、感染の恐れがある自国民は出国前に厳重にチェックして、他国に迷惑をかけないようにするだろう。いずれ帰国すると分かっているのだから、それは自国のためでもある。だが、中国にそんな常識は通用しないのだ。
米国や英国、カナダ、オーストラリア、日本、フランス、スペイン、イタリア、韓国、マレーシア、台湾などは新型コロナの陰性証明を求めるなど、入国規制を強化した。これに対して、中国は「政治的な動きだ。対抗措置をとる」と反発している。これも「中国人の海外旅行を奨励している」証拠である。そうだとすると、これから何が起きるのか。
自然感染による集団免疫の獲得を目指す中国と、ワクチンによる集団免疫獲得を目指す西側との競争になる。農村部への感染拡大はこれからだが、北京など大都市は「すでにピークアウトした」という報道もある。中国が集団免疫を獲得するのは、時間の問題かもしれない。
西側には「多くの犠牲を強いる自然感染による集団免疫の獲得」という選択肢はない。新たな変異株が出ているなら、対応するワクチンを開発して、人工的に免疫を作るしかない。
この競争で西側が遅れをとれば、中国は一段と大胆、かつ攻撃的な姿勢で西側と対峙するようになる可能性が高い。逆に、中国が負ければ、しばらくはおとなしくなるかもしれない。
中国の戦略は、必ず成功するとは限らない。自然感染で集団免疫を達成するには、不透明で複雑な条件が多く、100%達成可能とは言えないからだ。中国が自力で効果の高いワクチンを作らない限り、犠牲者を増やすだけ、という結果になる可能性もある。
中国が新型コロナを克服できるかどうか。あと数カ月もすれば、見えてくるだろう。日本はそれまで中国人はもちろん、中国滞在歴のある人について、十分な監視が必要だ。中国からの入国制限だけでは、まったく不十分だ。香港などを経由して入ってくる中国人にも目を配らなければならない。
米国は中国から入国する航空機について、排水検査を実施する。乗客の排泄物にウイルスが混じっているかどうか、調べるためだ。新型コロナ対策は安全保障問題に直結している。日本も同じような検査をして、米国と情報交換すべきだ。
2022年昨年12月23日公開コラムで指摘したが、米国のジョー・バイデン政権と岸田文雄政権の感染症に関する対中認識は、完全に間違っている。両政権は、それぞれ「国家安全保障戦略」に「感染症対策で中国と協力できる」と記したが、中国は協力するつもりなど、まったくない。
甘い認識では、中国にしてやられるだけだ。
中国からの航空便“乗客の半数”コロナ感染…ミラノ到着の2便
2022/12/30(金) 10:22
新型コロナの感染が急拡大し、死者も急増しているとみられる中国。
水際対策を緩和し、中国人の海外旅行を再開する方向ですが、2022年12月29日に衝撃的なニュースが…。
2022年12月26日、イタリア・ミラノに到着した中国からの航空便2便で、乗客の半数近くの陽性が判明したと地元メディアが報じました。
これを受けて2022年12月28日、イタリアの保健相は、中国からの渡航者に対する抗原検査の実施とウイルスの解析を命じたと発表しました。
(「グッド!モーニング」2022年12月30日放送分より)
中国・火葬場の外まで“霊柩車の行列”…“2.5億人”感染か? 機密情報がネット流出
[2022/12/27 09:58]
![]() |
欧米メディアが中国のコロナ政策を失敗と報じたことについて中国外務省は、「真相とかけ離れている」と反発 |
火葬場の入り口から入れず、外に霊柩(れいきゅう)車の行列ができています。
北京の隣、天津市にある火葬場の関係者は、次のように話しているということです。
火葬場の関係者:「通常の範囲を超えていて、天津市以外からの受け入れを断っている状態だ」
ゼロコロナ政策を大幅に緩和した中国。しかし、緩和後、中国国内では新型コロナの感染者が急増し、死者も増えているとみられています。
■隔離撤廃へ…病院は“医療崩壊”寸前
こうしたなか、2022年12月26日に中国の衛生当局は、来月8日から「新型コロナ肺炎」を「新型コロナ感染症」と改名し、扱いを引き下げると発表しました。
新型コロナに感染しても隔離は行わず、濃厚接触者についても判定しません。また、中国への入国時に最大8日間必要とされていた隔離措置も撤廃します。
天津市の病院の中は、人であふれ返っていました。
医療崩壊寸前の状況とみられる病院。患者を診ていた医師が意識を失ったのか、椅子から滑り落ちそうになりました。そのまま運ばれていきました。
■2.5億人が感染? 機密情報が流出
さらに、マスクを巡るトラブルも起きました。
地下鉄職員:「マスクを着けて下さい」
男性:「あなたにマスクを強制する権利はない。あなたの仕事ではない。もう自由だ。誰でも感染するし、私もすでに感染した」
地下鉄職員:「自由でもマスクは必要です」
男性:「1度感染した人に、マスクは不要だ」
台湾メディアなどによりますと、ネットに流出した中国政府の会議録とされる文書には、2022年12月今月1日から20日までの感染者数は、人口のおよそ2割にあたる2億4800万人との推計が示されていたということです。
(「グッド!モーニング」2022年12月27日放送分より)
コロナ政策失敗報道に中国「真相とかけ離れている」
[2022/12/29 00:43]
“新たなウイルス症状”ネット拡散で下痢止め買い占め 入国規制には断固反対 中国
[2023/01/04 18:53]

世界最大規模の「中国コロナ感染爆発」を放置する習近平政権、その「戦慄の思惑」
まさか全人代までに集団免疫獲得?
2023年1/6(金)
「ゼロコロナ」放棄の後で
昨年12月7日に中国政府は180度の政策転換を行い、それまでの「ゼロコロナ」政策を事実上放棄した。それ以来、中国全国が世界最大規模のコロナウイルス感染拡大に見舞われている。
中国政府は去年12月14日からは毎日の感染者数と重症・死亡者数の公表を停止したが、同月下旬にネット上で暴露された国家衛生と健康委員会の内部資料によれば、12月1日から20日まで、全国での新規感染者数は2億4800万人に上り、20日の1日だけで3700万人の人々が感染したという。
そして年末になると、四川省当局は25日時点での推定感染率はすでに64%に達していると発表。海南省政府も30日、省内の感染率は50%前後であると発表した。首都北京の状況に関しては、国内の著名感染症専門家は31日、北京の感染率が80%を超えたとの見解を示した。
このような断片的な数字情報に基づいて、香港紙の星島日報は全国の感染者数はすでに8億人に達していると報じた。「8億人」という数字の正確さはさておきながら、ネット上で流布されている多くの現場報告に照らし合わせると、中国全国では今、世界最大規模の爆発的な感染拡大が起きていることは事実であると思われる。
その中で医療の現場はもはや「逼迫」を超えたところの医療崩壊が起きてしまい、火葬場が24時間フル回転しても遺体の処理に追いつかないという阿鼻叫喚の地獄図が目の前の現実と化してきている。
中国政府は一切の努力を放棄
短期間でそれほど大規模にして迅速な感染拡大が発生したことの原因についてはまず、以下のいくつかの要因を挙げることができよう。
1)今まで数年間の厳しい「コロナ封じ込め政策」のなかで、中国国民の多くは健康力・免疫力が著しく低下・低減したこと。
2)中国国産のワクチンはほとんど役に立たないこと。
3)先進国と比べれば中国全体の衛生環境がかなり悪いであること。
4)中国政府が最悪のタイミング(感染しやすい冬期の到来と同時に)政策転換に踏み切ったこと。
それらの要因が揃ったところで爆発的な感染拡大はもはや不可避であるが、実は、事態の深刻化に拍車をかけているもう一つの要因がある。それはすなわち、中国の中央政府と地方政府は今、感染拡大を緩和させたり食い止めたりするための一切なる努力を放棄している、ということである。
前述のように、中国政府がそれまでの厳しい「ゼロコロナ」政策を放棄したのは昨年12月7日のことであるが、その時からこの原稿を書いている今年1月3日現在まで、中国の中央政府にしても地方政府にしても、国内の感染状況の悪化に従ってそれを緩和させるための措置を講じことは全くもないし、人々の移動や集まりを制限するような政策手段をとったこともない。
ただただ沈黙し傍観するのみ
以前の「ゼロコロナ」政策が実行されていた数年間、中国共産党最高意思決定機関の中央政治局並びに政治局常務委員会は「コロナ対策」をテーマとする会議を十数回以上開いたことがある。
習近平主席も数回、こうした最高指導部会議では「重要講話」を行ない、「ゼロコロナ」政策の正しさや必要性を力説しながら、政策の貫徹を指示した。
しかし去年の12月7日以来、中央政治局や政治局常務委員会は「コロナ対策」を議題とする会議を一度も開いたことは一度もない。12月下旬に開いた政治局の定例会議や別テーマの中央会議でも、「コロナ対策」が討議された痕跡はない。
習主席本人にしても、12月31日に行った「新年演説」において「感染対策は新たな段階に入った」との抽象的表現で「コロナ政策」に触れたこと以外には別の場面でこの問題に言及したこともなければ「新たな感染対策」に対する具体的な指示を出したこともない。そして習主席以下、共産党政権の要人たちはコロナ問題に関してはいっせいに沈黙を守り、国内の深刻な感染拡大に対しては全く無関心な態度を通しているのである。
コロナ対策を直接に担当する中央官庁はすなわち前述の国家衛生と健康委員会であるが、昨年12月14日に感染者数の発表を取りやめて以来、同委員会は完全に機能喪失したかのように対策に動くこともなく地方に対して感染拡大の緩和について何らかの方針を打ち出すこともない。担当官庁でありながら、あたかもこの件とは関係がないであるかのような摩訶不思議な姿勢である。
こうした状況下では、各地方政府は当然、今の感染拡大に対しては手を打つことは一切なく、ただ傍観しているかのような奇妙な態度である。
「感染拡大はない」から対策の必要もなし

このようにして今、中国国内では世界最大規模の感染拡大とそれに伴う医療崩壊・大量死亡が現実に発生している、という未曾有な深刻な事態が起きていることに対し、当の中国政府は中央から地方までは政府としての最低限の責任を一切放棄し、まるで砂に首を突っ込んでいる駝鳥の如く問題への直視を回避して、コロナの感染拡大を放任しているのである。
昨年12月までの「ゼロコロナ」政策では、中国政府はあらゆる行政手段を総動員して国民の基本的人権と自由を奪うまでにして極端な封じ込め策を講じていたのに対し、今の習近平政権は一転、無策無為のまま感染拡大を放任するという、それもまた極端な「無政策」に走っているのである。
こうなったことの理由の一つはやはり、去年12月までの「ゼロコロナ」政策が失敗に終わったことにあろう。12月15日公開の「抗議活動に負けてのゼロコロナ政策撤廃でコロナ感染爆発の危機、習近平政権『ダブル敗戦』の大打撃」で指摘したように、「ゼロコロナ政策」の放棄はそもそも、習近平政権にとっての看板政策の完全失敗を意味し、習政権はこれで、コロナウイルスと「反ゼロコロナ政策」の民衆抗議運動の両方に敗退して、いわば「ダブル敗戦」を喫した訳である。
しかし習主席としてはどうしても、「ゼロコロナ」政策の失敗を認めたくはない。だから彼は爆発的感染拡大が起きている最中の昨年12月31日に行った「新年演説」では、「未曾有の困難に勝ち取った」と全くの嘘の「勝利宣言」を行なった。
しかし、コロナ感染に対する「勝利宣言」を行なった以上、今の感染拡大の現状を公式に認めるわけにはいかない。つまり、国家衛生と健康委員会が感染状況に対する統計数字の発表を取りやめて以来、習主席と中国政府にとっては、「感染拡大」という事実はそもそも存在していない。したがって、「存在もしない」感染拡大に対して何らかの対策を講じる必要もないのである。
感染拡大がより早く進むことを望んでいるのか
それこそは、習政権は今の深刻な感染拡大に対して極めて無責任な「駝鳥政策」をとっていることの理由の1つであろうが、その一方、コロナウイルスの感染拡大を放任する習政権にはおそらく、もう1つの隠された思惑があるのであろう。
今年3月に、中国で5年一度の全国人民代表大会(全人代)が開かれ、次期首相が選出されるのと共に新しい中央政府(国務院)が発足する。そして首相の交代では、習主席のライバルである李克強首相にとって代わって、習主席側近の李強氏が次期首相に就任し、彼を中心とした中央政府が誕生する運びとなっている。
したがって習主席からすれば、3月に誕生する中央政府こそは、自分の子分によって牛耳られる「習近平政府」となるから、彼としては当然、この新しい「習近平政府」がより安定した環境の中で順調なスタートを切ってもらいたい。まさにそのために、習主席とその周辺の思惑としては、今年3月までにコロナの感染拡大をほぼ完全に収束させ、国全体を「ポストコロナ」の正常状態へ持っていきたい。
しかし、「ゼロコロナ」政策を放棄した今、感染拡大を収束させる方法は1つしかない。それはすなわち、国民全体あるいはその大半を一度感染させることによって集団的免疫力をつけさせることである。簡単に言えば要するに、国民全員が一度感染してしまえば、感染拡大は自ずと止まってしまう、という計算である。
しかも、前述の全人代の政治的スケジュールからすれば、国民の全員感染=感染拡大の収束はどうしても今年は3月までに完成しなければならない。したがって今の習政権はむしろ、感染拡大がより早いスピートで進むことを望んでいるのではないかと思われる。
つまり習政権には、感染拡大を助長する意図があっても、それを食い止めたり緩和させたりするようとする考えは毛頭ない。そしてそれはすなわち、中国政府は今、国内の感染拡大を放任するという極めて無責任な態度をとっていることの、戦慄すべき深層的な理由であろうと、筆者の私が見ているのである。
もしそうであれば、習近平という指導者こそは中国国民にとっての最悪の指導者であって、今の習政権は鄧小平時代以来の共産党歴代政権の中でも最悪の政権であると言って過言ではない。その一方、日本を含めた世界各国は、中国国内の感染拡大がわれわれの住む世界に波及してくることを大いに警戒しなければならない。2020年の悪夢の再来はごめん被りたいものである。
新型コロナの感染が拡大している中国が、感染者数などの発表を取りやめたことに対し、WHO(世界保健機関)が苦言を呈している。
■習主席 コロナとの戦いに“勝利宣言”
中国・習近平国家主席:「同志たち、友人たち、皆さん、こんにちは」
2022年最後の日に、中国の習主席が新年に向けた演説を行った。そこで口にしたのは…。
習主席:「この上なく苦しい努力を経て、我々は前代未聞の困難と挑戦に勝利した。誰にとっても、たやすいことではなかった」
新型コロナとの戦いについて、事実上の勝利宣言をしたのだ。
■緩和後の北京「ゴーストタウンのよう」
2023年1月1日、北京市内にある寺院は初詣の参拝客で混雑していた。
3年間続いたゼロコロナ政策を先月上旬、緩和に向け、かじを切った中国政府。緩和の前と後でどう変わったのか。ANN中国総局の冨坂範明総局長に話を聞いた。
冨坂総局長:「ゼロコロナ政策が緩和された後は、基本的には皆さん一気に感染した。北京の街から人が消えて、ゴーストタウンのようになった時期があった」
その後、感染拡大が広がっていた北京市は、少しずつピークアウトし、街には人出が戻ってきたという。
■感染経験ない人に異変「肩身狭い」
そして、街で知り合いに会うと、「ニーハオ」ではなく違う言葉があいさつのようになっているという。
冨坂総局長:「皆さん会うと、『ヤンラマ?』って言うんですけど。『感染した?』っていうのを聞いていまして。聞かれたら『ヤンラ、ヤンラ』と言って『もうかかった」って」
そして、こんな思いをすることもあるという。
冨坂総局長:「食事とか誘って感染させたら悪いから、やめておくみたいな感じで。感染していないほうが肩身が狭い。そういった状況が生まれています」
そんな中国では先月25日、感染者数の公式発表を取りやめた。
その中国に対し、WHOの担当者は先月30日、新型コロナの入院患者などのデータを定期的に共有するよう、中国側に要請したと発表したという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年1月4日放送分より)
中国で有名人が相次ぎ死去 コロナ死者の公式発表に疑念高まる
2023年1/6(金)
中国で有名人の死去が相次いでいる。そうした状況が明らかになるにつれ、国民は新型コロナウイルスによる死者数の公式発表に対し、疑念を強めている。
先月、京劇俳優の儲蘭蘭氏が死去した。40歳という若さゆえ、社会に大きな衝撃が広がった。
彼女の家族は「突然の旅立ち」に悲しんでいるとしたが、死因については詳細を明らかにしなかった。
中国は先月、「ゼロコロナ」政策を転換。以来、新型ウイルスの感染者と死者が急増している。病院や火葬場が対応し切れていないとも報じられている。
中国当局は日別の感染者数の公表を中止。肺炎などの呼吸器系疾患で死亡した人だけをカウントする独自の厳しい基準に照らし、昨年12月以降の新型ウイルスによる死者は22人だけだと発表している。
こうした状況を受け、世界保健機関(WHO)は4日、中国が国内の新型ウイルスの真の影響(特に死者数)を過小に報告していると警告した。
■俳優や脚本家なども
京劇俳優の儲氏などの死は、新型ウイルスによる死者数が、実際には公式発表よりずっと大きいのではないかとの憶測を呼んでいる。
元日には、俳優の龔錦堂氏(83)が死去したとのニュースが流れ、中国の多くのネットユーザーが悲しんだ。20年以上続く人気テレビ番組に出演し、親しまれた存在だった。
死因は不明だが、ソーシャルメディアでは多くのユーザーが、最近相次いでいる高齢者の死と関連づけている。
ユーザーの1人は、「この波は本当に多くの高齢者の命を奪った。みんなで家族の高齢者を守ろう」と、中国のソーシャルメディアの微博(ウェイボー)に書き込んだ。
最近亡くなった著名人にはこのほか、映画「紅夢」(1991年)などに関わった脚本家の倪震氏(84)、元ジャーナリストで南京大学の教授をつとめた胡福明氏(87)などがいる。
中国メディアによると、昨年12月21~26日には、国内トップの科学技術アカデミーに所属していた科学者が計16人死去した。
こうした人々の死亡記事は、どれも新型ウイルスが死因だとは書いていない。それでもネット上では憶測が広がっている。
倪氏の死去を伝える記事に続く最高評価のコメントには、「彼も 『悪性のインフルエンザ』で死んだのか?」と書かれている。「ネット全体を探っても、彼の死因に対する言及は見当たらない」という書き込みもある。
中国では昨年11月、ゼロコロナ政策の廃止を求めて、中国では珍しい抗議デモが街頭で起きた。それに参加した人たちを批判する声も出ている。
あるソーシャルメディアユーザーは、「あの人たちは今、高齢者の現状を見て幸せなのか」と問いかけた。
習近平国家主席は新年の演説で、中国のように大きな国には異なる意見を持つ人々がいて当然だとし、デモに言及したものと受け止められた。
しかし習氏は同時に、中国が新型ウイルス対策で「新たな段階」に入ったとし、国民の結束を強く促した。
中国当局は、政府の発表に懐疑的な見方が広がっていることを認識している。それでも、中国を席巻している新型ウイルスの波の深刻さを、小さく見せかけようと努力し続けている。
北京の呼吸器疾患研究所の所長は、国営テレビのインタビューで、この冬これまでに死亡した高齢者の人数が例年より「間違いなく多い」ことを認めた。だが一方で、重症化しているのは患者全体のごく一部だと強調した。
共産党機関紙の人民日報は今週、新型ウイルスに対する「最終的な勝利」に向けた努力を市民に呼びかけるとともに、かつてのゼロコロナ政策への批判は相手にしない姿勢を示した。
(英語記事 Celebrity deaths spark fears over China Covid toll)
中国で「複数の呼吸器疾患」が"同時流行"の深刻度 子どもから全世代、中国全土に感染が広がる
2023年12月13日
中国で感染が広がる呼吸器疾患。写真は病院内の様子(写真:VCG/アフロ)中国で3カ月にわたって肺炎など呼吸器疾患が流行している。
【写真】診察を待つ中国の病院内の様子。赤ちゃんを抱える母親の姿も。
当初は北部、子どもの感染が中心だったが、気温が下がるにつれ中国全土、全年齢層に感染が拡大、新型コロナウイルスの武漢での感染爆発がよぎるのか、世界保健機関(WHO)が中国当局の対応に神経をとがらせ、国際社会も動向を注視する。病院の受診者数は高止まりしたままで、年末年始に感染のピークを迎えるとの観測も出ている。
子どもの看病や感染防止で仕事を休む
「長女の通う小学校では2023年11月から何度か学級閉鎖になった。教師もインフルエンザに感染したと聞いて不安を感じている」
中国東北部の大連市に住む女性(33)は心配そうに話した。気温が1桁に下がった10月中旬以降、周囲で肺炎を中心とする呼吸器疾患が流行し始め、子どもの看病や感染防止のために仕事を休む同僚も増えているという。
呼吸器疾患の流行が中国で最初に大きく報じられたのは2023年10月だ。せきと発熱の症状が出るマイコプラズマ肺炎にかかる子どもが9月以降増加し、北京市など大都市では病床が不足していることが明らかになった。
2023年11月に入ると様相は複雑化した。インフルエンザが流行り始め、RSウイルス、アデノウイルスなど症状が異なる呼吸器疾患も同時に報告されるようになった。
患者が急増した都市では、小児科がほかの診療科から応援を要請したり、救急病院で診察が10時間待ちになるなど、医療の逼迫が顕在化している。
北京市の保険当局は小児科の診療体制やオンライン診療を拡充したうえで、小児科専門医を受診する前に近所の医院に相談することを呼びかけ、患者の分散に腐心している。
診察を待つ病院内の様子(写真:CFoto/アフロ)マイコプラズマ肺炎だけでなくさまざまな感染症が同時に流行しているが、12月初旬時点で猛威を振るっているのはインフルエンザだという。
国家衛生健康委員会の2023年11月26日の会見での説明によると、1歳から4歳では「ライノウイルス(鼻かぜ)」、5歳から14歳では発熱やせきなどの症状が特徴の「マイコプラズマ肺炎」と、高熱、喉の腫れや痛みを引き起こす「アデノウイルス」、15歳から59歳ではライノウイルスと新型コロナウイルス、60歳以上は気管支炎や肺炎を引き起こすヒトメタニューモウイルス、風邪の病原体であるコロナウイルスの感染が多く、インフルエンザは全世代で流行している。
ゼロコロナ政策が影響
複数の感染症が同時に広がり、中でもマイコプラズマ肺炎とインフルエンザの感染者は記録的な多さだという。中国当局や専門家はその理由に3年に及ぶゼロコロナ政策を挙げる。
2020年1月に武漢で新型コロナウイルスの感染爆発が確認されて以降、中国は2022年12月まで人の行動や経済活動を制限して感染を徹底的に封じ込めるゼロコロナ政策を続けてきた。
その結果、ほかの感染症も封じ込められていたが、今年に入って人の動きが元に戻るにつれ、ウイルスも活発に動き出した。また、ウイルスとの共存を徹底拒否した3年間で人々の免疫力が低下し、より感染しやすくなっているというわけだ。
インフルエンザは今年3月にも流行し、「季節外れ」と話題になった。通常は秋の初めから冬にかけて広がるが、ゼロコロナの影響で周期が乱れており、人の免疫力が低下していることも相まって、前回の流行から半年余りで再び流行のフェーズに入ったと専門家は説明する。
中国政府にとって頭が痛いのは、次から次にウイルスが流行して大都市の病院を受診する患者が一向に減らないことで、想定外の火種が生まれていることだ。
世界保健機関(WHO)は2023年11月下旬、新たな感染症を速報するプログラムProMEDが「中国北部で未診断の子どもの肺炎が集団発生している」と報告したことを受け、中国当局に詳細の報告を求めたと発表した。
WHOが報告要請した事実を個別に発表するのは珍しい。武漢で新型コロナウイルスの感染爆発が起きた際に、中国当局だけでなくWHOも初動が遅いと批判されたことが念頭にあると思われる。
中国当局は同月23日にWHOとオンライン会議を行い、未知のウイルスによる呼吸器疾患は確認されておらず、医療体制も維持されていると強調したが、呼吸器疾患の流行が世界に知れ渡り、国際的なメンツ問題にも発展してしまった。
「隠蔽」と非難された武漢の二の舞を避けたいのは中国側も同じで、国家衛生健康委員会は2023年11月24日、26日、12月2日とこまめに記者会見を開き、状況を説明している。
北部から全国に感染広がる
だが、複数のウイルスが同時多発する中で感染者は子どもから全世代に、地理的な感染範囲も北部から全国に広がりつつある。2023年12月初めには香港と接する南部の深圳でも呼吸器疾患の流行が始まった。
WHOが関心を示したことで人々の不安も高まり、SNSで「WHOが中国で原因不明の肺炎を確認した」との情報が飛び交い、当局は慌てて否定した。
台湾当局は2023年11月末、高齢者や子ども、免疫力の低い人は中国への渡航を控えるよう呼びかけた。
今のところ呼吸器疾患による死者は報告されていない。しかし短期間あるいは同時に複数のウイルスに感染することによる重症化やウイルスの変異への警戒感はくすぶっており、年末年始にかけて入院者や重症者が増えると予想する専門家もいる。
感染拡大の抑え込みはもちろん、医療体制の確保、国際社会での懸念の払拭、デマの封じ込め……。中国政府が対処すべき課題も複雑化している。
新型コロナウイルス、最初の感染源ついに判明、やはり武漢の市場から 中国が誤魔化し切れなくなった「タヌキ」
2023年4月18日
中国当局(疾病予防控制中心)は、繰り返し否定しきたが、どうやら感染源(ウイルスのヒトへの仲介源)がしぼり込まれてきたようだ。それも中国側のポカによってのこと。自ら語るに落ちたわけだ。はっきり言えば、嘘がばれないように嘘の上塗りを重ねてきたが、ついに嘘をつききれなくなってしまった。
意図的だった? ズサン極まりない疫学調査
2019年の11月の末ないし12月の初めには、感染者が発見されていた。1ヵ月後には、感染者の多くが、武漢の駅の南にある大きな市場(主として水産物を扱う武漢華南海鮮批発市場)の関係者とわかり、翌20年の1月1日から閉鎖された市場で、ウイルス探しが始まった。
武漢華南海鮮批発市場 by Gettyimages
© 現代ビジネス
だが、サンプルの採取法が実にズサンだった。売り場を水で洗い、回収した汚水を区画ごとに分けて大きな容器に入れて運び、PCRによって検査した。
その結果は、ウイルスと売られていた動物とヒトの遺伝子、これら3種の遺伝子が混在する状態が、市場の区画ごとに確認されただけだった。
特定の売り場、特定の動物(商品)、特定の籠や箱や台車にはしぼりこまれなかった。疑われるものごとに拭き取り、個別に収集しなければならないのに、それをやらなかった。と言うか、できなかった。疫学調査の一丁目一番地のワキマエが欠けていた。
意図的にサンプルを破壊したのか、それとも疫学と防疫の水準の低さのためなのか。蔓延から3年を経過した現在から総合的に見ると、両方が原因だったと判断される。結果的には、学術の水準の低さを、国家の威信を一時的に守るのに利用したことになるだろう。
という次第で、市場の南西の区画、イカモノの獣(生きたまま、あるいは肉や臓物)をとくに扱う一角が、ウイルスで汚染されていたことだけは、中国当局も認めざるを得なくなった。そんな中途半端な状況のままが現在も続く。
フランスのウイルス学者が仲介源をタヌキと同定
今年の3月4日、フランスの国立科学センター(CRNS)のウイルス研究者で、大学でも教えるフロランス・デバールが気づいたのだが、インフルエンザ関連のデータ・センター(GISAID、本部はワシントンDC)に、武漢の市場で採取された遺伝子配列データが、中国から2022年6月付で登録されていた。
彼女を中心とするグループは、それらのデータをあらためて調べ、5日後の9日には、コロナ・ウイルスといっしょに8種類の野生動物とヒトの遺伝子が混在しているのを確かめた。野生動物は、タヌキ(日本のそれと同種)、ハリネズミ、ヤマアラシ、タケネズミ、マーモット、ハクビシン、イタチ、ブタバナアナグマだった。それらのうちで、店頭でもっとも多く見つかったのがタヌキの遺伝子だった。
論文では、8種類の野生動物の比率は示されていない。だが、「タヌキを含む野生動物」と筆頭に挙げることによって、売られていたタヌキが感染源だと、限りなく断定に近い表現になっている。検討結果は、論文として3月20日に公開された。
ところが、不可解なことに、中国からの申し出によって、肝心のデータそのものが3月11日に取り下げられた。フランスでのタヌキ同定を、中国当局が察知したからだろう。中国がもっとも隠したいタヌキに関するデータを、うっかり海外に出してしまったのは、科学的には妥当で必須だが、政治的には、つまり、中国の国際的駆け引きにとっては、致命的なポカだった。そのためますます自縄自縛に陥り――嘘のため嘘をつき続けねばならなくなった。
近くに存在する余りにも潤沢すぎるタヌキの供給源
中国の研究者によると、武漢の市場で売られていたタヌキは、平均すると毎月38匹、1匹の平均価格は63ドル(約8000円)だった。15匹を売れば、大学新卒の月給(12万円)と同じになった。おいしい商売だった。
高価で売れたのは、イカモノの獣肉の味覚や薬効からではない。それを使った料理は贅沢とされ、それを出されるのは歓待、格別な配慮の要請(一種の贈賄)を意味したからだ。
ということは、社会的腐敗がコロナ肺炎の世界的大流行をまねいたと、世界中から糾弾されることになるわけで、それを北京当局が恐れて、武漢の市場の感染情報を隠したがっているのだと疑われても仕方がない。
中国全土の獣肉市場には、広く全国に存在する毛皮獣飼育場から、タヌキやキツネやイタチなどが生きたままで供給されてきた。料理する直前まで生きているのが尊重されたからだ。というわけで、動物が飼育場でコウモリからウイルスをうつされると、ウイルスを持ったまま、動物が人口密集地に持ち込まれ、いともたやすくヒトへの感染源になる。そういう社会体制がつくられていたわけだ。
武漢の市場にタヌキを供給したのは、武漢と同じ省内、湖北省西端の山岳地帯、恩施(エンシ)地区に存在する飼育場群と推定される。飼育数は総計で100万匹とも伝えられる。この地帯は洞窟も多く、そこがコウモリの巣窟になっている。
この疫学モデル――「ウイルス→コウモリ→仲介動物→ヒト」――は、2002年11月から翌年7月にかけてのSARS(重症急性呼吸器症候群)の場合と、パターンが同じだ。
その点からしても、コロナ肺炎の武漢市場タヌキ起源説が、真相にもっとも近いと考えるべきだろう。これ以外の説は、米中の不信と敵意のフェイク・ニュース戦争の産物だ。
トランプ大統領のもとで、武漢の研究所からウイルスが漏れたのが原因と喧伝された。だが、研究所が保存するウイルスと、流行したウイルスとは、遺伝子の並びの細部が異なるので、この説は科学的にはまったく成り立たない。
それに対抗するため中国当局は、輸入した冷凍肉が原因だと、海外に感染源をなすりつけようと盛んに宣伝した。だが、そうした事例は世界中どこにも見られない。いまだに中国当局は海外原因説に固執するが、中国への信頼を損ねる一方だ。
次の新型肺炎はいつ、どこで起こるか
いつ起こっても、おかしくない。場所的には中国の東半分のどこで起こっても、おかしくない。というのは、感染の仲介源となる可能性の高い動物が、毛皮をとるため、中国の東半分、北から南まで、いたるところで盛んに飼育されているからだ。
砂漠と高山地帯を除く全土と言っても過言ではなく、ウイルスを運ぶコウモリの生息地とも完全に重なる。吹きさらしの野外の金網のなかで動物が飼われているので、自由に網の目をくぐってコウモリが動物の餌を盗みに入ってくる。ウイルスは何の障害もなく飼育動物へ伝染する。
シンガポールで発行される新聞「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」(2020年3月4日付け)が伝えるところでは、中国の毛皮業界の従業者は1400万、年間の売り上げ高は5200億元(740億ドル)に達する。
中国皮革協会によると、2021年の毛皮の生産枚数は、キツネが1100万、タヌキが919万、ミンクが687万だった。
タヌキの毛皮の生産地の比率は、河北省が66.51%、山東省が16.94%、黒竜江省が10.66%、その他が5.89%だった。武漢がある湖北省はその他に属する。つまり、武漢周辺よりもはるかに次の新型肺炎が起こりやすい地域がたくさん存在する。
振り返ると、この20年間、中国の感染症対策は本質的にはまったく改善されていない。それが証拠に、たとえば河北省の粛寧県(北京の南100キロメートル)では、昨年の暮れに「国際皮革交易会議」が開催され、年間250億元の売り上げがあったとの報告を基に、地域の人民政府の副秘書長が激励の挨拶をした。当局が音頭をとって、縮小するよりも拡大を策しているのだから、感染症対策に逆行することも甚だしい。二度あることは三度あると、世界中が覚悟していなければならない。
家畜以外は、つまり、野生動物は、市場での売買が禁止されたが、毛皮をはいだ後の肉や臓物がどのように処分されているかについては、はっきりしない。まさか市場の店頭で家畜の肉や贓物のなかにまぎれこんでいるとは、誰も思いたくないが、気になるところだ。
中国は感染症対策を根本的に改めないと、中国自体にとっても為にならないだろう。しかし、その気配はない。
![]() |
生物兵器の歴史を作ったコロナウイルスのパンデミックと発症先。武漢ウイルスを隠す中国共産党の戦略 |
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
東南アジア諸国でマスク「復活」、新型コロナ激増し変異株が流行―中国メディア
2023年12月20日
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2023年12月20日、中国メディアの新京報は、東南アジアで新型コロナ感染者が急増しており、複数の国でマスク着用が復活していると報じた。
記事は、今年に入って新型コロナの感染が収まったことにより東南アジアの多くの国で「マスク着用令」が緩和されたものの、近ごろ新型コロナ症例が大幅に増加したため、いくつかの国ではマスク着用の重要性を再び呼びかけ始め、空港などで体温測定器を再稼働させた国もあると紹介した。そして、シンガポールでは今月3〜9日の1週間に新たに新型コロナ患者5万6000人以上が確認され、前週の約3万2000人を大きく上回ったため、同国保健省は19日からこれまで週1日行ってきた患者数の発表を毎日の発表に戻す措置を取ったと伝えた。また、新型コロナ患者増加の理由について、免疫力の低下、年末の祝祭シーズン中の旅行や地域活動の増加など複数の要因が重なった可能性があるとの見解を同省が示していると紹介するとともに、症例の大半がオミクロン株から新たに派生したJN.1型によるものと指摘。JN.1亜型は11月以降、世界で急速に感染が増加しており、世界保健機関(WHO)が11月21日に懸念すべき変異株に指定したと伝えた。さらに、フィリピン保健省も11月14日、マニラ首都圏の3つの病院で新型コロナ患者用病床がフル稼働状態になっていると発表し、今月2〜11日の新型コロナ新規患者が1910人と1日当たり260人に達し、前週の同100人を大きく上回ったことが同省の発表で明らかになったと紹介。マレーシアでも近ごろ新型コロナ患者が増加傾向にあるものの、当局は「流行はコントロールされており、医療施設に負担をかけることはないと」とし、マスク着用奨励などこれ以上の流行を抑えるための対策を取っているとした。
このほか、インドネシアでは新型コロナ患者が増加している地域への渡航延期とともに、「ワクチン接種を2回済ませ、マスクの着用と手洗いを行い、体調が悪いと感じたら自宅待機する」よう呼びかけており、体温測定設備の再稼働を行っていると伝えた。(翻訳・編集/川尻)
コロナ派生型「JN.1」、WHOが「注目すべき株」に 世界各地で急拡大
フィリッパ・ロクスビー、健康記者
世界保健機関(WHO)は2023年12月19日、新型コロナウイルスのオミクロン株から派生した「JN.1」を「注目すべき変異株」(VOI)に指定したと発表した。「急速に拡大している」ためとしている。
JN.1はインド、中国、イギリス、アメリカなど世界各地の国々で確認されている。
WHOは、公衆衛生へのリスクは今のところ低く、現行のワクチンで予防効果が得られると説明。
ただし、この冬は新型ウイルスや他の感染症にかかる人が増える可能性があると警告している。
北半球では、インフルエンザ、呼吸器合胞体(RS)ウイルス、小児肺炎などの呼吸器系ウイルスも増加傾向にある。
新型ウイルスは常に時間とともに変化しており、ときおり新たな変異株が生まれている。
ここしばらくは、オミクロン株が世界的に優勢な変異株となっている。
WHOは現在、JN.1を含め、オミクロン株に関連した多くのVOIを追跡調査している。これまで、懸念すべきものは見つかっていない。
ただ、JN.1は世界各地で急速に広がっている。
米疾病対策センター(CDC)によると、同国で現在最も急速に広がっている変異株の系統がJN.1で、感染の15〜29%を占めているという。
英健康安全保障庁(UKHSA)は、研究施設で分析された新型ウイルスの陽性検査結果の約7%がJN.1だとしている。同庁はこれらの変異株の派生型について、全データを監視し続けていくとしている。
冬期に急増
JN.1は全ての地域で急速に広がっている。おそらく、派生元のBA.2.86系統と比べ、スパイクタンパク質にさらなる変異があったためとみられる。
WHOは、「この亜系統は特に冬を迎えている国々で、他のウイルスや細菌感染症が急増するなか、SARS-CoV-2(コロナウイルス)感染者の増加を引き起こすと予想される」としている。
WHOによると、ワクチンによる免疫がJN.1にどれくらい効果的なのかについては、まだ限られた証拠しかないという。
これまでの派生型に比べJN.1のほうが感染したときの症状が重いとする報告は出ていない。
しかしWHOは、新型ウイルスの入院患者のデータを報告する国が大きく減っていることから、健康への影響を調べるにはさらなる研究が必要だとしている。
感染や重症化を防ぐために、WHOは以下の行動を勧めている。
混雑した密閉された場所ではマスクを着用する
咳やくしゃみをするときは口を覆う
手指を清潔にする
新型ウイルスやインフルエンザの最新の予防接種を受ける(特にリスクが高い人)
体調不良のときは家にいる
症状があれば検査を受ける
鼻粘膜抗体がウイルス排出抑制? コロナ感染拡大防止も、名古屋大
2023年12月22日
鼻粘膜上の抗体が新型コロナウイルスの体外への排出を抑え別の人にうつしにくくしている可能性があることが分かったと、名古屋大などのチームが22日までに発表した。コロナ感染歴やワクチン接種歴があると、抗体の反応が早まることも判明。「粘膜の抗体の反応を早められれば、感染拡大を防ぐことができる」と期待している。
粘膜の抗体は、体内へのウイルス侵入を妨げて感染を防止する役割があるとされる。チームは、国の積極的疫学調査で得られたオミクロン株感染者122人のデータと試料を分析し、鼻の粘膜表面で分泌される抗体が他の抗体と比べ、ウイルス量や感染力を強く抑制する傾向を発見した。
この粘膜の抗体が反応するまでの期間が短くなると、ウイルスの排出期間も短縮するため、この抗体が排出を抑える可能性があるとしている。また、感染歴とワクチン接種歴がある場合、排出期間がほぼ半減することも判明した。
名古屋大の岩見真吾教授は「抗体が反応するまでの時間を指標にすれば、粘膜の免疫を標的としたワクチン開発がしやすくなる」としている。
コロナ定期接種、7千円に 来年度2024年、高齢者ら自己負担
共同通信社 によるストーリー
65歳以上の高齢者らが対象となっている来年度の新型コロナワクチン定期接種を巡り、低所得者を除いて自己負担額が7千円となるよう、政府が接種費用の一部を助成することが2023年12月21日、関係者への取材で分かった。市町村に助成金を交付して超過分を賄う。定期接種の対象ではない任意接種の人は、今回の助成は適用しない。
定期接種は、65歳以上の高齢者と、60~64歳で一定の基礎疾患のある重症化リスクの高い人が対象。関係者によると、インフルエンザ定期接種の費用が約5千円となっていることを参考に7千円とした。
定期接種の対象者は年1回、秋から冬の間に接種することになる。
感染症、2024年1~2月に大警戒 過去3年間よりも大変な冬に…インフル高止まり、増加のコロナ「対策で免疫が確立されていない」
2023年12月26日
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが「5類」に移行してから初めての年末年始を迎える。インフルエンザの感染は高止まりし、東京都内では溶連菌感染症の初の流行警報が発出された。そしてコロナの感染者も増加傾向だ。医療関係者は「来年2024年1~2月はコロナ禍の過去3年間よりも大変な冬になるかもしれない」と警鐘を鳴らす。
厚生労働省は2023年12月22日、全国約5000の定点医療機関が2023年12月11~17日に報告したインフルエンザの患者数が14万7858人で、1機関あたり29・94人だったと公表した。前週よりやや減ったものの、30人超の「警報レベル」に近く、予断を許さない。
東京都は2023年12月21日、「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)」の患者が都内で増えているとして、1999年の感染症法施行以来初の警報を発出した。子供が多く感染し、急な発熱や、のどの痛みなどの症状がみられる。
のどや目などに症状が出る「咽頭結膜熱」も例年の同時期より大幅に増えている。
浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫医師は「コロナ禍のマスクや手洗いで多様な感染症ウイルスにさらされていない期間が長かったため、免疫が確立されていないことが感染症流行の要因と考えられる。呼吸器系の感染症以外にも食中毒も多い。流行の中心は子供だが、大人も注意が必要だ」と語る。
実はコロナも4週連続で増加傾向だ。世界保健機関(WHO)は2023年12月19日、変異株「JN・1」を「注目すべき変異株」に分類したと発表した。既存のワクチンが効果があるとし、公衆衛生に大きな脅威をもたらすリスクは低いとの認識を示した。
矢野氏は「この冬は医薬品不足も問題になっている。コロナ以外の感染症も加わり、医療機関の病床が逼迫(ひっぱく)したり、救急搬送困難事案などが増えることも予想される」と危惧する。
忘新年会や帰省、Uターンなど人の動きも活発になる年末年始の感染拡大も心配だ。
前出の矢野氏は「コロナ禍のような過度な対策は必要ないが、受験生や高齢者を守る行動は必要だ。公共交通機関で移動する際にはマスクを着用するほか、唾液を経由する感染症もあるので、会食で食卓を囲む際にもはしやスプーンを共有しないことを勧める」と助言した。
「集団免疫」が期待できないコロナ、5年目以降の対策はどうすべきか
井手ゆきえ によるストーリー •
2024年1月1 日
2020年1月14日、神奈川県内の医療機関から管轄の保健所に対し、「中国・武漢滞在歴がある肺炎患者」の報告があった。国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症例である。
あれからおよそ4年が過ぎた。2023年5月8日にはCOVID-19の扱いが感染症法上の5類に移行。年末年始の街のにぎわいを見る限り、コロナ禍は過ぎ去ったように思える。本当にそうか。
というのも、これまでのデータから、新型コロナウイスルには「集団免疫」が期待できないと考えられるからだ。
集団免疫とは、感染者が出たとしても、周りに感染しやすい人がいなければ──つまり免疫を獲得している人が多ければ、そこでウイルスの伝搬が断ち切られるという状態だ。
しかし、新型コロナウイルスの場合、感染して得た免疫にせよ、ワクチンで得た免疫にせよ、感染予防効果の持続期間は、数カ月だとされている。
さらに、免疫の武器である「抗体」の攻撃をすり抜ける変異が次々に登場している状況を考えると、感染そのものを完全に防ぐことは不可能だ。5年目以降の現実的な対策は、COVID-19による重症化や死亡を防ぐことだろう。幸い、ワクチンの重症化を抑える効果は1年ほどもつようだ。ワクチンの追加接種で重症化リスクが下がるというデータも出ている。
2024年以降は、社会に新型コロナウイルスが「定着」したことを前提に感染症対策を立てていこう。まず65歳以上は、24年度以降も公費支援がある1回/年の定期接種を利用しよう。インフルエンザのワクチンと同じことだ。
2024年4月以降、自己負担ありの任意接種となる64歳以下かつ接種の意思がある人は、無料期間が終わる2024年3月末日までに追加接種を済ませてしまおう。基礎疾患がある人は、その後も年に1回の接種を考慮するといい。
何かと物議を醸すマスクだが、換気が悪い室内や激混みイベントでは、スマートに装着すること。この4年間で身についた手指洗いもお忘れなく。(取材・構成/医学ライター・井手ゆきえ)
新型コロナウイルスの新変異株「JN.1」 従来より高い伝播力と免疫逃避能力
2024年1月6日
国内でも急速に拡大している新型コロナウイルスの新変異株「JN・1」について、これまでの変異株に比べて、免疫をかいくぐる能力が高く、感染が広がる力も強いとの結果を、東京大医科学研究所の佐藤佳教授が主宰する研究チームがまとめた。今後の流行株になる可能性があるという。
JN・1は、2022年に流行したオミクロン株の派生株「BA・2」がさらに変異したウイルスだ。23年11月ごろから世界的に感染が広がり、世界保健機関(WHO)は翌12月に「注目すべき変異株(VOI)」に指定した。
国立感染症研究所によると、国内でJN・1が検出された割合は、12月上旬の1週間で1割強だったのが、約3週間後には3割強に高まり、大幅に増えつつあるとみられている。だが、JN・1の細かな性質などは分かっていなかった。
そこで研究チームは、英国やフランス、スペインのウイルスゲノムの疫学調査に関するデータや、培養細胞などを使って調べた。
その結果、感染者1人が何人に感染を広げるかを示す「実効再生産数」は、現在流行している変異株の1・2~1・4倍程度で、広げる能力が高いことが分かった。
培養細胞を使った実験では、2023年夏に国内で確認され、世界的にも流行した「BA・2・86」(通称ピロラ)の約2倍の感染力がある可能性が示された。
ワクチン接種者が持つ抗体から逃れる力は、ピロラの3・6~4・5倍だった。新型コロナに感染することで体内に作られる抗体からの逃避能力は、ピロラの3・8倍だった。
研究チームは「今後、JN・1は全世界に拡大し、流行の主体になることが懸念される。有効な感染対策を適切に行う必要がある」としている。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
![]() |
2024年11月15日:アメリカ大統領総選挙の投票日:世界が地獄へ向かう日になるかもしれない! |
ホーキング博士は、地球温暖化はより差し迫った脅威であると考えた。
気候変動
©Shutterstock
気候変動
ホーキング博士は特に、地球温暖化が取り替えしの付かないものになる、いわゆるティッピング・ポイントを懸念していた。
また、2017年にアメリカがパリ協定からの離脱を決定したことにも懸念を示した。
「トランプ大統領の行動(パリ協定からの離脱)によって、地球は瀬戸際に追いやられ、金星のようになり、気温は250度、硫酸の雨が降るようになるかもしれない」とホーキング博士はBBCに語った。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)も、気温の上昇に伴い、気候の転換点を迎える潜在的なリスクを警告している。
地球は火の玉に変わる
©Shutterstock
ホーキング博士は、過密化とエネルギー消費により、2600年までに地球は巨大な火の玉になると説いた。そうなれば、地球は住めなくなるだろう。
「気候変動、小惑星衝突、伝染病、人口増加により、私たち自身の惑星はますます不安定になっている」と彼は2017年にBBCに語った。
トランプ氏関連企業、外国政府から11億円超受け取り 民主党調査
2024年1月4日
米連邦下院の民主党は2024年1月4日、共和党のトランプ前大統領の就任直前から在任期間(2017~21年)にかけて、外国の政府や公的機関がトランプ氏の関連企業に推計780万ドル(約11億3000万円)以上を支払っていたとの調査結果を発表した。民主党は、政府当局者が外国政府から利益を受け取ることを原則禁じた憲法の規定に「違反する」と批判し、連邦議会による監視機能を強化するために法整備すべきだと提言した。
報告書によると、中国国有の中国工商銀行は2008年からニューヨークのトランプタワーでオフィスのリース契約を結んでいた。トランプ氏の大統領就任後も契約は続き、2017年2月~2019年10月に少なくとも推計535万ドル(約7億7400万円)を支払った。「中国大使館の代表団」は、2017年8月から首都ワシントンのトランプ・インターナショナル・ホテルに滞在するため、約1万9000ドル(約275万円)の前払い金を支払った。
ペルシャ湾岸諸国が、オフィスビルに公館を置くための賃貸料や外交団が滞在するホテルの宿泊料の名目で支出した例も多く、サウジアラビアは約61万5000ドル(約8900万円)、カタールは約46万5000ドル(約6730万円)、クウェートは約30万ドル(約4350万円)を支払っていた。
報告書は「トランプ氏は、中国工商銀行が北朝鮮関連の制裁逃れの取引に関与した疑いがあったのに、制裁対象に加えなかった。サウジアラビアのムハンマド皇太子が『政権に批判的なジャーナリスト殺害を指示した』との米情報機関の分析にも疑問を呈した」と指摘。トランプ氏が、親族企業への支払いが多い政府などに便宜を図った可能性があるとの見方を示した。
調査は下院監視・説明責任委員会の民主党が主導し、トランプ氏の会計事務所などから入手した資料を分析した。ただ、22年下院選で多数派を奪還した共和党が会計事務所への文書提出命令を撤回したことで証拠収集が難航したため、民主党は「確認された支払いはごく一部だと思われる」としている。
トランプ氏はホテルやゴルフ場の経営を手がける親族企業「トランプ・オーガニゼーション」のオーナーで、2017年の大統領就任に合わせて長男や次男に経営を任せた。しかし、就任当時から「完全にビジネスから離れていない」との指摘があり、大統領としての国益追求とビジネス上の利益が対立する「利益相反」が問題視されていた。【ワシントン秋山信一】
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
Pandaには罪はない!習近平の「一帯一路外交」「微笑外交」「パンダ外交」に問題がある。もう、そろそろ、これらに騙されてはいけない。 |